督脈, 陽維脈, 陽蹻脈, 頭街/髄海, 足太陽経筋, 十三鬼穴(多動性精神疾患)

風府(ふうふ)

GV16)風府(feng1fu3)(ふうふ)・鬼枕(gui3zhen3)(きちん)・舌本・鬼穴・曹渓・髄空

【取穴】後頚部、後正中線上、外後頭隆起の直下、左右の僧帽筋間の陥凹部。

※頚部を軽く後屈させた状態で、僧帽筋の緊張を緩め、後髪際中点から後頭骨に向かって擦上したところの陥凹部にある。

※後頭部圧診点(頭痛・脳炎の診断点)に近い。

【名の由来】「風=風邪」「府=集まる処」。本穴が項にあり、陽邪である風が集う場所である事から。

※「髄空」という別名は、風府のほか、腰兪、陽輔にもある。

【交会】

・経絡(4):督脈-足太陽-陽維脈(-陽蹻脈)

※一説には陽蹻の会とも。

・経筋:足太陽経筋の結す処(枕骨)

・経別:第一合(項/足太陽の出る処・足少陰の出る処)

【作用】

〔補〕『髄海(頭街)之兪/補髄益脳』

〔瀉〕清熱散風・化痰開竅・清熱四肢

【弁証主治】

◆督脈/陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・チック・※脳風・脳性マヒ、半身不随・躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症、自殺企図・不眠・めまい、メニエル病・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・視力の低下、眼疾患〔繆刺〕・眼瞼痙攣・鼻血・部位がはっきりしない疼痛・パーキンソン症候など

◆足太陽経(筋)病

風邪初期、1日目・発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・肩背部痛・腰背部痛、坐骨神経痛、下肢外側のこわばり・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

往来寒熱・髄膜炎症状・リンパ節腫・四肢の冷え・胸苦しさなど

◆膀胱-腎病

成長発育不全、代謝不全・脱毛・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患〔金鍼〕・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』 〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕


+上脘…発熱

+風池…悪寒発熱

+陽谷…注意欠陥多動性障害・統合失調症 〔瀉法〕

+齦交…項頚部のこわばり〔瀉法〕

+足三里…排尿障害〔風府は深度をよく考慮して。風府一穴でなお改善がなければ+足三里〕

+腰兪…足がうまく動かない

【症例/個人的見解】

・甲乙経・和漢三才図会には「禁灸穴」とある。要注意。

・十三鬼穴の第六穴。精神疾患に著効。

・陽が病むと寒を生ず。

 

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
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経(金/火)穴〔喘咳寒熱を治す〕, 陽維脈, 足首、足、踵痛, 足少陽経筋, 足少陽胆経

陽輔(ようほ)

GB38)(yang2fu3)(ようほ)・髄空(sui3kong1)(ずいくう)・分肉・絶骨・分間

【取穴】下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方四寸。

【名の由来】「輔(骨)=腓骨」。本穴の位置から。

【要穴】

『足少陽経経火穴(木経火穴/木生火/自経子穴)』
『根結:足少陽之注』

【交会】・経絡(2):足少陽経-陽維脈

※一説には陽維の会ともされる。

【作用】〔瀉〕清肝胆熱・疏経活絡・清熱四肢

【弁証主治】

◆傷寒少陽病/陽維脈病「喘咳寒熱を治す/寒熱に苦しむ/実すれば其の子を瀉す」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節炎・咳嗽・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛・脈弦など

◆足少陽経(筋)病

半身不随・偏頭痛・口苦・溜息・胸鎖乳突筋のこわばり・鎖骨窩痛・脇肋、側腹部痛・膝外側痛・こむら返り・足首痛・足第4指痛・皮膚の乾燥など

【主症配穴】

+尺澤…急性の痛み・しびれ

+足陽関…急性のマヒ〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
郄穴〔通経活血〕, 陽維脈, 足首、足、踵痛, 足少陽胆経

陽交(ようこう)

GB35)陽交(yang2jiao1)(ようこう)・足髎(zu1liao2)(そくりょう)・別陽

【取穴】下腿外側、腓骨の後方、外果尖の上方七寸。

※外果尖と膝窩横紋外端を結ぶ線上の中点の下方一寸で、GB36)外丘の後方にある。

【名の由来】本穴が足少陽経-陽維脈交会穴である事から。

【要穴】『陽維脈郄穴』

【交会】・経絡(2):足少陽経-陽維脈

【作用】〔瀉〕舒筋活絡

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【弁証配穴】『郄会配穴(筋):陽陵泉+金門・陽交・跗陽』…筋病

【主症配穴】

+解渓…動悸

+足臨泣…胸が張って苦しい〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
神経変性疾患, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 膝痛, 致残十八穴, 陽維脈, 陽蹻脈, 足少陽胆経, 中風七穴

風市(ふうし)

GB31)風市(feng1shi4)(ふうし)・垂手

【取穴】大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部に付けたとき、中指の尖端が当たる腸脛靱帯の後方陥凹部。

※やや膝を屈し、抵抗に抗して股関節を外転すると腸脛靱帯が現れる。

【名の由来】「市=集合する」。本穴が下半身の風証に効果がある事から。

【交会】・経絡(3):足少陽経-(陽維脈)-(陽蹻脈)

※一説には陽蹻脈・陽維脈の会とも。資料精査中

【作用】〔瀉〕袪風利湿・温経散寒・鬱熱消散・舒筋活絡

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさなど

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・統合失調症・不眠・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のムクミ、こわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛・※舞踏病、パーキンソン症候群など

【主症主治:『脚気八処之穴の一/脚気・坐骨神経痛・膝痛・痛風』】〔灸50~100壮〕

【配穴】
『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+風市(大椎)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+懸鐘…腰痛〔瀉法〕

+環跳…下肢のしびれ、マヒ

+陰市〔灸〕…坐骨神経痛

+環跳〔瀉〕…膝痛

【症例/個人的見解】

・繆刺を多用。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・陽を病むと寒を生ず。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝の可動不利を招く。

 

※舞踏病…大脳中心部にある線条体尾状核の変性・脱落により生じる、進行性不随意運動(舞踏様運動)。認識力低下、情動障害の症状が現れる常染色体優性遺伝病。日本では特定疾患に認定された指定難病。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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☎ 048-851-9675
ED、男性不妊、泌尿器疾患, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 腰背部痛, 致残十八穴, 陽維脈, 足少陽経筋, 足少陽胆経, 回陽九針, 坐骨神経痛

環跳(かんちょう)

GB30)環跳(huan2tiao4)(かんちょう)・髀厭(bi4yan4)(びえん)・ 環谷・臗骨・髀枢・分中・臏骨・枢中・枢合中

【取穴】臀部、大転子の頂点と仙骨裂孔を結ぶ線上、大転子の頂点から1/3。

(大腿部、大転子の頂点と上前腸骨棘の間、大転子の頂点から1/3とも)

※側臥し、股関節を屈曲すると取穴しやすい。

【名の由来】「環=骨盤」。 本穴の治効が筋骨風痺を取り、再び飛び跳ねる事ができるようになる事から。跳躍した時に本穴の位置に半環状の窪みが出来るからとも。

【交会】

・経絡(3):足少陽経-足太陽経-(陽維脈)

※奇経八脈考には「阳维起於诸阳之会~循膝外廉、上髀厌、抵少腹侧~」とある。

・経筋:足少陽経筋の結する処(尻)

【作用】

〔補〕補益虚欠

〔瀉〕通経活絡・鬱熱消散・温通経脈

【弁証主治】

◆足少陽経(筋)病

半身不随・口苦・溜息・胸鎖乳突筋のこわばり・鎖骨窩痛・脇肋、側腹部痛・膝外側痛・こむら返り・足首痛・足第4指痛・皮膚の乾燥など



◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさなど

【主症主治:『馬丹陽天星十二穴/腰背部痛・坐骨神経痛、マヒ』】

【弁証配穴】+光明+足竅陰〔繆刺法…反対側を瀉血〕…足少陽絡脈の実証

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+天枢…半身不随〔虚証が強い場合は+天枢〕

+陽陵泉…脇腋部~脚まで連なる痛み

+後渓…下肢痛

+懸鐘…脛のマヒ〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・中国では、「回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・『馬丹陽天星十二穴』にあるように、坐骨神経痛には必須の穴。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により坐骨神経マヒを招く。

・EDに対する新穴として、秩辺~環跳の中点を「陽萎穴Ⅳ号」とする。

 

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陽維脈, 陽蹻脈, 足少陽胆経

居髎(きょりょう)

GB29)(ju1liao2)(きょりょう)

【取穴】臀部、上前腸骨棘と大転子の頂点の中点。

【名の由来】「居=屈む」「髎=骨の間隙」。本穴がしゃがんだ時に出来る股関節の陥凹の中に位置する事から。

【交会】・経絡(3):足少陽経-陽維脈-陽蹻脈

※鍼灸甲乙経・鍼灸大成には「足少陽、陽蹻之会」とある。

※鍼灸聚英には「足少陽、陽維之会」、また奇経八脈考・陽維脈にも「会足少阳於居髎」とある。

【作用】〔瀉〕清熱利湿・舒筋利節

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など
◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさなど


◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・統合失調症・不眠・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のこわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛・パーキンソン症候群など

【主症主治】肩痛、五十肩

【症例/個人的見解】

・繆刺を多用。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・陽を病むと寒を生ず。

・肩関節と股関節の類似性から、五十肩に対して試した事がある。全てではないが効果のある症例もみられた。

 

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埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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, 陽維脈, 足少陽胆経, 募穴〔瀉実〕

日月(じつげつ)

GV24)日月(ri4yue4)(じつげつ)・神光・胆募

【取穴】前胸部、第7肋間、前正中線の外方四寸。

※乳頭中央の直下で、LR14)期門の1肋骨下にある。

※女性では、鎖骨中線と第7肋間の交点にある。

※ロブソン胆嚢圧診点に近い。

【名の由来】「日月=明(決断…物事の理を明らかにする)」。胆は決断の出づる処である事から、胆募穴である本穴に。

【要穴】『胆募穴』

【交会】・経絡(3):足少陽経-足太陰経-陽維脈

※鍼灸大成には「足太陰、少陽、陽維之会」とあるが、鍼灸甲乙経には「足太陰、少陽之会」とある。

【作用】〔瀉〕疏調肝胆・和中降逆

【弁証主治】

◆胆病/骨病

几帳面な性格、イライラして怒りやすい・めまい・顔面蒼白・外眼眦痛・胃酸や胆汁の逆流・胆石・脈弦・23:00~01:00あるいは11:00~13:00の異常など

◆心病

睡眠障害・健忘・動悸、胸苦しさ・心窩部痛・左肘痛・掌の火照り・臍上の強い拍動など

◆足少陽経病

片頭痛・口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・足第4指のマヒ・皮膚の乾燥など

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・嚥下困難・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・婦人科疾患など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・腰痛など

【弁証配穴】

『兪募配穴(胆):日月+胆兪』…胆病
『原募配穴(足少陽経):日月+丘墟』…足少陽経病
『募合配穴(胆):日月+陽陵泉』…胆実証

【主症配穴】

+大横…躁鬱、不安障害・下腹部の熱痛〔瀉法〕

+(右)期門…上腹部の激痛・胆管結石〔瀉法/日月・期門とも右〕

【症例/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち胆募穴である日月は、心の病も主治とする。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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