足 陽明 胃 経(St)

足陽明胃経(zu-yangming-wei-jing)(Stomach-meridian)

【経脈流注】-霊枢経脈第十-

「胃足陽明脈、鼻柱に起り太陽脈と交わり、下りて鼻外側を循り、上歯に入り、還り出て口唇を挟み、承漿にて交わる。下顎を循り、大迎、頬車を循り、客主人を過ぎ、髪際へ向かい、陽白に至る。大迎から人迎に下り、喉仏を循りて缺盆に入り、横隔膜を下り胃に属し脾を絡す」

「体表では缺盆から乳の内側を下り、臍を挟んで下り、気衝に入る。体内では胃口に起り、腹内を循り下り気衝で体表に合し、髀関、伏兎、膝蓋骨へと下り、脛の外側を循り下って、足甲から中指の内側に入る」

「その支脈は下廉三寸から別れ、下りて中指の外側に入る。更にその支脈は足甲で別れ、母指の内側に入り、その端に出る」

「支脈は缺盆から頚に上り頬を貫き、下歯に入り、還り出てを挟み、人中で左右交わり、上りて鼻孔を挟む」

・左右計九十穴

「承泣(禁鍼灸)」 「四白(禁灸)」 「巨髎」 「地倉」 「大迎」 「頬車」 「下関(禁灸)」※裏頄 「頭維(禁灸)」 「人迎(禁灸)」 「水突」 「気舎」 「缺盆(禁鍼)」 「気戸」 「庫房」 「屋翳」 「膺窗」 「乳中(禁鍼)」 「乳根」 「不容」 「承満」 「梁門」 「関門」 「太乙」 「滑肉門」 「天枢『大腸募』」 「外陵」 「大巨」 「水道」※気門 「帰来」 「気衝(禁鍼)」 「髀関」 「伏兎」 「陰市(禁灸)」 「梁丘『郄』」※鶴頂 「犢鼻」※膝眼 「足三里『合水』『胃下合』」※闌尾 「上巨虚『大腸下合』」 「条口(禁灸)」  「下巨虚『小腸下合』」 「豊隆『絡』」 「解渓『経火』」 「 衝陽『原』」 「陥谷『兪木』」 「内庭『榮水』」 「厲兌『井金』」

『募穴:中脘』

『背兪穴:胃兪』

『標本』-霊枢衛気第五十二-

(標)『人迎』 『頏顙…(副鼻腔/巨髎)?』 (本)『厲兌』

※頏顙(副鼻腔?)を通るとされる経絡は、本経と、足厥陰経・衝脈の三条。耳管の不通によるような耳鳴、気圧差による頭痛などは、この三経を中心に考えるべきか?

 

【概要】

・二陽/合:陰中陽。表証(胃腸系)・裏熱を患いやすい。損なうと筋力の低下・血病(心療内科的症状)を生じる。

・気血:多気多血-素問血気形志篇第二十四-

・深度:(五臓六腑の海なので)六分(留十呼)-霊枢経水第十二-

・子午:辰刻(07:00~09:00)

※-素問運気七篇(第六十六~七十四)-に由来する時間と経絡の関係を臨床に応用したもの。此処では現在一般的な各経に対応する十二支(時刻)を表記。

 

【絡脈流注】-霊枢経脈第十-

「足陽明の別絡を『豊隆』と云い、踝から八寸、別れて太陰経に行き、その別枝は脛外側を循り上りて頭項を絡して諸経之気を合し、下りて咽喉を絡す」

※豊隆から分枝。足太陰経に向かうラインと、脛の外側を巡り上って項~頭~喉へと流れるラインがある。このラインは、陽明経が『胃熱(痰熱)』を脳へと上げてしまう主要路となるイメージがあり、不安神経症や発狂・異常行動といった脳の問題では、陽明経(特に去痰の為の「豊隆」)をよく使う。これは、近年よく云われる”胃腸と精神”の関係を思わせる。またラインの終点を考えると、豊隆は喉(痰がつまるなど)の治療にも応用できるか?

 

【経別(第六合)】-霊枢経別第十一-

『離(別)/入:(股関節・鼠径部)』 『出:口』 『合:目系から足陽明経本流へ』

 

【根結】-霊枢根結第五-

『根:厲兌』 『溜:衝陽』 『注:足三里』 『入:人迎豊隆』 『結:顙大(鉗耳/顎関節)』

 

【経筋(季春痺)】-霊枢経筋第十三-

「足陽明の筋、中三指に起り、足甲上に結び、斜め外に輔骨(腓骨)に沿って上り膝外側に結び、直上して髀枢(股関節)に結び、上りて脇を循り、脊に属す」

「其の直枝は脛骨を上り膝に結ぶ」

「其の支脈は大腿骨外側上顆に結び、足少陽経筋に合す」

「其の直枝は上りて伏兎を循り、上りて髀(下前腸骨棘)に結び陰器に集り、腹を上りて布し、缺盆に至りて結し、頚を上り口を挟み、頄に合し、下り鼻に結び、上りて足太陽経筋に合す」

「太陽は上瞼、陽明は下瞼を支配する。その支脈は頬から耳前に結ぶ」

・結処

『足第3指』 『足甲(陥谷)』 『膝蓋骨(犢鼻)』 『膝外廉(足三里陽陵泉)』 『髀枢(髀関・維道/下前腸骨棘)』 『脊柱』 『陰部(陰茎)』 『缺盆』 『頄』 『耳前(耳門聴宮聴会)』 『鼻』

※足陽明経は「宗筋(陰部あるいは全身の筋肉の要)」を潤すとされる為、筋力・筋量に関わる問題には、足陽明経が重要な役割を担う。

広告