督脈, 肥満あるいは極度の痩せ, 脾(膵)

脊中(せきちゅう)

 

GV6)脊中(ji3zhong1)(せきちゅう)・神宗・背兪・十一椎

【取穴】上背部、後正中線上、第11胸椎棘突起下方の陥凹部。

※背部胃潰瘍圧診点(胃潰瘍の診断点)に近い。

※Th11・12は、精巣上体の内臓体性知覚反射部位に相当。

【名の由来】本穴がちょうど背部の中央に位置する事から。

【作用】〔補〕温補脾腎

【弁証主治】

◆督脈病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・膝、四肢の冷えなど

◆脾病

貧血、血液疾患・胃腸虚弱、萎縮性胃炎、※積聚・軟便・泌尿器、婦人科疾患・脈浮緩など

【配穴】+湧泉…てんかん発作〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・甲乙経・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。何故か?

・本穴の左右には脾兪がある。脾の病にも有効と考える。

・過剰な食欲を抑えるとも。

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
ストレス/不安障害、パニック障害, 脾(膵), 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 八会穴, 募穴「瀉実」, 帯脈, 代謝障害

章門(しょうもん)

 

LR13)章門(zhang1men2)(しょうもん) ・季脇・長平・脇髎・肋髎・肘尖・後章門・脾募

【取穴】

側腹部、第11肋骨端下縁。

※側臥し肩関節を屈曲して定める。第11肋骨端は肋骨弓下縁の下方で触知できる。

【名の由来】

「章=明らか」。本穴より五臓の気血が出入し、臓病に明らかな著効を示す事から。

【要穴】

『脾募穴』

『八会穴/臓会』

【交会】

・経絡(3):足厥陰経-足少陽経-帯脈の起する処

※鍼灸甲乙経では足厥陰-足少陽の会としている。

【作用】

〔瀉〕疏調肝脾・清熱利湿・活血化瘀

【弁証主治】

◆脾(五臓)病

貧血、血液疾患・不安障害、※奔豚・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・不妊・泌尿器、婦人科疾患・脈浮緩・大病後のむくみ〔灸〕など

◆足厥陰経病

多汗・喉がひどく渇く・性欲の異常など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆帯脈病「腹満、腰溶溶として水中に坐している如し」

腹張・腰~側腹部痛、痙攣・サルコペニア(加齢による筋力低下)・下脱症状・過敏性腸症候群など

【弁証配穴】

『郄会配穴(臓):章門+養老・筑賓』…臓病

『兪募配穴(脾):章門+脾兪』…脾病

『原募配穴(足太陰経):章門+太白』…足太陰経病

【主症配穴】

+不容…胸脇痛

+然谷…※石水〔瀉法〕

+次髎…腰痛〔瀉法〕

+気海…下半身の冷え・むくみ〔灸法〕

【症例/個人的見解】

・痿証(筋力低下)の治療には、陽明経を主に、衝脈・帯脈・督脈との関係を考慮しながら配穴すると良い。

・帯脈は腰腹部内外の安定に関与し、その病証は特に様々な「下脱」として現れる。その中には内臓下垂・子宮脱・陰嚢ヘルニア・脱肛などの臓器下脱から、おりものの不調・不正出血・遺精・尿漏れ・下痢などの機能的漏脱も含まれる。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。内臓、特に腎臓の損傷。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

※石水…水腫病の一種。肝腎の陰寒により水気が下焦に凝聚し、脇腹が肥大して硬くなる事。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675

《経外奇穴》, むくみ、冷え症, 糖尿病, 過敏性腸症候群, 肋間神経, 肥満あるいは極度の痩せ, 胸背神経, 脾(膵), 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 腰神経叢, 腰神経後枝, 腸骨鼠径神経, 腸骨下腹神経, 足太陽膀胱経, 免疫力、抵抗力向上, 三焦

肓門(こうもん) ※痞根(ひこん)

BL51肓門(huang1men2)(こうもん)・痞根

【取穴】

腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方三寸。

・筋肉:広背筋/脊柱起立筋/腰方形筋

・運動神経:胸背神経/脊髄(腰)神経後枝/腰神経叢

・知覚神経:脊髄(腰)神経後枝

・血管:腰動脈

※BL51)肓門、BL22)三焦兪とGV5)懸枢は、第1腰椎棘突起下と同じ高さにある。

【名の由来】

「門=出入口」。本穴が膏肓・胞肓の中間に位置し、肓兪と相対する働きを持つ事から。

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水』

〔瀉〕通調胃腸・化滞消痞

【弁証主治】

◆三焦病/腎病

※副腎皮質機能亢進症状・成長発育不全・肥満あるいは極度の痩せ・腹痛、胃痙攣・多汗・泌尿器、婦人科疾患・肩背や腰背の強いこわばりと痛み・脈沈遅など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【私見】

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。津液代謝の異常に関しては効果が高い。

・本穴の内方一寸五分には「三焦兪」がある。肓は「腎より生じるもの」という意味があることから、本穴は腎病に対しても有効だと思う。

・心包と三焦という臓腑は、腎との関わりが非常に強いと考えることができるのでは? 個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

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痞根(pi3gen1)(ひこん)

※経外奇穴-医経小学-

【取穴】

腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方三寸五分。

・筋肉:広背筋/外腹斜筋/内腹斜筋/腹横筋

・運動神経:胸背神経/肋間神経/腸骨鼠径神経、腸骨下腹神経

・知覚神経:脊髄(腰)神経後枝

・血管:腰動脈

※本穴とBL51)肓門、BL22)三焦兪、GV5)懸枢は、第1腰椎棘突起下と同じ高さにある。

【名の由来】

「痞=腹部のしこり」。本穴が腹部や内臓のしこりを治療し、その根を断ち切るような効果がある事から。

【主治】

貧血(汎血球減少症)・※痞気(過敏性腸症候群)〔灸:巨刺法〕・下腹部の鈍痛・肝肥大・脾臓肥大・腰痛・腸炎・しゃっくり

【症例】

腹部のしこり、痞えの特効穴。

【私見】

・実際の解剖では、第1、2椎間は「幽門平面(胃と十二指腸の移行部)」にあたる。特に左は膵臓や脾臓の位置にあたるため、糖尿病や過敏性腸症候群・汎血球減少症などでは、試みたい穴である。

 

※脾積痞気…五積之一。胃脘部に生じる円盤状・難治性のしこり。食事が身にならず、食後にお腹が張る(消化力低下)・腹鳴・嘔吐・黄疸・便秘あるいは下痢・手足が冷え、おもだるい・脈浮長など。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

過敏性腸症候群, 背兪穴「補虚/交感神経賦活」, 胸背神経, 脾(膵), , 腰神経後枝, 腰背部痛, 自律神経失調, 認知症, 足太陽膀胱経, 内分泌系異常, 慢性疲労、虚弱体質, 三焦

三焦兪(さんしょうゆ)

BL22三焦(san1jiao1shu4)(さんしょうゆ)

【取穴】

上背部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方一寸五分。

・筋肉:広背筋(胸腰筋膜)/脊柱起立筋

・運動神経:胸背神経/脊髄(腰)神経後枝

・知覚神経:脊髄(腰)神経後枝

・血管:腰動脈

※小野寺胆石疝痛圧診点(胆石疝痛の診断点)に近い。

【名の由来】

本穴が三焦絡の兪穴である事から。

【要穴】

『三焦兪穴』

【作用】

〔補〕健脾利湿

〔瀉〕調理三焦・利水道

【弁証主治】

◆三焦病(脾腎陽虚)

※副腎皮質機能異常・糖尿病・過敏性腸症候群・※積聚など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛(肩背や腰背の強いこわばりと痛み、悪寒)・自律神経失調症など

◆督脈病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・認知症など

※アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」と考える説もある。

【弁証配穴】

『兪募配穴(三焦):石門+三焦兪…三焦病』

【私見】

・個人的には、背部兪穴と交感神経幹の関連を考えている。交感神経の状況に応じて、刺激の種類や強弱を変えるべきと考える。

・足太陽経の背部兪穴は、督脈の性質も帯びる。上記の交感神経幹との関連も含めて施術法を吟味すべし。

・三焦が気の生ずる所である事を考えると、全身の気機と水道の調整に効果が高いかと思われる。

・実際の解剖では、「幽門平面」が第1、2腰椎間に位置する。つまり十二指腸および膵臓がこの高さにある。このことから、糖尿病を含めた糖代謝異常に対しては、狙うべきポイントかと考える。

・Daniel Keown著『閃く経絡』では、十二指腸-膵臓-脾臓の機能的集合を、中医学的【脾】として提唱していた。非常に興味深い。

・本穴の外方一寸五分には『肓門』がある。肓は「腎より生じるもの」という意味があることから、三焦兪は腎病に対しても有効だと思う。

・心包と三焦という臓腑は、腎との関わりが非常に強いと考えることができるのでは? 特に三焦は元陽との関わりが深いので、腎兪同様の使い方ができると思う。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)をはじめとした脂質組織ではないかと考えている。 ※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。 しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

ストレス/不安障害、パニック障害, 禁鍼穴, 肋間神経, 背兪穴「補虚/交感神経賦活」, 胸神経後枝, 胸背神経, 脾(膵), 足太陽膀胱経, 小児の病, 慢性疲労、虚弱体質, 治熱五十九兪, 消化器疾患

脾兪(ひゆ)

BL20)(pi2shu4)(ひゆ)

【取穴】

上背部、第11胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方一寸五分。

※ボアス・エワルド圧診点(胃・十二指腸潰瘍の診断点)に近い。

・筋肉:広背筋(胸腰筋膜)/下後鋸筋上縁/脊柱起立筋

・運動神経:胸背神経/8~12肋間神経/脊髄(胸)神経後枝

・知覚神経:脊髄(胸)神経後枝

・血管:肋間動脈

【名の由来】

本穴が脾絡の兪穴である事から。

【要穴】

『脾兪穴』

『標本:足太陰之標』

【作用】

〔補〕補脾益気・健脾益胃・脾陽温補・温脾制湿

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清瀉脾熱・駆邪散滞』

【弁証主治】

◆(脾)虚証

貧血、血液疾患・胃腸虚弱、萎縮性胃炎、※積聚・軟便・泌尿器、婦人科疾患・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など

◆足太陰経病

嚥下困難・胸苦しさ、心窩部痛など・股関節痛・膝痛・足第1指のマヒなど

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

◆督脈病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・膝、四肢の冷えなど

【弁証配穴】

『兪募配穴(脾):章門+脾兪』…脾病

『兪原配穴(脾):脾兪+太白』…脾虚証〔補法〕

【主症配穴】

『小児斜差の灸穴:肝兪〔灸…男は左:女は右〕+脾兪〔灸…男は右:女は左〕/小児諸症・疳の虫』

『胃の六つ灸:脾兪+膈兪+肝兪/胃疾患』〔灸法〕

+腎兪…中風

+聴宮…心下之悲凄(PTSDのようなものか?)

+胃兪…たくさん食べるのに痩せる〔補法〕

+膀胱兪…未消化便・食欲不振

+幽門…下腹部の張り〔灸法〕

【私見】

・個人的には、背部兪穴と交感神経幹の関連を考えている。交感神経の状況に応じて、刺激の種類や強弱を変えるべきと考える。

・足太陽経の背部兪穴は、督脈の性質も帯びる。上記の交感神経幹との関連も含めて、施術法を吟味すべし。

・和漢三才図会には「禁鍼穴」とある。脾に刺入する事を恐れた為か?

・『胃の六つ灸』は、老齢の慢性の逆流性食道炎(食後のむかつき)には、効果が高いように思える。

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675