督脈, 神経変性疾患, 禁灸穴, 禁鍼穴, 足少陰経筋

脳戸(のうこ)

 

GV17)脳戸(nao3hu4)(のうこ)・玉枕関・匝風・会額・合顱

【取穴】頭部、外後頭隆起上方の陥凹部。

※後正中線の垂線と外後頭隆起上縁の水平線の交点にある陥凹部。BL9)玉枕と同じ高さにある。

【名の由来】「戸=扉」。本穴から脳気で出入りする事から。

【要穴】『後三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。左右の「玉枕」と併せて考えられる。

【交会】

・経絡(2):督脈-足太陽経 ※甲乙経に「此別脳之会」とある。

・経筋:足少陰経筋の結す処(枕骨)?

・経別:第一合(項)(足太陽の出る処・足少陰の出る処)

【作用】〔瀉〕清熱散風

【弁証主治】

◆督脈病/足少陰経筋病

※脳風・脳性マヒ、半身不随・てんかん発作・錐体外路系障害・躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・メニエル病・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・下肢~足底の冷え、ひきつれなど

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

◆膀胱/腎病

成長発育不全、代謝不全・脱毛・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患〔金鍼〕・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

【症例/個人的見解】

・甲乙経・和漢三才図会には「禁鍼灸穴」とある。何故か?

・足少陰経筋の病-仲秋痺-は「此筋折紐、紐発数甚者、死不治」とある。個人的には錐体外路系の変性疾患を思わせる。

 

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
督脈, 陽維脈, 陽蹻脈, 頭街/髄海, 足太陽経筋, 十三鬼穴(多動性精神疾患)

風府(ふうふ)/髄空(ずいくう)/鬼枕(きちん)

 

GV16)風府(feng1fu3)(ふうふ)・鬼枕(gui3zhen3)(きちん)・舌本・鬼穴・曹渓・髄空

【取穴】

後頚部、後正中線上、外後頭隆起の直下、左右の僧帽筋間の陥凹部。

※頚部を軽く後屈させた状態で、僧帽筋の緊張を緩め、後髪際中点から後頭骨に向かって擦上したところの陥凹部にある。

※後頭部圧診点(頭痛・脳炎の診断点)に近い。

・筋肉:項靭帯

・知覚神経:大後頭神経

・血管:後頭動脈、頚横動脈上行枝

【名の由来】

「風=風邪」「府=集まる処」。本穴が項にあり、陽邪である風が集う場所である事から。

※「髄空」という別名は、風府のほか、腰兪、陽輔にもある。

【交会】

・経絡(4):督脈-足太陽-陽維脈(-陽蹻脈)

※一説には陽蹻の会とも。

・経筋:足太陽経筋の結す処(枕骨)

・経別:第一合(項/足太陽の出る処・足少陰の出る処)

【作用】

〔補〕『髄海(頭街)之兪/補髄益脳』

〔瀉〕清熱散風・化痰開竅・清熱四肢

【弁証主治】

◆督脈/陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・チック・※脳風・脳性マヒ、半身不随・躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症、自殺企図・不眠・めまい、メニエル病・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・視力の低下、眼疾患〔繆刺〕・眼瞼痙攣・鼻血・部位がはっきりしない疼痛・パーキンソン症候など

◆足太陽経(筋)病

風邪初期、1日目・発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・肩背部痛・腰背部痛、坐骨神経痛、下肢外側のこわばり・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

往来寒熱・髄膜炎症状・リンパ節腫・四肢の冷え・胸苦しさなど

◆膀胱-腎病

成長発育不全、代謝不全・脱毛・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患〔金鍼〕・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』 〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕


+上脘…発熱

+風池…悪寒発熱

+陽谷…注意欠陥多動性障害・統合失調症 〔瀉法〕

+齦交…項頚部のこわばり〔瀉法〕

+足三里…排尿障害〔風府は深度をよく考慮して。風府一穴でなお改善がなければ+足三里〕

+腰兪…足がうまく動かない

【私見】

・甲乙経・和漢三才図会には「禁灸穴」とある。要注意。

・十三鬼穴の第六穴。精神疾患に著効。

・陽が病むと寒を生ず。

 

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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バランス向上, 督脈, 筋の過緊張、こわばり, 精神疾患, , 腰背部痛, 項頚部痛, 足少陰経筋, 小児の病

身柱(しんちゅう)

 

GV12)身柱(shen1zhu4)(しんちゅう)・塵気・散気・智利介・チリケ・三椎

【取穴】

上背部、後正中線上、第3胸椎棘突起下方の陥凹部。

【名の由来】

「身=身体」「柱=支柱」。本穴が肩胛骨中央に在り、天秤の支点の様に人体左右の平衡を保つ事から。

【作用】

〔瀉〕扶正去邪・鎮静安神

【弁証主治】

◆督脈病

認知症・躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症〔灸100壮〕・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・膝、四肢の冷えなど

◆肺病

呼吸器の虚弱〔灸100壮〕、息切れ・自律神経失調、口渇・臍右の強い拍動・脈浮など

【主症配穴】

+長強…小児のひきつけ〔瀉法〕

+本神…躁鬱

+霊台…小児喘息〔灸法〕

【症例/個人的見解】

・本穴の左右に肺兪がある。肺の病にも有効と考える。

・脳の働きを高めるとも。精神疾患に対する主治が多く、重篤な精神疾患にはぜひ用いたい。

・本穴の穴名の由来が「天秤の支点の様に人体左右の平衡を保つ事から」とあるが、実際、人体上に腸骨稜腰方形筋起始と反側の頭蓋外側『角孫』を結ぶ線を引くと、左右の線と脊柱の交点はほぼココに位置する。人体の頭と骨盤のバランスの要となる部位と考える。

・臨床的には、本穴をいかに正しく「正中線に載せるか」を指標に治療を考えると、姿勢性の筋疾患には有効かと思う。個人的には足少陰経筋の治療ポイントと考えている。

 

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《経外奇穴》, 督脈, 絡穴「去痰化瘀」, ED、男性生殖器疾患, 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 足少陰経筋

長強(ちょうきょう)/尾閭(びろ) ※窮骨(きょうこつ)

 

GV1長強(chang2qiang3)(ちょうきょう)・尾閭関・河車路・気陰郄・尾翠骨・亀尾・尾窮・窮骨・撅骨・骶上・骨骶・竜爪穴・曹渓路・三分閭・朝天嶺・上天梯・気郄・簒後

【取穴】

会陰部、尾骨の下方、尾骨端と肛門の中央。

・筋肉:肛門尾骨靭帯・外肛門括約筋

・運動神経:陰部神経

・知覚神経:陰部神経

・血管:下直腸動脈(内陰部動脈の枝)

※腹臥位か膝胸位にする。

【名の由来】

本穴が督脈=脊柱の始点であり、脊柱が人体中、最も長く強固な骨である事から。

【要穴】

『督脈絡穴/膂を挟みて項に上り頭上にて散じ、また下りて左右の肩甲骨に至り、別れて太陽経に行き、入りて膂を貫く

『後三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】

・経絡(3):督脈-足少陰経-足少陽経

・経筋:足少陰経筋の結す処(陰器)

・経別:第一合(肛門/足太陽の別れ入る処・足少陰の別れ合する処)

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水・肛門集束・寧神鎮痙』

〔瀉〕鬱熱散滞・消壅散結・督脈通暢・舒筋活絡・通便消痔

【絡脈主治】陽経全体にまたがる症状・督絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕めまい・頭が重く、ふらふらする

〔瀉〕背部の強いこわばり

【弁証主治】

◆督脈病

小児の大泉門部陥凹〔補〕

脳神経症状、運動機能障害・痴呆・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・睡眠障害・膝、四肢の冷えなど

◆膀胱-腎病

成長発育不全・視力の低下・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

◆足少陰経(筋)病

貧血、血液疾患・てんかん発作・喘息・萎縮性舌炎・※昌陽脈腰痛・下肢~足底のひきつれ・※脱疽など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・※接触性皮膚炎など

【主症主治】

痔・肛門痛・脱肛・尾骨痛

【配穴】

+天突…※哮喘〔灸法〕

+大杼…下腹部の疝痛

+命門〔補〕…下痢〔火鍼/長強は瀉〕

+承山…急性の下血・痔

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。津液代謝の異常に関しては効果が高い。

・足少陰経筋では「陰器に結す」とあるが、その後の流注を考えると、前面の会陰などよりは長強(尾骶骨)と考えた方が良い気がする。

・EDに対する新穴として、腰兪~長強の中点に『陽萎穴Ⅱ号』がある。

 

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※脱疽…多くは足の指に発生し、潰えて久しくして指が落ちる。経過から察するに糖尿病性の壊疽に似ている。

※接触性皮膚炎…衣服、気温、化学物質、金属など外界の刺激を受けて生じる皮膚炎。

※哮喘…喘鳴を伴う呼吸困難。

 

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※窮骨(qiong2gu3)(きゅうこつ)・尾窮骨

※経外奇穴。-備急千金要方-

【取穴】

仙骨部、尾骨先端の上方一寸とその左右外方各一寸。計3穴。

・筋肉:肛門尾骨靭帯

・運動神経:陰部神経

・知覚神経:陰部神経

・血管:下直腸動脈(内陰部動脈の枝)

【名の由来】

「窮骨=尾骨」。本穴の部位から。

【主治】

てんかん発作・急性腰痛・腰仙部痛・淋病・便秘・排尿困難・痔・肛門痙攣・坐骨神経痛

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ストレス/不安障害、パニック障害, バランス向上, 神経変性疾患, 致命三十六穴, 陰維脈, 足太陽経筋, 足少陰経筋, 手少陽経筋, 任脈

廉泉(れんせん)/舌本(ぜつほん)

 

CV23)廉泉(lian2quan2)(れんせん)・舌本(she2ben3)(ぜっぽん)・ 本池

【取穴】前頚部、前正中線上、喉頭隆起上方、舌骨の上方陥凹部。

※頚部を軽く屈曲すると、下顎骨と甲状軟骨の間に舌骨隆起を触れる。

【名の由来】「廉=辺り」。本穴内部に舌根があり、此所が津液が泉の様に溢れ出る場所である事から。

【要穴】

『標本:足太陰之標』

『根結:足少陰之結』

【交会】

・経絡(2):任脈-陰維脈

・経筋:足太陽経筋-手少陽経筋の結す処(舌本)

【作用】

〔補〕補益舌本・生津潤燥

〔瀉〕舌絡通調・壅腫消散・清熱化痰・通利咽膈

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆陰維脈病「心痛に苦しむ」

心痛、心窩部痛・激しい動悸、胸苦しさ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・梅核気〔刺鍼1分・灸3壮〕・しゃっくり・脇下のつかえ・腰背部痛など

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・胃腸虚弱・婦人科疾患・萎縮性舌炎、舌のこわばり・嚥下困難・脈浮緩など

◆足少陰経筋病

てんかん発作・下肢~足底のひきつれ・錐体外路系障害など

◆足太陽経筋病

項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆手少陽経筋病

上肢痛、ひきつれなど

【主症主治】流行性耳下腺炎・扁桃腺炎・咽頭炎

【主症配穴】

+中衝…舌下の炎症・舌瘡

【症例/個人的見解】

・足陰経における根結では、『結』は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足少陰)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

・足少陰経筋の病-仲秋痺-は「此筋折紐、紐発数甚者、死不治」とある。個人的には錐体外路系の変性疾患を思わせる。

・梅核気の治療で著効があったことがある。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。気道の損傷。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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バランス向上, 精神疾患, 足厥陰経筋, 任脈

玉堂(ぎょくどう)

CV18玉堂(yu4tang2)(ぎょくどう)・玉英

【取穴】

前胸部、前正中線上、第三肋間と同じ高さ。

・知覚神経:肋間神経前皮枝

・血管:内胸動脈の枝

※小野寺胸骨点(気管支リンパ節の診断点)に近い。

【名の由来】

「玉=尊貴なモノ」。ここでは心を表す。本穴内部に心が納められている事から。

【要穴】

『根結:足厥陰之結』

【作用】

〔瀉〕寛胸理気・止咳平喘

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆足厥陰経筋病

インポテンツあるいは勃起の異常継続・下腿内側~内股の痛み、ひきつれ・内踝痛・足母指痛など

【主症主治】

胸が張る・胸脇部痛

【主症配穴】

百会⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+幽門…胸焼け・嘔吐

+太渓…咳逆・胸焼け〔玉堂は瀉〕

【症例検証/個人的見解】

・足陰経における根結では、【結】は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足衝ン)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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禁鍼穴, 精神疾患, 致命三十六穴, 足厥陰経筋, 八会穴, 募穴「瀉実」, 各種依存症, 心療内科的症状, 心包, 任脈

膻中(だんちゅう)

 

CV17)膻中(tan2zhong1)(たんちゅう)・中丹田・上気海・元児・元見・胸堂

【取穴】

前胸部、前正中線上、第四肋間と同じ高さ。

※津田胸骨点(十二指腸潰瘍などの診断点)に近い。

【名の由来】

「膻中=君主の居城」。本穴が心(神)の外衛たる心包の募穴である事から。

【要穴】

『心包募穴』

『根結:足厥陰之絡』

『八会穴:気会』

『前三関』※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】

・経絡(5):任脈-足太陰経-手太陽経-足少陰経-手少陽経

【作用】

〔補〕補益宗気・補陽上焦

〔瀉〕脈絡温通・理気通絡・寛胸理膈

【弁証主治】

◆心包/胃病

各種依存症、摂食障害(過食、拒食・萎縮性胃炎・胃腸虚弱・げっぷなど)ストレス/不安障害、パニック障害・梅核気(嚥下困難)・※副腎髄質機能亢進症・心痛、動悸、胸苦しさ・心窩部痛・掌の火照り・19:00~21:00あるいは07:00~09:00の異常など

◆足太陰経病

血液疾患、黄疸・しゃっくりなど

◆足少陰経病(気病?)

認知症・視力の低下・喉痛・喘息〔灸7壮〕・更年期障害など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・痔・糖尿病など

◆手太陽経病

下顎痛・頚部静脈瘤・項頚部痛・肩背部、肩甲間部の痛み・上肢痛、マヒ、火照りなど

◆手少陽経病

片頭痛・歯痛・多汗・耳鳴、難聴・胸鎖乳突筋のこわばり・※副腎皮質機能亢進症状など

◆足厥陰経筋病

インポテンツあるいは勃起の異常継続・下腿内側~内股の痛み、ひきつれ・内踝痛・足母指痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(気):膻中+会宗・孔最・陰郄』…気病

『兪募配穴(心包・脈):膻中+厥陰兪』…心包病/ストレス障害・各種依存症など

『原募配穴(手厥陰経):大陵+膻中』…手厥陰経病

【主症配穴】

百会⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+華蓋…息切れ〔瀉法〕

+天突…哮喘〔膻中は灸〕

+巨闕…心窩部痛、喉に痰が溜まる

+少澤〔補〕…母乳がでない〔膻中は灸〕

【症例検証/個人的見解】

・募穴はその臓腑に加え、子午の表裏にある臓腑も主治する。すなわち心包募穴である膻中は、胃の病も主治とする。

・個人的には心包/胃を包括するような症状、つまり摂食障害やストレス性の胃腸症状に、適応と考える。

・難経第三十一難には、上焦の病を治す場として本穴を挙げている。一方、和漢三才図会には「禁鍼穴」とある。

・「気会」としての具体的治効は、足少陰経病(肺腎陰虚)に由来するように思う。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。心臓の損傷。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

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