発汗調整, , 腹街/水穀の海, 自己免疫疾患, 衝脈, 足少陰腎経, 免疫力、抵抗力向上, 婦人科疾患, 三焦, 代謝障害

肓兪(こうゆ)

 

KI16)(huang1shu4)(こうゆ)

【取穴】

上腹部、臍中央の外方五分。

【名の由来】

「肓=肓膜」「兪=輸」。足少陰脈が本穴より体内肓膜に向かい入る場所である事から。

【交会】

・経絡(2):足少陰経-衝脈

【作用】

〔補〕温補肌肉

〔通〕通経緩脈

〔瀉〕寛胸理気・和胃降逆

【弁証主治】

◆腎陽/三焦病

成長発育不全・腰痛・脈沈遅・多汗・※副腎皮質機能亢進症状、自己免疫疾患代謝障害、極度の痩せなど

◆足少陰経病/衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・皮膚静脈炎・むくみなど)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(認知症・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下))〔補〕 など

【主症主治/腹街の病】

〔補〕空腹だが食欲がない・下痢など

〔瀉〕お腹が張る・腹痛・便秘など

【主症配穴】

+横骨…排尿障害〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・肓は「脂」であり「腎より生じるもの」という意味がある。個人的には、『肓』は『三焦』と深い関係にあり、採用医学的には『三焦』は、特に副腎皮質との関わりを考えている。代謝の過剰亢進や代謝不全、および自己免疫疾患などには適応を考える。

 

 

・難経第三十一難には、中焦の病を治す場として「臍傍」としている。腹街(水穀の海=胃腸)の治療には、各背兪と組み合わせると良い。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

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発汗調整, 経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, ED、男性生殖器疾患, 脛街/血海, 衝脈, 足少陰腎経, 太衝(血流不全), 婦人科疾患, 更年期障害

復溜(ふくりゅう)

 

KI7)復溜(fu4liu1)(ふくりゅう)・復白・伏白・胃陽・外命・外命兪・昌陽

【取穴】

下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方二寸。

※KI8)交信と同じ高さで後方にある。

【名の由来】

「復溜=伏し留る」。足少陰脈気が本穴で一度停留する事から。

※子午流注説難の「其太溪是正经之脉、复从内踝稍后、二寸此溜」に由来するとも。

【要穴】

『足少陰経経金穴(水経金穴/金生水/自経母穴)』

【作用】

〔補〕培補腎陰・滋陰宣肺・益髄健脳・滋陰降火・壮筋補虚

〔瀉〕『水兪五十七処“太衝”/通利三焦・開竅腠理』

【弁証主治】

◆腎虚証/肺腎両虚証「喘咳寒熱を治す/虚すれば其の母を補う」

発熱畏寒・発汗異常・鼻、口唇、肌の乾燥・咳嗽、喘息・成長発育不全・代謝不全・排便異常・痔・脈沈遅・17:00~19:00あるいは05:00~07:00の異常など

◆足少陰経病/衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(不眠・泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・皮膚静脈炎)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(認知症・錐体外路系障害・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下))〔補〕 など

【主症主治】

内踝痛・踵痛・足底痛・足5指痛

【主症配穴】

+合谷…発汗調整

+水分…お腹が張る・むくみ・腹水

+承山…痔・腹痛

+委中…腰背部痛

+腎兪…頻尿・むくみ

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“太衝”に数えられる。精、血の異常に効果が高い。個人的には衝脈に属すと考える。

・甲乙経に「刺無多見血」とある。出血は控えるべきか?

・古典では総じて、多汗には復溜を補し、無汗には復溜を瀉す記述が多い。また発汗調節には「合谷」との配穴が多くみられる。

・個人的には、肺/腎というより、肺/大腸との関係を念頭に、選穴すべきと考える。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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発熱, 発汗調整, 風邪、呼吸器疾患, 足太陽膀胱経

風門(ふうもん)

 

BL12)風門(feng1men2)(ふうもん)・熱府・打肩(和名)

【取穴】

上背部、第2胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方一寸五分。

【名の由来】

古代、本穴より風邪が進入するとされた事から。

【交会】

・経絡(2):足太陽経-督脈

【作用】

〔瀉〕袪風解表・疏衛宣肺

〔灸〕温肺散邪・温経散寒・温陽固衛

【弁証主治】

◆傷寒太陽病/足太陽経病

風邪の初期、一日目〔灸瀉〕・発熱による疼痛など

◆督脈病

〔補〕躁鬱・痴呆・頭が重く、ふらふらする・腰背や膝の悪寒など 〔瀉〕注意欠陥多動性障害、統合失調症・肩背や腰背の強いこわばりと痛み・四肢の冷え・背部の発疹など

【症例/個人的見解】

・風邪初期には吸玉をつかうことが多い。施術した夜などに一時的に熱が上がることが多いが、総じて早く風邪が抜けるようである。

・喘息の発作などに対して、蒸しタオルで5分ほど温めるのも、経過は良好だった。

 

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てんかん、チック、ジストニア、顔面痙攣, バランス向上, 疼痛, 発汗調整, 絡穴「去痰化瘀」, 足太陰経筋, 足太陰脾経

大包(だいほう)

 

SP21)大包(da4bao1)(だいほう)

【取穴】

側胸部、第6肋間、中腋窩線上。

※側臥して上腕を外転したとき、中腋窩線と第6肋間の交点にある。

【名の由来】

「包=統括」。本穴が「脾之大絡」であり、陰陽諸経を統括し、臓腑四肢を滋養する働きがある事から。

【要穴】

『脾之大絡/淵腋の下三寸から出て、胸脇に分布する』

【作用】

〔瀉〕理気活絡

【絡脈主治】

脾之大絡脈の問題

〔補〕全身の関節の不和・不随意運動(ジストニアなど?) 

〔瀉〕全身の痛み(線維性筋痛症など?)

【弁証主治】

◆足太陰経(筋)病

貧血、血液疾患・動悸、心窩部痛、胸苦しさ・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・出血傾向・萎縮性舌炎、嚥下困難・脇腹~臍の引きつれ・背深部の痛み・婦人科疾患・更年期障害・股関節痛・下腿内側痛・内踝痛・足母指痛・脈浮緩など

【主症主治】

顔の多汗

【症例/個人的見解】

・『脾之大絡』という点で言えば、大包は全経絡に交会しているとも言えるのだろうか?

・本穴が具体的にどういう機能を有するかはハッキリしない(臨床でも使いづらい場所なので)。古典には「実すると全身が尽く痛み、虚すると全身の関節に問題が生じる」とあるので、線維性筋痛症やリウマチなどへの応用は可能か?

脾之大絡脈の病の記述や、足太陰経筋のラインを考えるに、胸裏に入る経筋は大包と関係するのでは?

 

・橋本敬三氏著『からだの設計にミスはない』の中で、乳幼児の発育向上と疾病予防に対し、「脇腹を軽くくすぐってやると、その刺激に反応して手足をキクキク動かして勝手に運動系を調節する。万事それでOKである」とある。大包の絡脈主治に対してとても興味深い示唆であると感じる。

・首から上の汗を抑える方法として「舞妓の高帯」と呼ばれる方法がある。皮膚圧反射を利用するもので、胸郭上部を帯などで圧迫することで、帯より上の発汗を抑制し、代わりに帯より下の発汗が増す。ツボとしては本穴と大包を挙げるものが多いが、あまりツボに拘る必要はないかも。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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発汗調整, 足陽明胃経

屋翳(おくえい)

 

ST15)(wu1yi4)(おくえい)

【取穴】

前胸部、第2肋間、前正中線の外方四寸。

※第2肋間は、胸骨角と同じ高さの第2肋骨の下である。

【名の由来】

「屋=蓋」「翳=扇子」。本穴が膺窗の上にあり、窓の上の「ひさし」を思わせる事から。

【作用】

〔瀉〕理気安神・活絡通乳

【弁証主治】

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

【主症主治】

顔の多汗・唾の中に痰に絡んだ血が混じる

【配穴】

+膏肓〔補〕…発作的な咳嗽

【症例/個人的見解】

・首から上の汗を抑える方法として「舞妓の高帯」と呼ばれる方法がある。皮膚圧反射を利用するもので、胸郭上部を帯などで圧迫することで、帯より上の発汗を抑制し、代わりに帯より下の発汗が増す。ツボとしては本穴と大包を挙げるものが多いが、あまりツボに拘る必要はないかも。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《経外奇穴》, 発熱, 発汗調整, 筋の過緊張、こわばり, 耳疾患, 腰背部痛, 顔面神経麻痺, 原穴, 回陽九針, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 三叉神経痛, 代謝障害

合谷(ごうこく) ※腰痛点威霊(ようつうてん いれい)

 

LI4)合谷(he2gu3)(ごうこく)・虎口・含口・合骨

【取穴】

手背、第2中手骨中点の橈側。

【名の由来】

本穴が示指と母指を締めた時に肉が盛り上がる(大会する)事から。

【要穴】

『大腸原穴』

『根結:手陽明之溜』

【作用】

〔補〕補益原気

〔瀉〕清宣陽明・舒筋活絡・行気散滞・開竅醒志

【弁証主治】『四関穴』

◆大腸/胃/腎病(発汗、排泄など水分代謝の諸問題)

貧血、血液疾患(脈浮緩)・アレルギー疾患・発汗調節・黄疸・口や喉が渇く・消化器症状(便秘、下痢)・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆手陽明経(筋)病

歯痛・耳鳴、難聴・めまい・頚部の腫脹・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛〔透後渓〕など

【主症主治】

『四総穴/顔口の症状』

『馬丹陽天星十二穴/頭痛・顔の腫れ・感染性発熱疾患・鼻血・虫歯・咬い絞め』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):合谷+足三里』…腑病・胃気の病全般

『原絡配穴(大腸⇒肺):合谷+列缺』…大腸/津病〔瀉法〕

『原募配穴(手陽明経):合谷+天枢』…手陽明経病

『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+復溜…多汗〔先に合谷を瀉、次に復溜を補〕

+復溜…汗がでにくい〔先に合谷を補、次に復溜を瀉〕

+解渓…めまい・眉陵の強い痛み

+内庭…鼻血

+厲兌…下歯痛

+手三里…舌の腫瘤

+迎香…顔の腫れ・痒み

+天突…喉の痙攣

+至陰…不妊

+三陰交〔瀉〕…胎児が心窩部を衝き上げる

+右足の内踝上一寸〔灸〕…堕胎

【症例検証/個人的見解】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の対角にある臓腑経絡も主治する。すなわち本穴は、足少陰腎経の病(主に所生病)も主治とする。

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「大腸/胃/腎」をつなぐ病状として、特に水湿代謝の問題には適応と考える。

・『四総穴』での本穴の主治も、顔面部をめぐる手(大腸)足(胃)陽明経に基づくものと考える。そういう意味では頭痛には適応とは思わない。

・また、手陽明絡脈は耳に合す。また原穴は本経だけでなく絡脈の阻滞にも有効なので、耳疾患にも適用。

・肺衛、気分証、気虚などに対する常用穴。

・汗法に用いる。汗を出させすぎないよう注意。

・『四関穴(合谷/太衝)』は、穴位としての類似性はあるが、臓腑のつながりとしては遠い。個人的には、配穴ではなく、それぞれ個別に使うべきかと思う。

・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・暈鍼の救急処置穴。臨床的に、陽虚上浮証などにも有効。

・検証:得気は「後渓」、「労宮」、「魚際」、「曲池」と多方に拡散する。刺鍼方向にもよるかと。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

 

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※腰痛点 威霊(yao1tong4dian3wei1ling2)(ようつうてん いれい)・腰腿点・腰腿痛点

※経外奇穴-小児推拿方脈活嬰秘旨全書-

【取穴】

手背、第2・3中手骨間、背側手関節横紋と中手指節関節の中点。

【由来】

本穴が腰痛に高い効果を有する事から。

【主治】

ぎっくり腰・意識障害・小児のひきつけ・頭痛・耳鳴・ねちがい・頚椎症・肩関節周囲炎・手背が紅く腫れて痛む

【症例/個人的見解】

・養老と腰痛点は、急性腰痛の第一鍼として用いる事が多い。威霊は反側の脊柱際の腰痛に効果があるように感じる。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675