足陽明経筋, 足陽明胃経, 兪(土/木)穴「体重節痛を治す」

陥谷(かんこく)

 

ST43)陥谷(xian1gu3)(かんこく)

【取穴】

足背、第2・3中足骨間、第2中足指節関節の近位陥凹部。

【名の由来】

「陥=凹み」。本穴周囲の形状が谷を思わせる事から。下痢や内臓下垂など下陥証に著効があるからとも。

【要穴】

『足陽明経兪木穴(土経木穴/木克土)』

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処

【作用】

〔通〕健脾利湿・疏風通絡

【弁証主治】

◆胃実証「木克土」

発熱・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・鼻血・チック ・頚部リンパ節腫・喉の炎症・消化器症状・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経(筋)病「体重節痛を治す」

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【配穴】

+目窓…頭や眼瞼のむくみ〔瀉法〕

+手三里…お腹の張り

+下脘…お腹がよく鳴る〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

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ストレス/不安障害、パニック障害, 衝脈, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 足首、足、踵痛, 原穴, 心療内科的症状

衝陽(しょうよう)

 

ST42)衝陽(chong1yang2)(しょうよう)・会原・会湧・会骨・趺陽

【取穴】

足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部。

【名の由来】

「衝=要衝」。本穴は足陽明経原穴であり、本経の要衝である事から。

※衝陽の脈は「胃気」の盛衰を顕し、この脈が絶えれば絶命するとある。

【要穴】

『胃原穴』

『根結:足陽明之溜』

【交会】

・経絡(2):足陽明経-衝脈

※一説には衝脈の会とも。

【作用】

〔補〕補益原気・和胃健脾・鎮驚安神

【弁証主治】

◆胃病/心包/大腸病

心療内科的病状(梅核気・過敏性腸症候群・腹張、胃腸虚弱・排便異常・掌の火照りなど)・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常・※副腎髄質機能亢進症状(不安障害・パニック障害・脈浮緩)など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・内眼眦痛・耳疾患・鼻血・顔面神経マヒ・チック・頬~鎖骨窩の痙攣・頚部リンパ節腫・喉の炎症・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、冷えあるいは熱感、マヒなど

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(更年期障害・)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(貧血・サルコペニア(加齢性の筋力低下)・腹中のひきつれ、痙攣など)〔補〕

泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎など

【主症主治】

足甲痛・足第3指痛・リウマチ性結節・ガングリオン

【弁証配穴】

『原絡配穴(胃⇒脾):衝陽+公孫・漏谷』…胃(血)所生病

『原募配穴(足陽明経):衝陽+中脘』…足陽明経是動病

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(筋)病

【主症配穴】

+列缺…半身不随

+曲鬢…虫歯〔瀉法〕

+章門+丘墟…膵炎

【症例/個人的見解】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の表裏にある臓腑経絡も主治する。すなわち胃原穴である衝陽は、手厥陰心包経の病(主に所生病)も主治とする。

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「胃/心包/大腸」をつなぐ病状として、心療内科的疾患には適応と考える。

・個人的には、※副腎髄質ホルモンの亢進症状が心包の病をイメージさせる。交感神経系の異常亢進に対しては、本穴への補法(足湯などでも)は有効かと考える。

・原絡配穴の変法として衝陽+漏谷を用いた所、ひえのぼせ(特に足先の冷え)には効果的であった。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

絡穴「去痰化瘀」, 脛街/血海, 足陽明経筋, 足陽明胃経

豊隆(ほうりゅう)

 

ST40)豊隆(feng1long2)(ほうりゅう)

【取穴】

下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上八寸。

※ST38)条口の外方1横指(中指)にある。

【名の由来】

「豊隆=豊富・盛ん」。本穴部位が筋肉豊かで盛り上がっている事から。(「豊隆=雷神」を指すことも)

【要穴】

『足陽明絡穴/踝から八寸、別れて太陰経に行き、その別枝は脛外側を循り上りて頭項を絡して諸経之気を合し、下りて咽喉を絡す』

『根結:足陽明之入』

※「別れて太陽へ走る」とも。

【作用】

〔瀉〕去痰平喘・去痰降逆・疏経活絡

【絡脈主治:脛街/血海の病】表裏(足太陰経)にまたがる症状・足陽明絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕下肢の筋力低下・足腰の冷え、むくみなど

〔瀉〕注意欠陥多動性障害、統合失調症・てんかん、小児マヒ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・喉痛・めまい・後頭部痛・どもり・喘息〔3分深刺〕・梅核気・甲状腺腫・胸苦しさ・動悸・胸腹部の鋭い痛みなど

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばりなど

【弁証配穴】

『原絡配穴(脾⇒胃):太白+豊隆』…脾所生病

【主症配穴】

+強間…頭痛・めまい

+尺澤…喀痰〔瀉法〕

+中脘…蕁麻疹〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・胃(脾胃は生痰の源)の絡穴(有形の物は、経より絡に滞ること常の如し)故、化痰の特効穴とされる。

・絡脈は皮下静脈との関わりが深いので、瀉血が有効。

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《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 精神安定、リラックス, 脛街/血海, 致残十八穴, 風邪、呼吸器疾患, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 免疫異常, 各種依存症, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 回陽九針, 小児禁灸, 心療内科的症状, 慢性疲労、虚弱体質, 更年期障害, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 中風七穴

足三里(あしさんり) ※闌尾(らんび)

 

ST36)足三里(zu2san1li3)(あしさんり)・下陵(xia4ling2)(げりょう)・鬼邪・中兪髎

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方三寸。

※前脛骨筋上にある。

※足三里~解渓は足首を背屈して取ると良い。

【名の由来】

「里=集まる」。本穴が犢鼻の下三寸にある事から。(本穴が三部三焦の疾患を治療できるところからとも

【要穴】

『足陽明経合土穴/胃下合穴(土経土穴/土気の強い穴)』

『根結:足陽明之注』

【作用】

〔補〕『補中益気・脾胃温補・調和気血』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/瀉火・清瀉胃熱』

〔通〕『水穀之海之兪/和胃通腸・去痰導滞』

【弁証主治/諸病皆治す―秦承祖-】

◆心包熱証 「土経土穴/火生土/実すれば其の子を瀉す」「逆気而泄を治す」

各種依存症・緊急反応(※副腎髄質機能亢進・脈浮洪など)・免疫異常(黄疸・リンパ節腫・喉痛)など

◆足陽明経(筋)病

耳鳴、難聴・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張など

【主症主治:脛街/血海の病】

『四総穴:腹部の症状/腹痛、胃の冷え、ひどい下痢、その他消化器疾患』

『馬丹陽天星十二穴/胸やけ、胃もたれ・大腿や膝の炎症、痛み・風邪の後の痩せ、その他』

『脚気八処之穴の五/脚気〔灸100壮〕・下肢の筋力低下・足腰のむくみと冷え』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):足三里+合谷』…腑病・胃気の病全般

『募合配穴(胃):中脘+足三里(+四縫穴・豊隆)』…食積胃脘証・胃寒証

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(経筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+間使…発熱悪寒

+水溝…意識障害

+肝兪〔補〕…立ちくらみ〔先補後瀉〕〔足三里は瀉〕

+気海…息切れ

+太白…喘息 〔先に三里を取り、後に太白を取る〕

+少衝〔瀉〕…母乳が出にくい・急性乳腺炎

+下脘…胃のひきつれ・嘔吐・しゃっくり〔瀉法〕

+中脘…胃炎

+期門…※霍乱〔瀉法。中脘は深く刺して良し〕

+内庭…細菌性の下痢

+支溝〔補〕…便秘

+陰陵泉…排尿障害・尿が濁る

+腕骨…急性の強い腰痛、股関節痛

右足三里+左内関…心療内科的症状〔肝気犯胃なら中脘を、鬱熱なら梁門を加える〕

【症例検証/個人的見解】

・本穴は特に「諸病皆治」とされる。 土経土穴(中央)という意味合いと、実際の臨床での汎用性の高さからかと思うが、特に『四総穴』『天星十二穴』に特記されるような胃腸症状、および『脚気八処』に挙げられる下肢の症状には効果が高い。

・土陽経の土穴は全経穴中、最も土陽性が強い。 そういう意味では火性(心包・血脈・各種依存症など)に対する瀉法にも応用できるのではないだろうか? 

・また土穴は中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。 つまり原穴同様、子午の表裏である手厥陰心包経の病にも適用可能。陽証全般に適用かと思われる。

・和漢三才図会に、「小児は禁灸、三十才以後は努めて灸すべし」とある。

・中国では『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・気胸、暈鍼の救急穴。

・適度刺激での胃腸運動の促進作用が確認されている(極強刺激では抑制)-森秀太郎-

・徒然草(吉田兼好)には灸の記述も多い。一四八段には「四十以後の人、身に灸を加え三里を焼かざれば上気のことあり(40過ぎたら三里に灸せぇ。しないと逆上せが始まるぞ)」とあるが、更年期障害の予防としての三里灸は実際にも効果が高い。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により足に力が入らなくなる。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

 

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闌尾(lan2wei3)(らんび)・闌尾穴

※経外奇穴

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻の下方五寸。脛骨前縁から一横指外側。

【名の由来】

本穴が虫垂炎に著効がある事から。

【主治】

虫垂炎・五十肩・胃痛・未消化便・下肢のマヒ

【配穴】

+肘尖〔灸〕…虫垂炎

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

膝痛, 致残十八穴, 足陽明経筋, 足陽明胃経

犢鼻(とくび) ※膝眼(しつがん)

ST35)犢鼻(du2bi2)(とくび)外膝眼(wai4xi1yan3)(がいしつがん)

【取穴】膝前面、膝蓋靱帯外方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨外方の陥凹部にある。

【名の由来】「犢=子牛」。本穴のある膝蓋靱帯周囲の形が、子牛の鼻を思わせる事から。

【交会】・経筋:足陽明経筋の結する処(膝)

【作用】〔瀉〕通経活絡・疏風散寒・消腫止痛

【弁証主治】◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】『脚気八処之穴の三/脚気〔灸50壮〕・膝痛・足第3指痛』

【配穴】

+昆侖…咳嗽・疼痛〔瀉法〕

+膝関…大腿や膝の炎症〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

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内膝眼(nei4xi1yan3)(ないしつがん)・膝両眼・膝目・鬼眼

※経外奇穴-備急千金要方-

【取穴】膝前面、膝蓋靱帯内方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨内方の陥凹部にある。

【名の由来】膝蓋靱帯両側の陥凹が、あたかも眼窩のように見える事から。

【主治】

脚気八処之穴の四/脚気・膝疾患』

生理痛

【症例/個人的見解】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝組織の損傷を招く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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禁灸穴, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 腰背部痛, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 婦人科疾患

髀関(ひかん)

 

ST31)髀関(bi4guan1)(ひかん)

【取穴】

大腿前面、3筋(大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋)の近位部の間の陥凹部。

※股関節と膝をわずかに屈曲し、大腿をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角形の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜張筋の陥凹部にある。ST31)髀関は、三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分にある。

※膝蓋骨外側端と上前腸骨棘を結ぶ線が、恥骨結合下縁の水平線と交わるところにある。

【名の由来】

「髀=大腿骨」。本穴が股関節に位置する事から。

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処(髀枢)

・経別:第三合(髀)(足陽明の入る処、足太陰の合す処)

【作用】

〔補〕強壮腰膝

〔瀉〕疏筋活絡

【弁証主治】

◆胃-脾病

婦人科疾患・貧血、血液疾患・胃腸虚弱、消化器症状・脈浮緩など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・婦人科疾患(不妊など)には効果が高い様子。ある報告では女性ホルモンと大腿四頭筋および膝の構成靭帯の硬度には相関の可能性があることが示唆されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/4/23_4_509/_pdf

・大腿部の穴を婦人科系に用いるのは、有意義であるかもしれない。

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、得気が仙腸関節に走ることから、仙腸関節痛に対して有効かと思う。

・足陽明経筋病に対して用いる際は、本穴と「維道」との間の硬結を主体に刺鍼ポイントを決めた方が良いように思う。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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陰蹻脈, 衝脈, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 足少陽経筋, 妊婦禁鍼, 手太陰経筋, 治熱五十九兪

缺盆(けつぼん)

 

ST12)缺盆(que1pen2)(けつぼん) ・天蓋・尺蓋

【取穴】

前頚部、大鎖骨上窩、前正中線の外方四寸、鎖骨上方の陥凹部。

※シュミット点(肺結核等の診断点)に近い。

【名の由来】

「缺=欠けた」。鎖骨上窩の形状が、欠けた盆を思わせる事から。

【交会※古典には缺盆を交会とする記述は無い。しかし霊枢経脈第十に拠れば、膀胱経以外の陽経は、皆、缺盆より体内に入る。

・経絡(7):手足陽明経-手足少陽経-手太陽経-衝脈-陰蹻脈…「(五臓)六腑之道」

・経筋(3):手太陰・足陽明・足少陽経筋の結する処

・経別(2):第五合(手少陽の入る処)・第六合(手太陰・手陽明の出る処)

【作用】

〔補〕温補肌肉(補陽)

〔通〕通経緩脈

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清熱胸中・理気化痰』

【弁証主治】

◆肺/大腸病

躁鬱、不安障害・アレルギー疾患・自律神経失調・呼吸器の虚弱・排便異常・脈浮・臍右の強い拍動など

◆三焦病/少陽経病

多汗・耳鳴、難聴・口苦・喉痛・溜息・上肢痛、マヒ・脇肋痛・皮膚の乾燥など

◆陽明経病

注意欠陥多動性障害、統合失調症・歯痛・頚部の腫脹など

◆手太陽経病

下顎痛・項頚部痛・肩痛、火照りなど

◆衝脈/足陽明経筋/足少陽経筋病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

身体が縮んだように感じる〔補〕

認知症・更年期障害・泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎・半身不随・顔面神経マヒ・斜頚、チック・腹筋の緊張・股関節痛・下肢痛、こわばり、マヒ・こむら返り・筋力低下など

◆陰蹻脈病「陽緩み陰急す」

てんかん・眼裏痛・視力低下・腰痛・下半身の冷えと痛み・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛・錐体外路障害など

◆手太陰経筋病

吐血・母指痛など

【主症配穴】

+期門…胸脇痛〔瀉法〕

+肺兪…肺結核〔按摩も良し〕

【症例/個人的見解】

・経絡的には気衝と並ぶ要衝であるが、和漢三才図会に「妊婦禁鍼」とある。要注意。

・実際に臨床上では、刺鍼は危険。灸法や推拿での施術が妥当かと。

・陰蹻脈は「一身左右の陰を主る」ことから、臨床では巨刺・繆刺を多用する。

・「陽緩み陰急す」を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・陰蹻脈の病証では、表に異常がなく裏が病み(表面上に異常がないが症状が強いなど)、夜に症状がでる事が多い。

・陰を病むと熱を生ず。

 

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