経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 足首、足、踵痛, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経

中封(ちゅうほう)

 

LR4)中封(zhong1feng1)(ちゅうふう)・懸泉

【取穴】

足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方。

※SP5)商丘とST41)解渓の中央にある。

【名の由来】

「封=封蔵される」。本穴が前脛骨筋腱と長拇趾伸筋腱、下伸筋支帯に囲まれた中央に位置する事から。

【要穴】

『足厥陰経経金穴(木経金穴/金克木)』

『標本:足厥陰之本(行間の上五寸)?』

【交会】

・経筋:足厥陰経筋の結する処

【作用】

〔瀉〕疏肝通絡

【弁証主治】

◆傷寒厥陰病(陰陽離開証)「喘咳寒熱を治す/金克木」

慢性の悪寒発熱・咳嗽・黄疸・肝硬変・四肢が冷える、むくむ・更年期障害・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆足厥陰経(筋)病

腰痛・性欲の異常、インポテンツあるいは勃起の異常継続・泌尿器、婦人科疾患・下腿内側~内股のひきつれ・内踝前の痛み・足母指痛など

【主症配穴】

+足五里…黄疸・胆石症〔瀉法〕

+昆侖…急性腰痛〔瀉法〕

+行間…排尿障害〔瀉法〕

+地機…生理痛・男性不妊)〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 陽維脈, 足首、足、踵痛, 足少陽経筋, 足少陽胆経

陽輔(ようほ)

 

GB38)(yang2fu3)(ようほ)・髄空(sui3kong1)(ずいくう)・分肉・絶骨・分間

【取穴】

下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方四寸。

【名の由来】

「輔(骨)=腓骨」。本穴の位置から。

【要穴】

『足少陽経経火穴(木経火穴/木生火/自経子穴)』

『根結:足少陽之注』

【交会】

・経絡(2):足少陽経-陽維脈

※一説には陽維の会ともされる。

【作用】

〔瀉〕清肝胆熱・疏経活絡・清熱四肢

【弁証主治】

◆傷寒少陽病/陽維脈病「喘咳寒熱を治す/寒熱に苦しむ/実すれば其の子を瀉す」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節炎・咳嗽・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛・脈弦など

◆足少陽経(筋)病

半身不随・偏頭痛・口苦・溜息・胸鎖乳突筋のこわばり・鎖骨窩痛・脇肋、側腹部痛・膝外側痛・こむら返り・足首痛・足第4指痛・皮膚の乾燥など

【主症配穴】

+尺澤…急性の痛み・しびれ

+足陽関…急性のマヒ〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 手少陽経筋, 手少陽三焦経, 消化器疾患

支溝(しこう)

 

TE6)支溝(zhi1gou1)(しこう)・飛虎

【取穴】

前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方三寸。

※TE5)外関の上方一寸で、橈骨と尺骨の間、TE7)会宗と同じ高さにある。

【名の由来】

「支=肢」。本穴が上肢前腕の筋と骨に挟まれた溝に位置する事から。

【要穴】

『手少陽経経火穴(火経火穴/火気の強い穴)』

『根結:手少陽之注』

【作用】

〔瀉〕通経開竅・降逆潤腸・温経散邪・活絡散瘀

【弁証主治】

◆傷寒少陽病/胆鬱痰擾証「喘咳寒熱を治す」「火経火穴/木生火/実すれば其の子を瀉す」

悪寒戦慄をともなう高熱、往来寒熱・※霍乱、意識障害・黄疸、口苦・リンパ節腫・咳嗽・呼吸困難・胸苦しさ・脇肋痛・外眼眦痛、目ヤニ・皮膚の乾燥、いぼ・脈弦など

◆手少陽経(筋)病

多汗・耳鳴、難聴・萎縮性舌炎、舌のこわばり・喉痛・肩背部の痛みや痙攣・上肢痛、ひきつれ、むくみ、マヒ・第4指痛・※副腎皮質機能亢進症状など

【主症主治】

便秘・※瘕聚・※痞気

【配穴】

+少商…咬い締め〔瀉法〕

+大陵…腹痛

+大敦…便秘

+照海…便秘〔瀉法〕

+足三里〔瀉〕…便秘 〔支溝は補〕

【症例/個人的見解】

・火陽経の火穴は全経穴中、最も火陽性が強い。そういう意味では木性(肝/胆・筋・眼など)に対する瀉法にも応用できるのではないだろうか?

・古典には便秘など胃腸症状に対する治効も多い。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

※瘕聚…気滞性の腹部のしこり。形が不明瞭で、一時的に張り、痛みが移動するもの。男性のものを聚、女性のものを瘕という。

※脾積痞気…五積之一。胃脘部に生じる円盤状・難治性のしこり。食事が身にならず、食後にお腹が張る(消化力低下)・お腹が鳴る・嘔吐・黄疸・便秘あるいは下痢・手足が冷え、おもだるい・脈浮長など。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 手厥陰心包経, 中風七穴

間使(かんし)

 

PC5)間使(jian1shi3)(かんし)・鬼路(gui3lu4)(きろ)・鬼営(gui3ying2)(きえい)

【取穴】

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方三寸。

※こぶしを作り、手関節を回外して肘関節を軽く屈曲すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。

※PC7)大陵の上方三寸にある。

※長掌筋腱が不明瞭な場合は、橈側手根屈筋腱の内側に取る。

【名の由来】

君(心)-相(肺)間を行き来する使令(使者)の如き役割をする事から。

【要穴】

『手厥陰経経金穴(火経金穴/火克金)』

【作用】

〔瀉〕心絡通暢・寛胸理気・駆邪散滞・袪痰開竅・養心安神

【弁証主治】

◆心肺両虚証「喘咳寒熱を治す/火克金」

悪寒発熱〔熱が強ければ瀉し、寒が強ければ補す/灸30壮〕・咳嗽、喘息・呼吸困難・胸痛、胸苦しさなど

◆手厥陰経病

躁鬱、不安障害・失語症・統合失調症・黄疸・顔の炎症・腋窩リンパ節腫・乳腺炎・肘痛、上腕の痙攣やこわばり・掌の火照りなど

【主症主治】

生理で瘀塊がでる・おりものの不調〔灸30壮〕

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+足三里…発熱悪寒

+天鼎…難聴

+三間…梅核気

【症例/個人的見解】

・十三鬼穴の第九穴(針灸大成では『労宮』としている)。精神疾患に著効。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

発汗調整, 経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, ED、男性生殖器疾患, 脛街/血海, 衝脈, 足少陰腎経, 太衝(血流不全), 婦人科疾患, 更年期障害

復溜(ふくりゅう)

 

KI7)復溜(fu4liu1)(ふくりゅう)・復白・伏白・胃陽・外命・外命兪・昌陽

【取穴】

下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方二寸。

※KI8)交信と同じ高さで後方にある。

【名の由来】

「復溜=伏し留る」。足少陰脈気が本穴で一度停留する事から。

※子午流注説難の「其太溪是正经之脉、复从内踝稍后、二寸此溜」に由来するとも。

【要穴】

『足少陰経経金穴(水経金穴/金生水/自経母穴)』

【作用】

〔補〕培補腎陰・滋陰宣肺・益髄健脳・滋陰降火・壮筋補虚

〔瀉〕『水兪五十七処“太衝”/通利三焦・開竅腠理』

【弁証主治】

◆腎虚証/肺腎両虚証「喘咳寒熱を治す/虚すれば其の母を補う」

発熱畏寒・発汗異常・鼻、口唇、肌の乾燥・咳嗽、喘息・成長発育不全・代謝不全・排便異常・痔・脈沈遅・17:00~19:00あるいは05:00~07:00の異常など

◆足少陰経病/衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(不眠・泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・皮膚静脈炎)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(認知症・錐体外路系障害・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下))〔補〕 など

【主症主治】

内踝痛・踵痛・足底痛・足5指痛

【主症配穴】

+合谷…発汗調整

+水分…お腹が張る・むくみ・腹水

+承山…痔・腹痛

+委中…腰背部痛

+腎兪…頻尿・むくみ

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“太衝”に数えられる。精、血の異常に効果が高い。個人的には衝脈に属すと考える。

・甲乙経に「刺無多見血」とある。出血は控えるべきか?

・古典では総じて、多汗には復溜を補し、無汗には復溜を瀉す記述が多い。また発汗調節には「合谷」との配穴が多くみられる。

・個人的には、肺/腎というより、肺/大腸との関係を念頭に、選穴すべきと考える。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 腰背部痛, 陽蹻脈, 足首、足、踵痛, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経

僕参(ぼくしん)

 

BL61)僕参(pu2can1)(ぼくしん)・安邪(an1xie2)(あんじゃ)

【取穴】

足外側、BL60)崑崙の下方、踵骨外側、赤白肉際。

【名の由来】

「僕=しもべ」「参=拝謁する」。本穴が腰痛の特効穴であり、腰痛で腰をかがめている様が、家臣が拝謁するのに似ている事から。

【交会】

・経絡(2):足太陽経-陽蹻脈

※一説には、僕参は「陽蹻之経」とも。

・経筋:足太陽経筋の結す処(踵外、外踝)

【作用】

〔瀉〕舒筋活絡・利腰腿

【弁証主治】

◆足太陽経(筋)病

悪寒発熱・発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・腰背部痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・統合失調症・睡眠障害・半身不随・内眼眦痛〔巨刺法〕・下肢外側のこわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛など

【配穴】

+内庭…膝踵痛

【症例/個人的見解】

・陽が病むと寒を生ず。

・腰痛治療には効果が高い。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 腰背部痛, 致残十八穴, 風邪、呼吸器疾患, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経, 妊婦禁鍼

昆侖(こんろん)

 

BL60)昆侖(kun1lun2)(こんろん)・崑崙・下崑崙・厥陽

【取穴】

足関節後外側、外果尖とアキレス腱の間の陥凹部。

【名の由来】

神山の名。本穴が頭部の諸疾患(特に水病)を主治する事から。

【要穴】

『足太陽経経火穴(水経火穴/水克火)』

『根結:足太陽之注』

【交会】

・経筋:足太陽経筋の結す処(踵外、外踝)

【作用】

〔瀉〕鬱熱清降・泄血去瘀・寒湿温散・通絡散滞・清利頭目・舒筋活絡

【弁証主治】

◆傷寒太陽病「喘咳寒熱を治す/水克火」

急性の悪寒発熱、咳嗽・小児のひきつけ〔灸〕など

◆足太陽経(筋)病

発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・腰背部痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛〔瀉血+局所灸〕・身体を揺すれないなど

【主症主治】

馬丹陽天星十二穴/急性の喘息発作、強い胸苦しさ・腰、臀部のひきつれ〔鍼7分+灸5壮〕』

【配穴】

+犢鼻…風邪

+湧泉…身体の奥の鈍痛

+承山…眼痛・こむらがえり

+中封…急性腰痛〔瀉法〕

+養老…腰椎椎間板ヘルニア〔慢性化したものには+伏兎〕

+委中…手足の重怠さ

+太渓…慢性の膝痛・踵痛〔補法〕

【症例/個人的見解】

・古典には、「妊婦刺之落胎」とある。要注意。

・本穴が足太陽経の経穴であること、また馬丹陽天星十二穴にも喘息の記述があることなどから、呼吸器疾患にはぜひ試したい。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。捻挫、打突により足に力が入らなくなる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675