カテゴリー: 手厥陰経筋
姿勢が良くなる「意外な」ポイントーキツネ×白鳥?-
皆さん、こんにちは。
さいたま市中央区、北与野駅から徒歩2分、【はりきゅう治療院伍行庵】の吉田です。
当院では最近、腱鞘炎や手首骨折後のリハビリ、原因不明の指のこわばりなど、「手」に絡んだ問題の患者さんが多いです。
そんな訳で、手指の解剖生理をもう一度復習しているのですが・・・ふと眼に飛び込んできたのがこの一文。
「手根の屈筋は、指伸筋と協同的に働く(指を伸ばすと手首は曲がる)」(カパンディ『関節の生理学Ⅰ』)
・・・だから? と思う方も多いと思いますが、この指と手首の連動はココまでではありません。
論より証拠。
普通に立った状態で、写真のように手で“キツネ”を作ってみましょう。すると先の説明どおり自然と手首が曲がります。そして同時に、力まなくても腕がふいっと上がるはず。
「指先を伸ばす」ことだけ意識して、(はばたくように)コレを何度か繰り返すと・・・
さっきより姿勢が良くなってませんか?
ヒトによっては、自然とつま先立ちになる方もいるはずです。
つまり、手の指の動きが肩から背筋を通って、足のつま先にまで影響するということです。
バレエやダンスで「手の形に注意する」というのは聴いたことがありますが、コレはつまり「余分な力みを使わずに正しい姿勢をつくる」という技術なんでしょうね。
面白いことにこの“キツネの手”、古武道などでも「体幹の力」を上手く使うために用いられているのだとか。
逆に言えば、指がずっと曲がっている方(スマホが手放せず、こういう方は多いはず)は、首や肩のみならず、背筋や足腰まで伸びなくなっている可能性大。
さあ皆さん、コレを読んだらPC、スマホから目を離して・・・
“キツネの手”で、ゆったり大きく羽ばたきましょう! 白鳥の湖のように^^)
カラダや運動にかんするちょっとした疑問。
ぜひ当院にお気軽にご相談ください。
この記事に関するプロ向けの補足記事を後日書こうと思います。
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中衝(ちゅうしょう)
PC9)中衝(zhong1chong1)(ちゅうしょう)
【取穴】中指、中指尖端中央。(中指、末節骨橈側、爪甲角から近位外方一分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点とも)
【名の由来】「衝=要衝」。本穴が中指尖端に位置し、厥陰経気が流れ着く要衝である事から。
【要穴】『手厥陰経井木穴(火経木穴/木生火/自経母穴)』
【交会】・経筋:手厥陰経筋の結する処
【作用】〔瀉〕清心安神・清熱心包・開竅醒志・回陽救逆
【弁証主治】
◆温病
悪寒戦慄をともなう3日以上の高熱 、黄疸・リンパ節腫・※霍乱・炎症〔瀉血〕など
◆(心)血虚気滞証「心下満を治す/虚すれば其の母を補う」
※尸厥・萎縮性舌炎〔金針で瀉血〕・胸苦しさ・心痛、激しい動悸・掌の火照り・19:00~21:00あるいは07:00~09:00の異常・※副腎髄質機能亢進症など
◆手厥陰経(筋)病
統合失調症・顔が赤い・上肢痛、痙攣やこわばり・第3指痛など
【配穴】+廉泉…舌下部の炎症
【症例】
・木(怒/魂)穴・金(悲/魄)穴は、どの経絡でも精神疾患への効果が高い。特に手少陰心経・手厥陰心包経はその傾向が強い様子。
・井穴はその位置的に、いずれも瀉熱作用〔瀉血〕が強い。
・経絡理論上は、労宮(火経火穴)は清熱、中衝(火経木穴)は醒神の作用がメインとなる。しかし両者は共に清熱と醒神の作用が強く、厳密に区別を付けがたい。状況に併せて使用すること。
※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。
※尸厥…突発性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。
※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)
・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。
・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。
・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
保護中: 労宮(ろうきゅう) ※四縫(しほう)
保護中: 大陵(だいりょう)
曲澤(きょくたく)
PC3)曲澤(qu3ze2)(きょくたく)
【取穴】肘前面、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部。
※肘を45度屈曲したとき、上腕二頭筋腱の内方にある。
【名の由来】本穴が尺澤の横に位置し、取穴の際に肘を少し曲げる事から。
【要穴】『手厥陰経合水穴(火経水穴/水克火)』
【交会】・経筋:手厥陰経筋の結する処(肘内側)
【作用】
〔瀉〕心絡通暢・舒筋活絡・駆邪散滞・清心安神
〔瀉血〕涼血解毒・開竅啓閉・鬱熱消散・行血去瘀
【弁証主治】
◆気逆証「逆気而泄を治す」
※厥証・喘息・※副腎髄質機能亢進症など
◆温熱血分病「水克火」
※霍乱 ・統合失調症、境界性人格障害・小児のひきつけ・出血傾向・潮熱・皮膚炎など
◆手厥陰経(筋)病
顔が赤い・黄疸・腋窩リンパ節腫・呼吸困難・心痛、動悸・上肢の痙攣やこわばり・五心煩熱・第3指痛など
【弁証配穴】『四彎穴:曲澤+委中/熱中症・血熱証』〔瀉血あるいは冷やす〕
【症例/個人的見解】
・委中同様、清熱作用が強い。熱中症などの冷却ポイントとしても。
※厥証・暈厥…眩暈し、突然昏倒する。漸次覚醒する。脳虚血性発作に近いか?
※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)
・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。
・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。
・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。
※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
極泉(きょくせん)
HT1)極泉(ji2quan2)(きょくせん)
【取穴】腋窩、腋窩中央、腋窩動脈拍動部。
【名の由来】「極=最高位」「泉=水源」。心は血脈を主り、本穴が手少陰経の最も高い位置にある事から。
【要穴】『標本:手太陰之標(腋内動)』
【交会】・経筋(3):手少陰経筋の入る処・手太陽-手厥陰経筋の結する処(腋下)
【作用】〔瀉〕行気活血
【弁証主治】
◆手少陰経(筋)病
しゃっくり・上肢前内側の冷え、痛み、痙攣、静脈瘤・※肘網の痛み・第3、5指痛・※伏梁・インポテンツなど
◆手太陰経病
呼吸器の虚弱・自律神経失調・鎖骨窩痛・両手を交えてもだえる・臍右の強い拍動・脈浮など
◆手太陽経筋病
発熱による疼痛・視力低下・耳鳴・項頚部痛・肩胛骨痛など
◆手厥陰経筋病
呼吸困難・胸痛など
【主症主治】わきが〔瀉血〕
※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉渇、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。
※肘網…肘に分布する細網(孫絡?)。脳梗塞後の肘のこわばりなどはコレによる。