陰 維 脈(YiLV)

陰維脈(Yinwei-mai)(Yin-link-vessel)

【経脈流注】

-奇経八脈考-

「陰維は諸陰の交わりに起り、その脈は足少陰経の筑賓穴に発し、陰維の郄となす。内踝の上五寸、腨肉の分中に在り」

「股関節内側を上りて巡り、上行して(衝門から)小腹に入り、府舎にて足太陰経・足厥陰経・足少陰経と会す」

「更に上りて大横・腹哀にて足太陰経と会す」

「脇肋を巡りて期門にて足厥陰経と会す」

「胸隔を上り、咽を挟み、天突・廉泉にて任脈を会し、頭頂の前に至りて終わる」

「陽維之脈は手足の三陽を相維ぎ、特に足太陽と足少陽は、終始相連なり附くものなり」

※「頭頂の前に至りて終わる」とあるが、前頭部に陰維脈の交会穴はない。咽頭(廉泉)で終わるとみるが妥当か。

※『諸陰の交』とは、三陰交を指すのではなく、三陰経の交会穴全般を指す。胸腹部は三陰の連絡が特に密であり、故に『諸陰は皆胸腹に交す』と云われる。

 

・左右計十六穴

※此処では、-奇経八脈考-記載の十四穴(本文に衝門の記載はないが、凡十四穴とあるので、欠損かと思われる)に、宗穴である内関を加え十六穴とする。

※-鍼灸大成-では衝門を含めず、十二穴とある。

「筑賓『陰維郄』」 「衝門」 「府舎」 「大横」 「腹哀」 「期門」 「天突」 「廉泉」

『宗穴/八脈交会穴:内関』

※一説には「血海」も、陰維脈に属すとある。

 

【概要】

・「維=維ぐ・維持・連絡」。陰維脈が諸陰経を繋ぎ、三陰の連絡を密にする役割を持つ事から。

【諸陰之交に起こり、一身の裏を主る】

・維脈は陰陽の諸経をつなぎ、満ち溢れた脈気を蓄積する。しかしこの脈気を正経に戻す事はない。故に陰維脈は”諸陰の交”に起こる。

※側溝のようなイメージか?陰維脈に蓄積された陰気は、腹腔に満ちる『営気=裏』になると思われる。

※営気(血)の盛衰に深く関与する。

※精・血と衝脈・陰維脈について

・中医学における『血』とは、津液に営気が溶けたものを指す。

・衝脈は『血海』ではあるが、その役割は”血の運行の動源”であり、その生成にあたっては陰維脈がより大きな役割を占めると考えられる。

・また衝脈は成長・生殖に係わることから『(腎)精』の調節運行を行うと考えられるが、陰維脈は『主血(心・心包)』「生血(脾)』『活血(肝)』を担っているものと思われる。

 

【主治】「心痛に苦しむ」

〔男〕慢性の脇下のつかえ・腰痛(深部痛・甚だしい時は不安障害も)

〔女〕婦人科疾患(陰部痛、内部に瘡がある様な痛み)

躁鬱・不安障害(やる気がでない)など

 

【症例/個人的見解】

・陰維脈は血(営/胃)に係わる心(少陰)・脾(太陰)・肝(厥陰)の機能を包括するように働く。その為その病証も、 血の虚実によって生じる心・脾胃・肝の証を包括した様相を呈す。

・男女とも、更年期症状には適応か?

広告