絡穴「去痰化瘀」, 手陽明経筋, 手陽明大腸経

偏歴(へんれき)

 

LI6偏歴(pian1li4)(へんれき)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、手関節背面横紋の上方三寸。

※LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上で、LI5)陽渓から1/4にある。

・筋肉:長拇指外転筋・短拇指伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

「偏=逸れる」「歴=流れ」。本穴より別枝が本脈を逸れて、手太陰経に通じる事から。

【要穴】

『手陽明経絡穴/手首から三寸、別れて太陰に入る。その別枝は上りて腕を循り、肩髃に乗じ、上りて頬を曲がり歯に偏ず。その別枝は耳に入りて宗脈に合す

『根結:手陽明之入』

【作用】

〔瀉〕開竅宣肺・疏筋活絡・通利陽明

【絡脈主治】表裏(手太陰経)にまたがる症状・手陽明絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕歯がしみるなど 

〔瀉〕難聴・下歯痛・統合失調症・チック・横隔膜のつかえ・※水蠱・過敏性腸症候群など〔繆刺法…反対側を瀉血〕

【弁証主治】

◆手陽明経(筋)病

項頚部痛・頚部の腫脹・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛など

【弁証配穴】

『原絡配穴(肺⇒大腸):太淵+偏歴』…肺病

+商陽〔繆刺…反対側を瀉血〕…手陽明絡脈実証

【私見】

・絡脈は皮下静脈との関わりが深いので、瀉血が有効。

・検証:得気は第2、3指への痺れ感、「曲池」への軽い響き、加えて「三陽絡」への重麻感。本穴は手太陰経よりも手少陽経へと絡すか?

 

※水蠱…腹が次第に膨張し、動くと水の音がするもの。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

絡穴「去痰化瘀」, 脳血管障害, 頭痛, 風邪、呼吸器疾患, 八宗穴/八脈交会穴, 外側前腕皮神経, 手太陰肺経, 橈骨神経

列缺(れつけつ)

LU7(lie4que1)(れつけつ)・童玄・腕労

【取穴】

前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指外転筋腱の間、手関節掌側横紋の上方一寸五分。

※両手の虎口を合わせ、示指尖端が当る、橈骨茎状突起の陥凹部。

・筋肉:腕橈骨筋腱

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

雷神の名。本穴を用いると雷鳴が天(頭項)にこだまし、黒雲を払うかの如く病が取れる事から。

※太陰経気が本穴より陽明経に至り、「裂け出て缺れ去る」様を呈するところからとも。

【要穴】

『手太陰経絡穴/手首の上の筋肉の間に起き、本経に沿ってまっすぐ掌中に入り、魚際に散ず。~手首から(一寸)五分の処に取り、別れて陽明に向かう』

『八宗穴/八脈交会穴(×任脈)』

【作用】

〔補〕補益肺気・利咽快膈・調和陰陽

〔瀉〕疏風解表・駆邪散滞・通経活絡・通調任脈

【絡脈主治:表裏(陽明)にまたがる症状・手太陰絡脈の瘀血痰飲証 

〔補〕あくび・頻尿や尿漏れ

〔瀉〕胸部の打撲

〔瀉血〕手首から掌の火照り、むくみ〔繆刺法…反対側を瀉血/透太淵〕

【弁証主治】

◆任脈病

婦人科疾患・痔・糖尿病など

◆手太陰経/足太陽経病

風邪(脈浮)・発熱悪寒(両手を交えてもだえる)・発熱による疼痛(上半身・鎖骨窩痛・肘痛)・呼吸器の虚弱・咳嗽・喘息・臍右の強い拍動など

『四総穴「頭項は列缺に尋ねる」/頭項の症状 』

『馬丹陽天星十二穴/半身不随・偏頭痛・※尸厥〔金鍼3分、灸5壮〕』

【弁証配穴】

『原絡配穴(大腸⇒肺):合谷+列缺』…大腸/津の病〔瀉法〕

『八脈交会配穴:列缺+照海』…任脈/陰蹻脈の病・難病・痰が喉につまる〔瀉血〕

【主症配穴】

+二間…咳嗽

+京骨…項頚部痛・胸痛

+太淵〔灸瀉〕…胸痛・痰がからんだ咳・頭痛〔繆刺〕

+公孫…婦人科疾患

【私見】

・絡脈は皮下静脈との関わりが深いので、瀉血が有効。

・本穴は任脈の交会穴とされるが、任脈病(婦人科疾患)に本穴が有効かは、個人的にはよくわからない。「公孫」との配穴ならば説明はつく。

・『列缺+照海』の配穴は、肺/腎の関係というより、絡穴の性質(表裏をつなぐ)を介しての大腸/腎の卯酉関係に基づくものと考える。

・同様に『四総穴』としての主治も、肺/膀胱の寅申関係に基づくものと考えると、「頭項」への効果を説明しやすい。

・検証:直接的な得気は肘全体、特に「曲池」から「天井」に感じる。「合谷」にも少し響く。

 

※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675