バランス向上, 精神疾患, 足厥陰経筋, 任脈

玉堂(ぎょくどう)

CV18)玉堂(yu4tang2)(ぎょくどう)・玉英

【取穴】前胸部、前正中線上、第三肋間と同じ高さ。

※小野寺胸骨点(気管支リンパ節の診断点)に近い。

【名の由来】「玉=尊貴なモノ」。ここでは心を表す。本穴内部に心が納められている事から。

【要穴】『根結:足厥陰之結』

【作用】〔瀉〕寛胸理気・止咳平喘

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆足厥陰経筋病

インポテンツあるいは勃起の異常継続・下腿内側~内股の痛み、ひきつれ・内踝痛・足母指痛など

【主症主治】胸が張る・胸脇部痛

【主症配穴】

百会⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+幽門…胸焼け・嘔吐

+太渓…咳逆・胸焼け〔玉堂は瀉〕

【症例検証/個人的見解】

・足陰経における根結では、【結】は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足衝ン)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
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禁鍼穴, 精神疾患, 能力開発, 致命三十六穴, 足厥陰経筋, 八会穴, 募穴〔瀉実〕, 各種依存症, 心療内科的症状, 心包, 任脈

膻中(だんちゅう)

CV17)膻中(tan2zhong1)(たんちゅう)・中丹田・上気海・元児・元見・胸堂

【取穴】前胸部、前正中線上、第四肋間と同じ高さ。

※津田胸骨点(十二指腸潰瘍などの診断点)に近い。

【名の由来】「膻中=君主の居城」。本穴が心(神)の外衛たる心包の募穴である事から。

【要穴】

『心包募穴』

『根結:足厥陰之絡』

『八会穴:気会』

『前三関』※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】・経絡(5):任脈-足太陰経-手太陽経-足少陰経-手少陽経

【作用】

〔補〕補益宗気・補陽上焦

〔瀉〕脈絡温通・理気通絡・寛胸理膈

【弁証主治】

◆心包病/脈病

心痛、動悸、胸苦しさ・心窩部痛・掌の火照り・19:00~21:00あるいは07:00~09:00の異常・各種依存症ストレス/不安障害、パニック障害・※副腎髄質機能亢進症など

◆胃病・足太陰経病/血病

貧血、血液疾患、黄疸・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・げっぷ・しゃっくり・食べてもすぐ空腹になる・心療内科的症状など

◆足少陰経病(気病?)

痴呆・視力の低下・梅核気、喉痛、嚥下困難・喘息〔灸7壮〕・更年期障害・痩せなど

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・痔・糖尿病など

◆手太陽経病

下顎痛・頚部静脈瘤・項頚部痛・肩背部、肩甲間部の痛み・上肢痛、マヒ、火照りなど

◆手少陽経病

片頭痛・歯痛・多汗・耳鳴、難聴・胸鎖乳突筋のこわばり・※副腎皮質機能亢進症状など

◆足厥陰経筋病

インポテンツあるいは勃起の異常継続・下腿内側~内股の痛み、ひきつれ・内踝痛・足母指痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(気):膻中+会宗・孔最・陰郄』…気病

『兪募配穴(心包・脈):膻中+厥陰兪』…心包病/ストレス障害・各種依存症など

『原募配穴(手厥陰経):大陵+膻中』…手厥陰経病

【主症配穴】

百会⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+華蓋…息切れ〔瀉法〕

+天突…哮喘〔膻中は灸〕

+巨闕…心窩部痛、喉に痰が溜まる

+少澤〔補〕…母乳がでない〔膻中は灸〕

【症例検証/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち心包募穴である膻中は、胃の病も主治とする。

・難経第三十一難には、上焦の病を治す場として本穴を挙げている。一方、和漢三才図会には「禁鍼穴」とある。

・「気会」としての具体的治効は、足少陰経病(肺腎陰虚)に由来するように思う。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。心臓の損傷。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

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膝痛, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経, 合(水/土)穴(下合穴)〔逆気而泄を治す〕

曲泉(きょくせん)

LR8)曲泉(qu3quan3)(きょくせん)

【取穴】膝内側、半腱・半膜様筋腱内側の陥凹部、膝窩横紋の内側端。

※膝を屈曲し、膝窩横紋の内側端で最も明らかに触れる腱の陥凹部にある。

【名の由来】「曲=曲げる」「泉=陥凹部で経気が盛んな処」。本穴が合水穴であり、肘を曲げた時に、この位置に陥凹ができる事から。

【要穴】『足厥陰経合水穴(木経水穴/水生木/自経母穴)』

【交会】・経筋:足厥陰経筋の結する処

【作用】

〔補〕補益肝陰

〔瀉〕清利湿熱・清利下焦

【弁証主治】

◆肝陽上亢証「逆気而泄を治す/虚すれば其の母を補う」

貧血、血液疾患・立ちくらみ・吐き気、脇肋の不快感・※積聚・臍左の強い拍動・鼠径ヘルニア・下痢、未消化便・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆足厥陰経(筋)病

腰痛・性欲の異常、インポテンツあるいは勃起の異常継続・泌尿器、婦人科疾患・下腿内側~内股のひきつれ・膝痛・内踝前の痛み・足母指痛・更年期障害など

【配穴】

+膀胱兪…風邪の後のだるさ

+大杼…手足のマヒやしびれ・脳虚血性発作

+中極…尿道炎〔瀉法〕

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

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膝痛, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経

膝関(しっかん)

LR7)膝関(xi1guan1)(しつかん)

【取穴】下腿脛骨面、脛骨内側顆の下方、SP9)陰陵泉の後方一寸。

【名の由来】「膝関=膝関節」。本穴の位置から。

【交会】・経筋:足厥陰経筋の結する処(内輔之下)

【作用】〔瀉〕散風利湿・通利関節

【弁証主治】◆足厥陰経(筋)病

腰痛・性欲の異常、EDあるいは勃起の異常継続・泌尿器、婦人科疾〔灸100壮〕・膝痛・下腿内側~内股のひきつれ・内踝前の痛み・足母指痛・更年期障害など

【配穴】+犢鼻…大腿、膝の炎症〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、膝痛に対しては必須。

 

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埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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精神疾患, 経(金/火)穴〔喘咳寒熱を治す〕, 足首、足、踵痛, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経

中封(ちゅうほう)

LR4)中封(zhong1feng1)(ちゅうふう)・懸泉

【取穴】足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方。

※SP5)商丘とST41)解渓の中央にある。

【名の由来】「封=封蔵される」。本穴が前脛骨筋腱と長拇趾伸筋腱、下伸筋支帯に囲まれた中央に位置する事から。

【要穴】

『足厥陰経経金穴(木経金穴/金克木)』

『標本:足厥陰之本(行間の上五寸)?』

【交会】・経筋:足厥陰経筋の結する処

【作用】〔瀉〕疏肝通絡

【弁証主治】

◆傷寒厥陰病(陰陽離開証)「喘咳寒熱を治す/金克木」

慢性の悪寒発熱・咳嗽・黄疸・肝硬変・四肢が冷える、むくむ・更年期障害・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆足厥陰経(筋)病

腰痛・性欲の異常、インポテンツあるいは勃起の異常継続・泌尿器、婦人科疾患・下腿内側~内股のひきつれ・内踝前の痛み・足母指痛など

【主症配穴】

+足五里…黄疸・胆石症〔瀉法〕

+昆侖…急性腰痛〔瀉法〕

+行間…排尿障害〔瀉法〕

+地機…生理痛・男性不妊)〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・木(怒/魂)穴・金(悲/魄)穴はどの経絡でも精神疾患への効果が高い。本穴では性欲の異常に対して。

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ストレス/不安障害、パニック障害, 脳、神経症状, 腰背部痛, 衝脈, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経, 兪(土/木)穴〔体重節痛を治す〕, 原穴, 各種依存症, 代謝障害

太衝(たいしょう)

LR3)太衝(tai4chong1)(たいしょう)・大衝

【取穴】足背、第1・第2中足骨間、中足骨底接合部遠位の陥凹部、足背動脈拍動部。

※第1・第2中足骨底部に向かって擦上したときに、陥凹部にある。

【名の由来】「太衝=大きな要衝」。本穴が足厥陰経の原穴であり、旺盛な気血がめぐる事から。

※「太衝」には穴名以外に、「内踝の上、足三陰の交わる処(太渓・復溜・交信・三陰交・筑賓・陰谷の6穴の総称…6穴については諸説あり)」という意味もある。

【要穴】

『肝原穴』

『足厥陰経兪土穴(木経土穴/木克土)』

【交会】

・経絡(2):足厥陰経-衝脈 ※一説には衝脈との交会とも。

・経別(第二合):足厥陰の別れる処(跗上)

【作用】

〔補〕補養肝血・補益原気

〔瀉〕『四関穴/疏肝理気・平肝熄風・熄風潜陽・散寒理気・疏筋活絡』

【弁証主治】

◆肝病

貧血、血液疾患・内眼眦痛、眼疾患・吐き気・脇肋の不快感・臍左の強い拍動・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆小腸実証

躁鬱、不安障害、※奔豚・統合失調症・黄疸・糖尿病・難聴・顔が赤い・リンパ節腫・肘痛・空腹だが食欲不振・過敏性腸症候群・下血・便秘・痔・脈浮洪など

◆足厥陰経(筋)病「体重節痛を治す/肝主筋」

性欲の異常、EDあるいは勃起の異常継続・陰部の痒み・下腿内側~内股のひきつれ・内踝前の痛み・足母指痛・筋力低下、筋肉がつりやすいなど

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が縮んだように感じる〔補〕

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

痴呆・自律神経失調、更年期障害・泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎など

【主症主治:『馬丹陽天星十二穴/てんかん発作・チック・視野障害・梅核気、呼吸困難・腰痛・股関節痛、鼠径ヘルニア・下肢マヒ』】

【弁証配穴】

『兪原配穴(肝):肝兪+太衝』…肝血虚証〔補法〕

『原絡配穴(肝⇒胆):太衝+光明』…肝所生病

『原募配穴(足厥陰経):太衝+期門』…足厥陰経是動病

『二原配穴(心肝):太衝+神門』…心肝火旺証〔瀉法〕

『二原配穴(心肝):太衝+神門』…心肝血虚証〔補法〕

『二原配穴(肝肺):太衝〔瀉〕+太淵〔補〕』…肝気犯肺証

『二原配穴(肝脾):太衝〔瀉〕+太白〔補〕』…肝脾不和・肝気横逆証

『二原配穴(肝腎):太衝+太渓』…肝腎不足証〔補法〕

【主症配穴】

『四関穴:合谷+太衝/七竅(目鼻耳口)の病・全身の痛みやこわばり』


+百会…めまい・四肢の痙攣

+四神聡…頭頂部痛

+行間…頬の痙攣

+然谷…腹部の打撲、内出血〔然谷、太衝付近の静脈から瀉血〕

+太白〔補〕…お腹から腰へとひきつれる痛み〔太衝は瀉〕

+大敦…陰部のひきつれ・腫脹

+関元…虫下し〔太衝は瀉〕

+中封…足がひきつれて、うまく歩けない〔爪を使う強指圧でも可〕

【症例/個人的見解】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の表裏にある臓腑経絡も主治する。すなわち肝原穴である太衝は、手太陽小腸経の病(主に所生病)も主治とする。

・太衝之脈の有無で生死(予後)の判断をしたと言う。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

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精神疾患, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経, 榮(火/水)穴〔身熱を治す〕

行間(ぎょうかん)

LR2)行間(xing2jian1)(ぎょうかん)

【取穴】足背、第1・第2指間、みずかきの近位、赤白肉際。

【名の由来】「行=通過」。本穴が第一趾と第二趾の間にある事から。

【要穴】『足厥陰経榮火穴(木経火穴/木生火/自経子穴)』

【作用】〔瀉〕清泄肝火・疏肝理胆・熄風潜陽

【弁証主治】

◆肝実熱証「身熱を治す/実すれば其の子を瀉す」

悪寒発熱・※子癇・黄疸・躁鬱・眼炎・顔の腫れ・喉渇・動悸・脈弦・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常・手足の火照り・帯状疱疹、皮膚の乾燥など

◆足厥陰経(筋)病

腰痛・性欲の異常、インポテンツあるいは勃起の異常継続・泌尿器、婦人科疾患・下腿内側~内股のひきつれ・こむら返り・内踝前の痛み・足母指痛・手足の冷えやむくみ〔透太衝〕など

【主症主治】排便異常

【主症配穴】

+太衝…頬の痙攣

+太渓…歯痛

【症例/個人的見解】

・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。

 

※子癇(妊娠癇証・妊娠風痙・児痙・子冒)…妊娠6~7ヶ月後或いは分娩時に、突然眩暈がして卒倒し、手足痙攣・咬い締め・目睛直視し、口から白沫を吐き、甚だしい時は角弓反張を起こす。徐々に覚醒するが、また繰り返し発作を起こす。

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