禁鍼穴, 精神疾患, 能力開発, 致命三十六穴, 足厥陰経筋, 八会穴, 募穴〔瀉実〕, 各種依存症, 心療内科的症状, 心包, 任脈

膻中(だんちゅう)

CV17)膻中(tan2zhong1)(たんちゅう)・中丹田・上気海・元児・元見・胸堂

【取穴】前胸部、前正中線上、第四肋間と同じ高さ。

※津田胸骨点(十二指腸潰瘍などの診断点)に近い。

【名の由来】「膻中=君主の居城」。本穴が心(神)の外衛たる心包の募穴である事から。

【要穴】

『心包募穴』

『根結:足厥陰之絡』

『八会穴:気会』

『前三関』※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】・経絡(5):任脈-足太陰経-手太陽経-足少陰経-手少陽経

【作用】

〔補〕補益宗気・補陽上焦

〔瀉〕脈絡温通・理気通絡・寛胸理膈

【弁証主治】

◆心包病/脈病

心痛、動悸、胸苦しさ・心窩部痛・掌の火照り・19:00~21:00あるいは07:00~09:00の異常・各種依存症ストレス/不安障害、パニック障害・※副腎髄質機能亢進症など

◆胃病・足太陰経病/血病

貧血、血液疾患、黄疸・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・げっぷ・しゃっくり・食べてもすぐ空腹になる・心療内科的症状など

◆足少陰経病(気病?)

痴呆・視力の低下・梅核気、喉痛、嚥下困難・喘息〔灸7壮〕・更年期障害・痩せなど

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・痔・糖尿病など

◆手太陽経病

下顎痛・頚部静脈瘤・項頚部痛・肩背部、肩甲間部の痛み・上肢痛、マヒ、火照りなど

◆手少陽経病

片頭痛・歯痛・多汗・耳鳴、難聴・胸鎖乳突筋のこわばり・※副腎皮質機能亢進症状など

◆足厥陰経筋病

インポテンツあるいは勃起の異常継続・下腿内側~内股の痛み、ひきつれ・内踝痛・足母指痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(気):膻中+会宗・孔最・陰郄』…気病

『兪募配穴(心包・脈):膻中+厥陰兪』…心包病/ストレス障害・各種依存症など

『原募配穴(手厥陰経):大陵+膻中』…手厥陰経病

【主症配穴】

百会⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+華蓋…息切れ〔瀉法〕

+天突…哮喘〔膻中は灸〕

+巨闕…心窩部痛、喉に痰が溜まる

+少澤〔補〕…母乳がでない〔膻中は灸〕

【症例検証/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち心包募穴である膻中は、胃の病も主治とする。

・難経第三十一難には、上焦の病を治す場として本穴を挙げている。一方、和漢三才図会には「禁鍼穴」とある。

・「気会」としての具体的治効は、足少陰経病(肺腎陰虚)に由来するように思う。

・心包と三焦は、腎との関わりが非常に強い。個人的には、副腎機能の亢進症状をイメージさせる。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。心臓の損傷。

 

※副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)…交感神経による神経性調節。緊急反応をつくる。

・アドレナリン…心拍出量増加作用、血糖値上昇作用。

・ノルアドレナリン…抹消血管収縮による血圧上昇作用。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

※副腎皮質機能亢進症

・クッシング症候群…糖質コルチコイドの過剰分泌によって生じる。満月様顔貌・体内の蛋白質減少・高血糖・高血圧・精神異常など。

・コン症候群…電解質コルチコイドの過剰分泌によって生じる。Na⁺貯留・K⁺消失・多尿・多飲・高血圧・虚弱など。

・副腎性器症候群…副腎アンドロゲンの過剰分泌によって生じる。女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
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ストレス/不安障害、パニック障害, 致命三十六穴, 募穴〔瀉実〕, , 意識障害, 任脈

巨闕(こけつ)

CV14)(ju4que1)(こけつ)・心募

【取穴】上腹部、前正中線上、臍中央の上方六寸。

【名の由来】「巨=大きな」「闕=宮中」。本穴が心募穴であり、君主之官たる心の脈気が此所に集まる事から。

【要穴】『心募穴』

【作用】

〔補〕安神寧心

〔瀉〕寛胸止痛

【弁証主治】

◆心病

睡眠障害・健忘・被害妄想・妄言・狭心症 〔灸7壮〕・掌の火照り・臍上の強い拍動・脈浮洪・11:00~13:00あるいは23:00~01:00の異常など

◆胆病

貧血、血液疾患・几帳面な性格、イライラして怒りやすい・偏頭痛など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり、※奔豚・痔・糖尿病など

【主症主治】※尸厥・※蠱毒・回虫症

【弁証配穴】

『兪募配穴(心):巨闕+心兪』…心病

『原募配穴(心):神門+巨闕』…心病

『原募配穴(手少陰経):巨闕+神門』…手少陰経病

【主症配穴】

+神門…躁鬱

+陽陵泉…全身の筋肉のこわばり〔瀉法〕

+膻中…心窩部痛

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち心募穴である巨闕は、胆の病も主治とする。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。横隔膜の損傷。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック障害に似る。

※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

※蠱毒…古代の毒薬の一種。またはそれに当たって起こる急性重篤症状。

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☎ 048-851-9675
バランス向上, , 足太陰経筋, 八会穴, 募穴〔瀉実〕, 各種依存症, 回陽九針, 消化器疾患, 任脈

中脘(ちゅうかん)

CV12)(zhong1wan3)(ちゅうかん)・太倉・中管・胃募・上紀

【取穴】上腹部、前正中線上、臍中央の上方四寸。

【名の由来】「脘=胃」。本穴が胃の中央に位置する事から。

【要穴】

『胃募穴』

『八会穴:腑会』

『根結:足太陰之結』

『前三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。関元・中脘・膻中とする説と、関元・膻中・印堂とする説あり。

【交会】

・経絡(4~6):任脈-手太陽経-手少陽経-足陽明経(-手太陰経-足厥陰経)

※”中焦”を中脘と同義とするなら、足厥陰経-手太陰経とも交会する事となるが… 

【作用】

〔補〕補中健胃・温陽益胃・暖胃散寒

〔瀉〕和胃導滞・去痰消積・暖胃遂邪・腑気温通・清胃散邪

【弁証主治】

◆胃病/血病/腑病全般

※疳証・腹痛、腹張、腹水などの消化器症状・黄疸・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆心包病

胸苦しさ・心痛、激しい動悸・掌の火照り・※副腎髄質機能亢進症など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患 〔灸300壮〕・下腹部のしこり、※伏梁、※奔豚、※痃癖・痔・糖尿病など

◆手太陽経病

悪寒発熱・リンパ節腫・項頚部痛・肩痛・上肢の痛み、ひきつれ、マヒ、火照りなど

◆手少陽経病

多汗・耳鳴、急性の強い難聴・歯痛・喉痛・胸脇痛など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆手太陰経病

呼吸器の虚弱・咳嗽、喘息・自律神経失調・鎖骨窩痛・肘痛・両手を交えてもだえるなど

◆足厥陰経病

性欲の異常・更年期障害など

◆足太陰経筋病

脇腹~臍の引きつれ・下腹部~陰部のひきつれと鋭い痛み・股関節痛・陰部痛・下腿内側痛・内踝痛・足母指痛・腰痛、背深部の痛みなど

【弁証配穴】

『郄会配穴(腑):中脘+温溜・筑賓』…腑病

『兪募配穴(胃):中脘+胃兪』…胃病

『募合配穴(胃):中脘+足三里』…食積胃脘証・胃寒証

『原募配穴(足陽明経):衝陽+中脘』…足陽明経病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+大椎…※霍乱

+腰兪…発熱〔瀉法〕

+心兪〔灸〕…不安障害

+頭維…前頭部痛

+肺兪…慢性の咳嗽〔喀痰が多い時には+豊隆〕

+上脘…心痛・脾痛

+腕骨…黄疸 〔中脘は金鍼〕

+豊隆…蕁麻疹〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち胃募穴である中脘は、心包の病も主治とする。

・個人的には、副腎髄質ホルモンの亢進症状が心包の病をイメージさせる。

・古典には「和して之を消す」とある。三脘の中でも胃の機能そのものを高める。

・和漢三才図会に「妊婦禁灸」とある。要注意。

・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・足陰経における根結では、『結』は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足少陰)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

 

※疳証…慢性的な疾患によって痩せ衰え、津液が枯渇するもの。古代小児四大証(痘・麻・驚・疳)の一つ。顔色が黄色く肌に艶がない・毛髪が焦げたように細い・腹大静脈怒張・精神衰弱など。

※副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)…交感神経による神経性調節。緊急反応をつくる。

・アドレナリン…心拍出量増加作用、血糖値上昇作用。

・ノルアドレナリン…抹消血管収縮による血圧上昇作用。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉が渇き、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

※痃癖…脇肋部にある癖塊。痃:臍の両側が筋張り盛り上がっているもの。痛みは無い事もある。癖:両脇にあり、痛む時だけ触知できるもの。

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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ED、男性不妊、泌尿器疾患, 肥満あるいは極度の痩せ, 募穴〔瀉実〕, 三焦, 代謝障害, 任脈

石門(せきもん)

CV5)石門(shi2men2)(せきもん)・利機・精露・丹田・命門・三焦募・絶孕

【取穴】下腹部、前正中線上、臍中央の下方二寸。

【名の由来】「石=詰まって通らない」。本穴が腹痛で小腹の硬い状態に効果がある事から。本穴に鍼をすると産道が閉ざされ、子供ができなくなると言われているからとも。

【要穴】『三焦募穴』

【作用】〔瀉〕理気止痛・通利水道

【弁証主治】

◆三焦病/気病

多汗・むくみ・21:00~23:00あるいは09:00~11:00の異常・※副腎皮質機能亢進症状など

◆脾病

貧血、血液疾患・胃腸虚弱、萎縮性胃炎〔灸〕など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・下腹部のしこり・痔・糖尿病など

【弁証配穴】

『兪募配穴(三焦):石門+三焦兪』…三焦病

『募合配穴(三焦):石門+委陽』…三焦実証 〔瀉法〕

『原募配穴(手少陽経):石門+陽池』…手少陽経病

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち三焦募穴である石門は、脾の病も主治とする。

・難経六十六難に「臍下腎間の動気は人の生命、十二経の根本なり。故に名を原という。三焦とは原気の別使(脈)にして三気を通じ五臓六腑を営するを主す。原とは三焦の尊号なり」とある。本穴を三焦募とするのも、是に由来するものと思われる。

・三焦は原の陽気(腎陽・元陽=命門)との関わりが強く、此処では三焦の実体を臍下丹田(胞宮)と仮定する。

・禁鍼灸穴ではないが、名の由来を見るに女性には控えるべきか?ただ本穴の下一寸に婦人科の妙穴「関元」が、上五分には「男子の生気之海」とされる「気海」がある。一応考慮のこと。

・三焦が気の生ずる所である事を考えると、全身の気機と水道の調整に効果が高いかと思われる。

・心包と三焦という臓腑は、腎との関わりが非常に強いと考えることができるのでは?個人的には、副腎皮質ホルモンの亢進症状が三焦の病をイメージさせる。

 

※副腎皮質機能亢進症

・クッシング症候群…糖質コルチコイドの過剰分泌によって生じる。満月様顔貌・体内の蛋白質減少・高血糖・高血圧・精神異常など。

・コン症候群…電解質コルチコイドの過剰分泌によって生じる。Na⁺貯留・K⁺消失・多尿・多飲・高血圧・虚弱など。

・副腎性器症候群…副腎アンドロゲンの過剰分泌によって生じる。女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
ED、男性不妊、泌尿器疾患, 能力開発, 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 足太陰脾経, 足少陰腎経, 募穴〔瀉実〕, 婦人科疾患, 小腸, 慢性疲労、虚弱体質, 任脈

関元(かんげん)/丹田(たんでん)/下丹田

CV4)関元(guan1yuan2)(かんげん)・丹田(dan1tian2)(たんでん)・下丹田・胞門・子宮・血海・次門・下紀・大中極・子戸・子腸・産門・三結交・子処・肓原・小腸募

【取穴】下腹部、前正中線上、臍中央の下方三寸。

【名の由来】「関=関所」「元=元気」。本穴が臍下丹田に位置し、元気が生じる要である事から。

【要穴】

『小腸募穴』

『前三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】・経絡(4):任脈-足三陰経

【作用】

〔補〕補益腎陽・回陽固脱・引火帰元・陽気温通

〔瀉〕導赤通淋・消積散滞・通経行血・遂寒散血

【弁証主治】

◆小腸病/液病

黄疸・躁鬱、統合失調症・顔が赤い・リンパ節腫・口渇・便秘・過敏性腸症候群、下痢・脈浮洪・13:00~15:00あるいは01:00~03:00の異常など

◆肝病

貧血、血液疾患・急性のめまい・吐き気・脇肋の不快感・腰背から睾丸にひきつれる痛み・臍左の強い拍動・四肢が重だるい、冷える、むくむ・筋肉がつりやすいなど

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・つわり〔灸27壮〕・尿管結石・下腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆足太陰経病

嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎など

◆足少陰経病

痴呆・視力の低下・耳鳴、難聴・萎縮性舌炎・毛細気管支炎、肺炎など

◆足厥陰経病

腰痛・性欲の異常・更年期障害など

【主症主治】※脱証・諸虚百損、強い冷え性

【弁証配穴】

『兪募配穴(小腸):関元+小腸兪』…小腸病

『募合配穴(小腸):関元+下巨虚』…小腸実熱証〔瀉法〕

『原募配穴(手太陽経):関元+腕骨』…手太陽経病

【主症配穴】

+上巨虚〔瀉〕…口内炎

+帯脈…※奔豚〔金鍼〕

+大敦…※腎疝

+腎兪…慢性腎炎 〔関元は灸〕

+大腸兪…※霍乱・便漏れ〔関元は補〕

+長強…下痢 〔火鍼〕

+太衝〔瀉〕…虫下し

+大陵…血尿

※無症性血尿は膀胱腫瘍(膀胱癌)の可能性もある。要注意。

+陰陵泉〔瀉〕…尿が濁る

+三陰交〔瀉〕…生理痛

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち小腸募穴である関元は、肝の病も主治とする。

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、得気が「期門」周辺に走る感じがするが・・・。

・経絡理論的には、妊娠悪阻に対して最も有効と考えられるが・・・現実的には難がある。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。骨盤腔内臓器の損傷。

・EDに対する新穴として、神闕~曲骨を3等分した時の2点と、神闕~曲骨の中点から左右外方へ一寸の計4穴を「陽萎穴Ⅲ号」とする。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

※腎疝…臍下が急に疼痛し、小便頻清。五脈全てが洪緩渋沈急、皆虚しており、腎脈のみ急していないもの。

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
精神疾患, ED、男性不妊、泌尿器疾患, 膀胱, 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 足太陰脾経, 足少陰腎経, 募穴〔瀉実〕, 妊婦禁鍼, 任脈

中極(ちゅうきょく)

CV3)中極(zhong1ji2)(ちゅうきょく)・気原(qi4yuan2)(きげん)・玉泉・膀胱募・気魚

【取穴】下腹部、前正中線上、臍中央の下方四寸。

【名の由来】「極=端」。本穴が正中線上の下端にある事から。星の名に由来するとも。

【要穴】『膀胱募穴』

【交会】・経絡(4):任脈-足三陰経

【作用】

〔補〕化気行水・膀胱約束・温補腎陽・補腎培元

〔瀉〕尿竅開通・小便通利・清瀉膀胱湿熱・通経活血・温経散結・活血去瘀

【弁証主治】

◆膀胱病

泌尿器疾患・痔・顔色が黒いなど

◆肺虚証

呼吸器の虚弱・咳嗽、喘息・自律神経失調など

◆任脈病

婦人科疾患・下腹部のしこり・糖尿病など

◆足太陰経病

※尸厥・貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・出血傾向など

◆足少陰経病

痴呆・視力の低下・耳鳴、難聴など

◆足厥陰経病

腰痛・性欲の異常・更年期障害など

【弁証配穴】

『兪募配穴(膀胱):中極+膀胱兪』…膀胱病

『募合配穴(膀胱):中極+委中』…膀胱湿熱証

『原募配穴(足太陽経):中極+京骨』…足太陽経病

【主症配穴】

+委中…腰痛

+照海…陰部の痒み〔瀉法〕

+太渓…頻尿

+曲泉…排尿痛

+商丘…不妊

+外陵… 男性不妊〔瀉法〕

+肩井…胎盤がでない〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち膀胱募穴である中極は、肺の病も主治とする。

・古典には「妊婦禁鍼」とある。要注意。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。骨盤腔内臓器の損傷。

・チベット医学では性欲の過剰亢進や異常性癖など(性の精神異常)に本穴を用いるらしい。灸法。

 

※尸厥…突発性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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, 致命三十六穴, 陰維脈, 足厥陰肝経, 募穴〔瀉実〕, 慢性疲労、虚弱体質

期門(きもん)

LR14)期門(qi1men2)(きもん)・肝募

【取穴】前胸部、第6肋間、前正中線の外方四寸。

※乳頭中央の下方、ST19)不容の外方二寸。女性では鎖骨中線と第6肋間の交点にある。

※小野寺胆嚢圧診点に近い。

【名の由来】「期=最期」。本穴が、中府より始まる十二経脈の流れの終点である事から。

【要穴】『肝募穴』

【交会】・経絡(3):足厥陰経-足太陰経-陰維脈

【作用】〔瀉〕清肝利胆・清熱血室・通経散滞・疏肝調脾

【弁証主治】

◆肝病

※厥証・眼疾患・貧血、血液疾患・乳腺炎・腋下のしこり、つかえ、不快感・臍左の強い拍動・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆足厥陰経病

腰痛・性欲の異常・泌尿器、婦人科疾患・冷えのぼせ、更年期障害など

◆陰維脈病「心痛に苦しむ」

心痛、心窩部痛・激しい動悸、胸苦しさ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・躁鬱、不安障害・※奔豚・梅核気・しゃっくりなど

◆足太陰経病

胃腸虚弱、萎縮性胃炎・空腹だが食欲不振・鼠径ヘルニア・未消化便など

【主症主治】発熱から七日経過しても汗が出ない・咳嗽・起坐呼吸・帯状疱疹など

【弁証配穴】

『兪募配穴(肝):期門+肝兪』…肝病

『原募配穴(足厥陰経):太衝+期門』…足厥陰経病

【主症配穴】

+温溜…項頚部のこわばり

+天泉…視神経萎縮〔瀉法〕

+大敦…腋窩のしこり〔瀉法〕

+缺盆…胸脇痛〔瀉法〕

+関元…女性の奔豚〔期門は瀉〕

+日月…上腹部の激痛・胆管結石〔右の期門を取穴〕

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち肝募穴である期門は、小腸の病も主治とする。

・古典には風邪の長期化による消耗性症状に本穴が多く出てくる。経絡理論的には、本穴から再び肺経へと続くためと考えられるし、肝機能の賦活によって代謝機能を高めるためともとれる。

・風邪後期の状態に用いるには灸法が良い。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。肝臓、胃の損傷。

 

※厥証・暈厥…発作性のめまい、昏倒。しばらくすると覚醒する。脳虚血性発作に近いか?

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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