《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 精神安定、リラックス, 総腓骨神経, 脛街/血海, 致残十八穴, 風邪、呼吸器疾患, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 免疫異常, 各種依存症, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 回陽九針, 小児禁灸, 心療内科的症状, 慢性疲労、虚弱体質, 更年期障害, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 深腓骨神経, 中風七穴

足三里(あしさんり) ※闌尾(らんび)

ST36)足三里(zu2san1li3)(あしさんり)・下陵(xia4ling2)(げりょう)・鬼邪・中兪髎

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方三寸。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

※足三里~解渓は足首を背屈して取ると良い。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経膝蓋下枝 Infrapatellar branch of Saphenous nerve

※本穴は伏在神経膝蓋下枝の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

「里=集まる」。本穴が犢鼻の下三寸にある事から。(本穴が三部三焦の疾患を治療できるところからとも

【要穴】

『足陽明経合土穴/胃下合穴(土経土穴/土気の強い穴)』

『根結:足陽明之注』

【作用】

〔補〕『補中益気・脾胃温補・調和気血』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/瀉火・清瀉胃熱』

〔通〕『水穀之海之兪/和胃通腸・去痰導滞』

【弁証主治/諸病皆治す―秦承祖-】

◆心包熱証 「土経土穴/火生土/実すれば其の子を瀉す」「逆気而泄を治す」

各種依存症・緊急反応(※副腎髄質機能亢進・脈浮洪など)・免疫異常(黄疸・リンパ節腫・喉痛)など

◆足陽明経(筋)病

耳鳴、難聴・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張など

【主症主治:脛街/血海の病】

『四総穴:腹部の症状/腹痛、胃の冷え、ひどい下痢、その他消化器疾患』

『馬丹陽天星十二穴/胸やけ、胃もたれ・大腿や膝の炎症、痛み・風邪の後の痩せ、その他』

『脚気八処之穴の五/脚気〔灸100壮〕・下肢の筋力低下・足腰のむくみと冷え』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):足三里+合谷』…腑病・胃気の病全般

『募合配穴(胃):中脘+足三里(+四縫穴・豊隆)』…食積胃脘証・胃寒証

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(経筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+間使…発熱悪寒

+水溝…意識障害

+肝兪〔補〕…立ちくらみ〔先補後瀉〕〔足三里は瀉〕

+気海…息切れ

+太白…喘息 〔先に三里を取り、後に太白を取る〕

+少衝〔瀉〕…母乳が出にくい・急性乳腺炎

+下脘…胃のひきつれ・嘔吐・しゃっくり〔瀉法〕

+中脘…胃炎

+期門…※霍乱〔瀉法。中脘は深く刺して良し〕

+内庭…細菌性の下痢

+支溝〔補〕…便秘

+陰陵泉…排尿障害・尿が濁る

+腕骨…急性の強い腰痛、股関節痛

右足三里+左内関…心療内科的症状〔肝気犯胃なら中脘を、鬱熱なら梁門を加える〕

【私見】

・本穴は特に「諸病皆治」とされる。 土経土穴(中央)という意味合いと、実際の臨床での汎用性の高さからかと思うが、特に『四総穴』『天星十二穴』に特記されるような胃腸症状、および『脚気八処』に挙げられる下肢の症状には効果が高い。

・土陽経の土穴は全経穴中、最も土陽性が強い。そういう意味では火性(心包・血脈・各種依存症など)に対する瀉法にも応用できるのではないだろうか?

・また土穴は中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。つまり原穴同様、子午の表裏である手厥陰心包経の病にも適用可能。陽証全般に適用かと思われる。

・和漢三才図会に、「小児は禁灸、三十才以後は努めて灸すべし」とある。

・中国では『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・気胸、暈鍼の救急穴。

・適度刺激での胃腸運動の促進作用が確認されている(極強刺激では抑制)-森秀太郎-

・徒然草(吉田兼好)には灸の記述も多い。一四八段には「四十以後の人、身に灸を加え三里を焼かざれば上気のことあり(40過ぎたら三里に灸せぇ。しないと逆上せが始まるぞ)」とあるが、更年期障害の予防としての三里灸は実際にも効果が高い。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により足に力が入らなくなる。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

 

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闌尾(lan2wei3)(らんび)・闌尾穴

※経外奇穴

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻の下方五寸。脛骨前縁から一横指外側。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝) Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経 Saphenous nerve

※本穴は伏在神経の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

本穴が虫垂炎に著効がある事から。

【主治】

虫垂炎・五十肩・胃痛・未消化便・下肢のマヒ

【配穴】

+肘尖〔灸〕…虫垂炎

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

膝痛, 致残十八穴, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 大腿神経・伏在神経

犢鼻(とくび) ※膝眼(しつがん)

ST35)犢鼻(du2bi2)(とくび)外膝眼(wai4xi1yan3)(がいしつがん)

【取穴】

膝前面、膝蓋靱帯外方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨外方の陥凹部にある。

・筋肉:膝蓋靭帯 Patellar ligament・外側膝蓋支帯 Lateral patellar retinaculum

・知覚神経:大腿神経前皮枝 Anterior cutaneous branches of Femoral nerve・伏在神経膝蓋下枝 Infrapatellar branch of Saphenous nerve

・血管:膝関節動脈網(外側下膝動脈) Genicular anastomosis (Inferior lateral genicular artery)

【名の由来】

「犢=子牛」。本穴のある膝蓋靱帯周囲の形が、子牛の鼻を思わせる事から。

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処(膝)

【作用】

〔瀉〕通経活絡・疏風散寒・消腫止痛

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】

脚気八処之穴の三/脚気〔灸50壮〕・膝痛・足第3指痛』

【配穴】

+昆侖…咳嗽・疼痛〔瀉法〕

+膝関…大腿や膝の炎症〔瀉法〕

【私見】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

 

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内膝眼(nei4xi1yan3)(ないしつがん)・膝両眼・膝目・鬼眼

※経外奇穴-備急千金要方-

【取穴】

膝前面、膝蓋靱帯内方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨内方の陥凹部にある。

・筋肉:膝蓋靭帯 Patellar ligament・内側膝蓋支帯 Medial patellar retinaculum

・知覚神経:伏在神経膝蓋下枝 Infrapatellar branch of Saphenous nerve

・血管:膝関節動脈網(内側下膝動脈) Genicular anastomosis(Inferior medial genicular artery)

【名の由来】

膝蓋靱帯両側の陥凹が、あたかも眼窩のように見える事から。

【主治】

脚気八処之穴の四/脚気・膝疾患』

生理痛

【私見】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝組織の損傷を招く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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禁灸穴, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 腰背部痛, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 婦人科疾患

髀関(ひかん)

 

ST31)髀関(bi4guan1)(ひかん)

【取穴】

大腿前面、3筋(大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋)の近位部の間の陥凹部。

※股関節と膝をわずかに屈曲し、大腿をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角形の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜張筋の陥凹部にある。ST31)髀関は、三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分にある。

※膝蓋骨外側端と上前腸骨棘を結ぶ線が、恥骨結合下縁の水平線と交わるところにある。

【名の由来】

「髀=大腿骨」。本穴が股関節に位置する事から。

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処(髀枢)

・経別:第三合(髀)(足陽明の入る処、足太陰の合す処)

【作用】

〔補〕強壮腰膝

〔瀉〕疏筋活絡

【弁証主治】

◆胃-脾病

婦人科疾患・貧血、血液疾患・胃腸虚弱、消化器症状・脈浮緩など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・婦人科疾患(不妊など)には効果が高い様子。ある報告では女性ホルモンと大腿四頭筋および膝の構成靭帯の硬度には相関の可能性があることが示唆されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/4/23_4_509/_pdf

・大腿部の穴を婦人科系に用いるのは、有意義であるかもしれない。

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、得気が仙腸関節に走ることから、仙腸関節痛に対して有効かと思う。

・足陽明経筋病に対して用いる際は、本穴と「維道」との間の硬結を主体に刺鍼ポイントを決めた方が良いように思う。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

陰蹻脈, 衝脈, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 足少陽経筋, 妊婦禁鍼, 手太陰経筋, 治熱五十九兪

缺盆(けつぼん)

 

ST12)缺盆(que1pen2)(けつぼん) ・天蓋・尺蓋

【取穴】

前頚部、大鎖骨上窩、前正中線の外方四寸、鎖骨上方の陥凹部。

※シュミット点(肺結核等の診断点)に近い。

【名の由来】

「缺=欠けた」。鎖骨上窩の形状が、欠けた盆を思わせる事から。

【交会※古典には缺盆を交会とする記述は無い。しかし霊枢経脈第十に拠れば、膀胱経以外の陽経は、皆、缺盆より体内に入る。

・経絡(7):手足陽明経-手足少陽経-手太陽経-衝脈-陰蹻脈…「(五臓)六腑之道」

・経筋(3):手太陰・足陽明・足少陽経筋の結する処

・経別(2):第五合(手少陽の入る処)・第六合(手太陰・手陽明の出る処)

【作用】

〔補〕温補肌肉(補陽)

〔通〕通経緩脈

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清熱胸中・理気化痰』

【弁証主治】

◆肺/大腸病

躁鬱、不安障害・アレルギー疾患・自律神経失調・呼吸器の虚弱・排便異常・脈浮・臍右の強い拍動など

◆三焦病/少陽経病

多汗・耳鳴、難聴・口苦・喉痛・溜息・上肢痛、マヒ・脇肋痛・皮膚の乾燥など

◆陽明経病

注意欠陥多動性障害、統合失調症・歯痛・頚部の腫脹など

◆手太陽経病

下顎痛・項頚部痛・肩痛、火照りなど

◆衝脈/足陽明経筋/足少陽経筋病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

身体が縮んだように感じる〔補〕

認知症・更年期障害・泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎・半身不随・顔面神経マヒ・斜頚、チック・腹筋の緊張・股関節痛・下肢痛、こわばり、マヒ・こむら返り・筋力低下など

◆陰蹻脈病「陽緩み陰急す」

てんかん・眼裏痛・視力低下・腰痛・下半身の冷えと痛み・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛・錐体外路障害など

◆手太陰経筋病

吐血・母指痛など

【主症配穴】

+期門…胸脇痛〔瀉法〕

+肺兪…肺結核〔按摩も良し〕

【症例/個人的見解】

・経絡的には気衝と並ぶ要衝であるが、和漢三才図会に「妊婦禁鍼」とある。要注意。

・実際に臨床上では、刺鍼は危険。灸法や推拿での施術が妥当かと。

・陰蹻脈は「一身左右の陰を主る」ことから、臨床では巨刺・繆刺を多用する。

・「陽緩み陰急す」を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・陰蹻脈の病証では、表に異常がなく裏が病み(表面上に異常がないが症状が強いなど)、夜に症状がでる事が多い。

・陰を病むと熱を生ず。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, 禁灸穴, 禁鍼穴, 精神疾患, 胸街/気海, 脳、神経症状, 自律神経失調, 致命三十六穴, 陰蹻脈, 陽蹻脈, 項頚部痛, 頭痛, 足陽明経筋, 足陽明胃経

人迎(じんげい)

 

ST9)人迎(ren2ying2)(じんげい)・天五会・五会

【取穴】

前頚部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈上。

※胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。

※LI18)扶突、SI16)天窓、および甲状軟骨上縁と同じ高さにある。

※胸鎖乳突筋の前縁がST9)人迎、後縁がSI16)天窓、前縁と後縁の中央にLI18)扶突がある。

【名の由来】

本穴が嚥下の際、食物を送迎するように動く事から、「人を迎えるが如し」との意味で。

【要穴】

『根結:足陽明之入』

『標本:足陽明之標』

【交会】

・経絡(4):足陽明経-足少陽経-陽蹻脈-陰蹻脈

※一説には陽蹻-陰蹻之会とも。

【作用】

〔瀉〕『気海(胸街)之兪/寛胸定喘・散結清熱』

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆蹻脈病

てんかん・半身不随・睡眠障害自律神経失調、冷えのぼせ・眼裏痛、視力低下・腰背部痛・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛など

 

【主症主治

気海(胸街)之兪/呼吸困難 ・発声障害、しわがれ声

味覚異常・甲状腺腫・リンパ節腫大

【私見】

・鍼灸甲乙経に「刺過深殺人」とある。要注意。

・鍼灸甲乙経、和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。頸動脈からの出血。

・陽経における根結において、『入』は絡穴と、胸鎖乳突筋周囲の2点がある。この頚の6点は、各経(筋)の病態を判断する診断点として使用できるように感じる。

・個人的には、上述の『入』と、頚前筋の分布になにかしらの関連を感じる。胸鎖乳突筋のすぐ裏には頸動脈鞘があり、脳の主要動静脈に加え、迷走神経も、この鞘に包まれている。このことから、胸鎖乳突筋上に分布する各『入』は、経筋のみならず、自律神経系や脳の代謝異常にも運用できるのではないだろうか?

・陰陽蹻脈の交会であることから、体軸の調整に応用できるかと。また熱症状のある時は陰蹻脈へ、寒症状のある時は陽蹻脈として選穴すること。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「nila(青/脈管のマルマ)」と呼ばれ、発声障害、しわがれ声・味覚異常に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《Ⅴ₃》下顎神経, 《経外奇穴》, 疼痛, 筋の過緊張、こわばり, 精神疾患, 脳、神経症状, 陰蹻脈, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 足太陽経筋, 足少陽経筋, 手陽明経筋, 三叉神経痛

下関(げかん) ※裏頄(りきゅう/伍行庵オリジナル)

 

ST7下関(xia4guan1)(げかん)・牙関

【取穴】

顔面部、頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部。

※口を閉じ、頬骨弓下方の陥凹部、GB3)上関の直下にある。

・筋肉:咬筋/外側翼突筋/内側翼突筋

・運動神経:《Ⅴ₃》下顎神経

・知覚神経:《Ⅴ₃》下顎神経

・血管:顔面横動脈

【名の由来】

「関=戸ぼそ」。本穴が頬骨弓下際にあり、顎関節開閉時に恰も戸ぼその様に働く事から。

【交会】

・経絡(2):足陽明経-足少陽経

【作用】

〔補〕壮筋補虚・関節強健

〔瀉〕疏風活絡・開竅益智・風寒温散・鬱熱消散

【弁証主治】

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

【主症主治】

歯根膜炎・顎関節の脱臼、こわばり

 

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※裏頄(li2qiu2)(りきゅう)

※伍行庵オリジナル。


【取穴】

下顎切痕直上。下関のさらに深部。翼突筋を目標に。

※取穴の際には、患者に軽い口の開閉を数回してもらい、正確に下顎切痕を把握した方が良い。

・筋肉:咬筋/外側翼突筋/内側翼突筋

・運動神経:《Ⅴ₃》下顎神経

・知覚神経:《Ⅴ₃》下顎神経

・血管:顔面横動脈

【名の由来】

本穴が頄(頬骨)の奥にある事から。

【要穴】

『根結:足陽明之結(顙大、鉗耳/顎関節)』

『標本:手陽明之標(顔下合鉗上/顎関節)』

【交会】

・経絡(?):陰蹻脈(頄)

・経筋(4):足三陽経筋-手陽明経筋の結する処(頄)

【弁証主治】

◆陰蹻脈病/足三陽経筋病「陽緩み陰急す」

半身不随・錐体外路系障害・部位がはっきりしない疼痛・線維筋痛症など全身の運動機能障害・皮膚の強いしびれやこわばり・てんかん・寒熱症状、自律神経失調 ・視力低下、眼裏痛・※昌陽脈腰痛・疝痛・下肢内側のこわばり、O脚など

手陽明経(筋)病

三叉神経痛・項頚部痛・頚部の腫脹・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛など

【私見】

・線維筋痛症、および群発頭痛の治療に関して、外側翼突筋へのアプローチが有効とのデータがある。陽明経(筋)病に該当する主訴も多いので、鍼による本穴からのアプローチは試す価値があるように思う。

・翼突筋が蝶形骨に起始することから、本穴(下関も)への刺鍼は、下垂体に関わる脳内分泌異常による疾患(精神疾患、パーキンソンなどの神経伝達障害)にも応用可能かと考える。

・上顎神経へは、下顎切痕直上から、鍼尖を翼状板を確認するように前方及び頭側方へ向ける。鍼を翼状板から離れるまで前方に進めると、眼窩底の眼窩下管に入って頭蓋に再び入る前に上顎神経に当たる。

・下顎神経には、下顎切痕直上から、鍼尖を後方に向ける。翼状板に当たったら鍼を更に後方に進め、翼状板を通り越すと、此処で下顎神経に当たる。

・奇経八脈考に、陰蹻脈が「頄の内側に入り上に行きて内目尻に属す」とある。陰蹻脈は「一身左右の陰を主」り、その病は「陽緩み陰急す」。これを姿勢からみると、前傾前屈姿勢となることに加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・陰蹻脈の病証では、表に異常がなく裏が病み(表面上に異常がないが症状が強いなど)、夜に症状がでる事が多い。

・陰蹻脈は臨床では、巨刺・繆刺を多用する。顎関節症の治療では、顎の偏移側の反側に刺入すると効果が高い様子。

・陰を病むと熱を生ず。

・検証:得気は、正確に入るとあまり感じない。手技を加えるとじんわりと副鼻腔へと響く感じ。

 

※線維筋痛症(Fibromyalgia-Syndrome:FMS)…全身の強い恒常的疼痛(電撃様・ガラスの破片が流れる様な)を主症状とし、様々な随伴症状を伴う原因不明(明確な診断基準なし)の疾患。 多様な「痛み(事故や手術、出産など)」が起点となる事が多い。男:女=1:7、中高年に多く、しばしば膠原病などの自己免疫疾患と併発する。  随伴症状としては微熱・躁鬱、不安障害・不眠・理解力、思考力、集中力の低下・全身の重だるさ、こわばり・頻尿・下痢・眼や喉の乾燥・筋力低下・四肢の冷え(レイノー現象)など。 しばしば膠原病などの免疫疾患を併発する。

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※素問刺腰痛篇第四十一に記載の「昌陽之脈」を、陰蹻脈とする説もある。「昌陽」は復溜の別名でもあるが(「内筋」は交信の別名)、復溜も陰蹻脈に係わるという事か?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, 《Ⅴ₂》上顎神経, 《Ⅶ》顔面神経, 《経外奇穴》, 禁灸穴, 足陽明経筋, 足太陽経筋, 鼻疾患, 手陽明大腸経, 三叉神経痛

迎香(げいこう) ※内迎香(うちげいこう、ないげいこう)

LI20)迎香(ying2xiang1)(げいこう)・衝陽

【取穴】

顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さ。(顔面部、鼻唇溝中、鼻翼下縁の高さとも)

・筋肉:上唇鼻翼挙筋・上唇挙筋・小頬骨筋

・運動神経:《Ⅶ》顔面神経

・知覚神経:《Ⅴ₂》上顎神経

・血管:眼角動脈

【名の由来】

本穴に鼻竅宣通の作用があり、嗅覚を回復させる作用がある事から。

【要穴】

『足陽明之標(頏顙/副鼻腔)』

【交会】

・経絡(2):手足陽明経 …鍼灸大成・鍼灸聚英

・経筋(2):足陽明-足太陽経筋の結する処(鼻)

【作用】

〔補〕壮筋補虚

〔瀉〕鼻竅宣通・清瀉鬱熱

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

◆足陽明経(筋)病

不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・唇の炎症・三叉神経痛、感覚異常・顔面神経マヒ、痙攣・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

◆足太陽経筋病

項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・腰背部痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

【主症主治】

鼻疾患〔透口禾髎/先補後瀉。得気をしっかり〕

【配穴】

+聴会…難聴〔瀉法〕

+合谷…顔の腫れ・痒み

【私見】

・「禁灸穴」とある。

・検証:得気は、同側の「攅竹」と「素髎」、「顴髎」と、上顎神経エリア広範囲に響く。

 

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内迎香(nei4 ying2xiang1)(うちげいこう)

※経外奇穴-肘後備急方-扁鵲神應鍼灸玉龍経-

【取穴】

鼻腔内。鼻翼軟骨と鼻甲介の交点にある粘膜。

・知覚神経:《Ⅴ₂》上顎神経

・血管:眼角動脈

【名の由来】

本穴が迎香と鼻翼を隔てて対峙している事から。

【主治】〔基本、瀉血〕

頭痛・急性結膜炎・熱中症・めまい・失神・嗅覚異常・鼻炎・慢性鼻洞炎・慢性咽頭炎・顔面神経マヒ

【症例/個人的見解】

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「phana(鼻腔/脈管のマルマ)」と呼ばれ、嗅覚異常に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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℡ 048-851-9675