《アーユルヴェーダ・マルマ》, 《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 督脈, 精神疾患, 陰蹻脈, 頚神経後枝, 頭街/髄海, 血流不全、血圧異常, 小児禁鍼, 意識障害, 抜け毛、円形脱毛症, 治熱五十九兪, 中風七穴

百会(ひゃくえ)/泥丸(でいがん) ※四神聰(ししんそう)

 

GV20)百会(bai3hui4)(ひゃくえ)・泥丸・鬼門・三陽五会・嶺上・天満

【取穴】

頭部、前正中線上、前髪際の後方五寸。

※『WHO標準経穴部位』では、「前髪際と後髪際を結ぶ線上の中点の前方一寸にある陥凹部。耳を折り返したとき、両耳尖を結ぶ線の中点にある」とあるが、

※個人的には本穴は「前正中線上、矢状縫合の中点」に取穴すべきと考える。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経

・血管:後頭動脈

【名の由来】

本穴にて五経が交わる事から。

【交会】

・経絡(8):督脈-(手)足太陽経-手足少陽経-足厥陰経-(手足陽明経-陰蹻脈)

※一説には六陽経全ての交会とも。

※一説には陰蹻脈の交会とも。

・経別:第五合(手少陽の別れる処)

【作用】

〔補〕 『髄海(頭街)之兪/補髄益脳・昇陽益気・回陽固脱』

〔瀉〕 『治熱病五十九兪/清脳開竅・熄風潜陽・去風散寒・通督解痙・鼻竅温通』

【弁証主治/百病を皆治す】

◆督脈病/頭街の病/陰蹻脈病「陽緩み陰急す」

※脱証・半身不随〔透曲鬢〕・発作性の痙攣、ひきつけ・躁鬱、不安障害〔灸〕・注意欠陥多動性障害、統合失調症・健忘・自律神経失調 、嗜眠・頭痛・頭が重く、ふらふらする・視力低下、眼裏痛・肩背部痛・腰背部痛・※昌陽脈腰痛・四肢の痛み、マヒ、冷え、こわばり・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛・錐体外路系障害など

◆陽病

悪寒戦慄・悪風発熱・黄疸・多汗・出血傾向・発熱による疼痛・歯痛・口苦、口渇・顔色が黒い・皮膚の乾燥)・蕁麻疹、発疹〔瀉血〕など

◆足厥陰経病

※積聚・性欲の異常・※疝痛・泌尿器、婦人科疾患〔灸〕・更年期障害など

◆三焦病

耳鳴、難聴・喉痛・※副腎皮質機能亢進症状など

【主症主治】

鼻づまり・鼻水が止まらない〔灸〕

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

『三才穴:百会+湧泉+水溝/意識障害・昏睡』

⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+隠白…意識障害・昏睡〔瀉法〕

+絲竹空…涎をたらす

+風池〔灸法〕…発作性の痙攣・ひきつけ

+太衝…四肢の痙攣

+神庭…発熱

+顖会…嗜眠〔瀉法〕

+水溝…不安障害

+少商〔瀉血〕…鼻血〔百会は灸〕

+鳩尾…小児の脱肛〔先ず百会に灸、後に鳩尾〕

+帯脈…おりものに血や膿が混じる・子宮脱垂〔灸法〕

【私見】

・個人的には頭部の穴は頭蓋縫合に沿ってに取穴すべきと考える。

・陰蹻脈は「泥丸(百会)に通ず」とされる。一方「天門(顖会)を開く」ともされ、どちらを頭部の基準点とすべきかは、悩ましいところ。

・週一で本穴に透熱灸を据えている患者さんの話では、髪が黒くなってきたとのこと。

・第5合は、他の経別と比べ特殊な走行をとる。霊枢経別第十一での手少陽経別の記述は、手太陽経の記述と対になっている。この対が何を意味するのかは、現時点では不明。

・「陽緩み陰急す」を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・戦国時代の武将、松永弾正久秀は自害の間際、「切腹中に中風がおこり、五体がままならなくなること」を畏れ、百会に灸を据えさせたと云う。当時から脳卒中の予防穴として有名だった様子。

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・『美容と健康の鍼灸(張仁編著・浅野周訳/三和書籍)』によれば、「血圧に対してはっきりした双方向調節作用がある」とある。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

※疝気・疝…元来は腹痛を指したが、現在は色々な意味をもたせている。体腔内容物が外に突出する事の総称。ヘルニア。生殖器・睾丸・陰嚢部の病証。腹部激痛に二便不通が伴う病証。腸閉塞・腹膜炎の類etc。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に作用する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

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四神聰(si4shen2cong1)(ししんそう)・神聰

※経外奇穴-太平聖恵方-

【取穴】

頭頂部。百会の前後左右一寸。計4穴。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経

・血管:後頭動脈

【名の由来】

「神=神志」「聰=聡明」。本穴が百会の前後左右に位置し、神明を啓かにし、頭脳を明晰にする効を持つ事から。

【作用】

〔瀉〕理気降逆・醒神開竅

【弁証主治】

肝火証〔瀉血〕

【主症主治】

頭痛・眼痛・半身不随・てんかん・パーキンソン病・精神疾患・健忘・小児の多動性症候群・不眠・めまい・円形脱毛症

【配穴】

+太衝…頭痛〔四神聡は瀉血〕

【私見】

・百会と併せて用いる事が多い。

・円形脱毛症の患者に対し、頭皮の感触の違和感から四神聰様に前後左右4穴を選定し、百会に向けての横刺をして効果を得ることがあった。その時は百会の前後左右二寸強であった。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

督脈, 胸街/気海, 自律神経失調, 免疫力、抵抗力向上, 中風七穴

大椎(だいつい)

 

GV14)大椎(da4zhui1)(だいつい)・百労

【取穴】

後頚部、後正中線上、第7頚椎棘突起下方の陥凹部。

※坐位で頚部を中間位に保ったとき、後頚部で最も突出しているのが第7頚椎棘突起である。頚部の前屈により、第7頸椎棘突起を触知しやすい。

※頚部を軽く前屈し、頭部を回旋すると、第7頚椎のわずかな回旋を触れる。

※脊髄神経後枝は椎間孔の外で脊髄神経からおこり、内側および外側枝に分かれる。

内側枝は関節枝に分かれ、その高さの椎間関節とその出口の1つ下の高さの関節に分布する。

つまりそれぞれの椎間関節は2つの脊髄神経後枝(本穴はC6/7)が関係する。

【名の由来】

第七頚椎が脊柱中、一番大きく目立つ事から。

【交会】

・経絡(7):督脈-手足三陽経…「諸陽之会」

・経別:第六合(柱骨之会)(手陽明の入る処)

※原文の「柱骨之会」を、大椎ととるか缺盆ととるかは、判断が難しい。

【作用】

〔補〕益陽固表・安神健脳

〔瀉〕『気海(胸街)之兪/理気降逆・寛胸宣陽・解表散寒・駆除蒸熱・清脳醒志・活絡止痛』

【弁証主治】

◆督脈病

急性の小児のひきつけ・意識混濁・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・耳鳴、難聴・聾唖・四肢の痛み、マヒ、火照り、冷え・・サルコペニア(加齢による筋力低下)など

◆陽病

悪寒戦慄・悪風発熱・黄疸・多汗・出血傾向・発熱による疼痛・歯痛・口苦、口渇・顔色が黒い・皮膚の乾燥・蕁麻疹、発疹〔瀉血〕・※副腎皮質機能亢進症状など

◆大腸-肺病

風邪をひきやすい・嗅覚マヒ・咳嗽、喘息・喉痛、しわがれ声・排便異常〔金鍼〕・尿色の異常・頻尿・排尿障害・アレルギー疾患・脈浮など

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+中脘…熱中症

+後渓…寝汗

+長強…※疝気〔瀉法〕

+中渚…椎間板ヘルニア

【症例/個人的見解】

・一寸五分以上は刺入しないように。

・第7頚椎は構造的に、以下の胸椎にくらべて安定性が低い。そのため屈曲時に負荷がかかりやすい。

・-美容と健康の鍼灸(張仁編著・浅野周訳/三和書籍)-によれば、「本穴への電気刺激や灸刺激は、抗体の産生が増し、細網内皮系のマクロファージが活性化する」とある。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

※疝気・疝…元来は腹痛を指したが、現在は色々な意味をもたせている。体腔内容物が外に突出する事の総称。ヘルニア。生殖器・睾丸・陰嚢部の病証。腹部激痛に二便不通が伴う病証。腸閉塞・腹膜炎の類etc。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 脳、神経症状, 膝痛, 足首、足、踵痛, 足少陽胆経, 八会穴, 中風七穴

懸鐘(けんしょう)/絶骨(ぜつこつ)

 

GB39)懸鐘(xuan2zhong1)(けんしょう)/絶骨(jue2gu3)(ぜっこつ)・髄会・維会

【取穴】

下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方三寸。

・筋肉:短腓骨筋

・運動神経:浅腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経、浅腓骨神経

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

懸鐘:「懸鐘=釣鐘」。本穴の位置で筋肉に覆われていた腓骨が現れる様を釣鐘に喩えて。「鐘=種(精)」の意味もあり、本穴が髄会である事からとも。

※余談ではあるが、古代日本の銅鐸(鐘)も、一説には蛇の蛋を模したとされる。蛇は不死再生の象徴であったことなどから、「鐘=精」を結び付ける発想は古代の共通意識にあったかもしれない。

絶骨:本穴の位置で腓骨が肉に覆われ、触れなくなる事から。

【要穴】

『八会穴:髄会』

【交会】

・経絡(3):足三陽之大絡

【作用】

〔補〕補髄壮骨

〔瀉〕通暢経気・疏肝解鬱・理気止痛

【弁証主治】

◆髄/腎(骨・筋・血)病〔寒証ならば補、熱証ならば瀉〕

下垂体機能障害・※尸厥・悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・黄疸・多汗・リンパ節腫・出血傾向、貧血、血液疾患・運動機能障害、チック・痴呆・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・不眠・視力の低下・回転性めまい・耳鳴、難聴・顔色が黒い・喘息・萎縮性胃炎・腰痛・泌尿器、婦人科疾患疾患・下痢・痔・更年期障害・アレルギー疾患・自己免疫疾患・サルコペニア(加齢による筋力低下)・※脳疽など

◆足少陽経病

片頭痛・口苦・溜息・脇肋痛・皮膚の乾燥など

【主症主治】

『脚気八処之穴の八/脚気・股関節痛・下肢痛・足首痛』 

【弁証配穴】

『郄会配穴(髄):懸鐘+交信・跗陽・水泉』…髄病

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+懸鐘(間使)+曲池/半身不随』

『八会配穴(筋髄):陽陵泉+懸鐘/変形性腰椎症・腱鞘炎・捻挫』

+風池〔補〕…猫背〔懸鐘は瀉〕

+上星〔灸27壮〕…鼻血

+内庭…心窩部からお腹の張り〔瀉法〕

+風市…腰椎すべり症

【症例/個人的見解】

・足三陽経はそれぞれ血病・筋病・骨病に関係する。懸鐘は足三陽之大絡であることから、血・筋・骨の本である「髄」の治療に適している。故に髄海と呼ばれる。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

 

※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など

※脳疽・脳疽・脳後発・項中疽・対口(人面疽的な呼称)…後頭部、瘂門~大椎の間に生じる癰疽。

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神経変性疾患, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 膝痛, 致残十八穴, 陽維脈, 陽蹻脈, 足少陽胆経, 中風七穴

風市(ふうし)

 

GB31)風市(feng1shi4)(ふうし)・垂手

【取穴】

大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部に付けたとき、中指の尖端が当たる腸脛靱帯の後方陥凹部。

※やや膝を屈し、抵抗に抗して股関節を外転すると腸脛靱帯が現れる。

【名の由来】

「市=集合する」。本穴が下半身の風証に効果がある事から。

【交会】

・経絡(3):足少陽経-(陽維脈)-(陽蹻脈)

※一説には陽蹻脈・陽維脈の会とも。資料精査中

【作用】

〔瀉〕袪風利湿・温経散寒・鬱熱消散・舒筋活絡

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさなど

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・統合失調症・不眠・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のムクミ、こわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛・※舞踏病、パーキンソン症候群など

【主症主治】

『脚気八処之穴の一/脚気・坐骨神経痛・膝痛・痛風』〔灸50~100壮〕

【配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+風市(大椎)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+懸鐘…腰痛〔瀉法〕

+環跳…下肢のしびれ、マヒ

+陰市〔灸〕…坐骨神経痛

+環跳〔瀉〕…膝痛

【症例/個人的見解】

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・陽を病むと寒を生ず。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝の可動不利を招く。

 

※舞踏病…大脳中心部にある線条体尾状核の変性・脱落により生じる、進行性不随意運動(舞踏様運動)。認識力低下、情動障害の症状が現れる常染色体優性遺伝病。日本では特定疾患に認定された指定難病。

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陽維脈, 足少陽胆経, 妊婦禁鍼, 中風七穴

肩井(けんせい)

 

GB21肩井(jian1jing3)(けんせい)・膊井

【取穴】

後頚部、第7頚椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点。

・筋肉:僧帽筋/肩甲挙筋

・運動神経:《Ⅺ》副神経、頚神経叢筋枝(僧帽筋)・肩甲背神経(肩甲挙筋)

・知覚神経:鎖骨上神経

・血管:頚横動脈

【名の由来】

「井=陥凹」。本穴の位置から。

【交会】

・経絡(4):手足少陽経-足陽明経-陽維脈

※-鍼灸甲乙経-には「手少陽、陽維之会」、-鍼灸大成・聚英-には「手足少陽、足陽明、陽維之会。連入五臓」とある。

【作用】

〔補多瀉少〕通経活絡・割痰開竅

【弁証主治】

◆少陽経病

多汗・偏頭痛・耳鳴、難聴・聾唖・口苦・溜息・肩、肩胛骨痛・上肢痛、マヒ、火照り・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥・※副腎皮質機能亢進症状など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・産後の手足の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+中極…胎盤がうまくでない〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・刺入方向に注意すること。

・-玉竜歌-に、「肩井は真気の集まる処なので、補多瀉少が良い」とある。要注意。

・妊娠初期は禁忌。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, 精神疾患, 耳疾患, 脳、神経症状, 致命三十六穴, 陽維脈, 陽蹻脈, 項頚部痛, 頭痛, 足少陽胆経, 中風七穴

風池(ふうち)

 

GB20)風池(feng1chi2)(ふうち)・熱府

【取穴】

前頚部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部。

※GV16)風府と同じ高さにある。

・筋肉:頭半棘筋・頭板状筋/大後頭直筋・下頭斜筋

・運動神経:脊髄(頚)神経(頭半棘筋・頭板状筋)・後頭下神経(大後頭直筋・下頭斜筋)

・知覚神経:脊髄(頚)神経後枝

・血管:後頭動脈(深部に椎骨動脈が通る)

【名の由来】

「池=浅い溝」。風邪は「池」に好んで留まる事から、風証の治療点として。

【交会】

・経絡(4):手足少陽経-陽維脈-陽蹻脈

※鍼灸大成・聚英には「手足少陽、陽維之会」とあるが、難経二十八難・奇経八脈考には、陽蹻脈が「入風池而終」とある。

【作用】

〔瀉〕疏風解表・熄風潜陽・清脳安眠・聡耳明目

【弁証主治】

◆少陽経病

多汗・偏頭痛・耳鳴、難聴・聾唖・口苦・溜息・肩、肩胛骨痛・上肢痛、マヒ、火照り・脇肋痛・足首痛・※癭気・皮膚の乾燥、発疹・※副腎皮質機能亢進症状など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・四肢の冷え・胸苦しさなど

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

※脳風〔灸〕・てんかん、意識障害・統合失調症・睡眠障害・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・視力低下、眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のこわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛・パーキンソン症候群など

【主症主治】

急性の痛み、めまい・三叉神経痛・顔面神経マヒ・項頚部のこわばり、可動不利

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+百会…発作性の痙攣・ひきつけ(てんかん発作など) 〔灸法〕

+印堂…めまい

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

・繆刺を多用。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「krkatika(頚関節/骨のマルマ)」と呼ばれ、頚の可動不利に治効があるとされる。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。頚椎損傷。

 

※癭気(癭瘤)…肩項などに生じる腫瘤。色紅突出・皮膚弛緩・根本下垂。刀鍼などで軽々しく破ってはならない(出血が止まらない時がある)。

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 脳、神経症状, 頭痛, 足少陽胆経, 三叉神経痛, 中風七穴

曲鬢(きょくびん)

GB7)(qu3bin4)(きょくびん)・曲髪

【取穴】

頭部、もみあげ後縁の垂線と耳尖の水平線の交点。

※個人的には本穴は「Pterion(前頭骨、側頭骨、頭頂骨、蝶形骨大翼のH字型の縫合集合)」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

「鬢=側頭部の髪」。本穴が側頭部にあり、足少陽経が此所から方向を変える事から。

【交会】

・経絡(2):足少陽経-足太陽経

【作用】

〔瀉〕通関開竅・清熱散風

【弁証主治】

◆足少陽経病

偏頭痛 〔灸・巨刺〕・口苦・溜息・脇肋痛・皮膚の乾燥など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

パニック症候群・意識障害、小児のひきつけ・運動性失語(言葉の意味は理解できるが意味のある言語発生ができない)・三叉神経痛・顔面神経マヒ(眼瞼下垂)・顔面の痙攣

【配穴】

『中風七穴:百会+曲鬢(風池)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+衝陽…歯痛(三叉神経痛)〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・頭皮針標準治療線14本の内、頂颞後斜線(百会から曲鬢を結んだライン、左右各1本)と颞後線(曲鬢から率谷を結んだライン、左右各1本)の基準穴。

・個人的には頭部の穴は頭蓋縫合に沿って取穴すべきと考える。

・位置的には、経頭蓋ではあるが脳の運動性言語野に近い。古典にも失語に関する主治があるので、運動性失語には試してみるべきか。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「sankha(こめかみ/骨のマルマ)」と呼ばれ、意識障害に治効があるとされる。

・また、アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・曲鬢〔透角孫〕で、「眠れなくなった」との訴えが数例あり(いずれも女性)。ホルモン系になんらかの影響がでるか?生理周期に伴う頭痛の患者には控えた方が良いかもしれない。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 手厥陰心包経, 中風七穴

間使(かんし)

 

PC5)間使(jian1shi3)(かんし)・鬼路(gui3lu4)(きろ)・鬼営(gui3ying2)(きえい)

【取穴】

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方三寸。

※こぶしを作り、手関節を回外して肘関節を軽く屈曲すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。

※PC7)大陵の上方三寸にある。

※長掌筋腱が不明瞭な場合は、橈側手根屈筋腱の内側に取る。

【名の由来】

君(心)-相(肺)間を行き来する使令(使者)の如き役割をする事から。

【要穴】

『手厥陰経経金穴(火経金穴/火克金)』

【作用】

〔瀉〕心絡通暢・寛胸理気・駆邪散滞・袪痰開竅・養心安神

【弁証主治】

◆心肺両虚証「喘咳寒熱を治す/火克金」

悪寒発熱〔熱が強ければ瀉し、寒が強ければ補す/灸30壮〕・咳嗽、喘息・呼吸困難・胸痛、胸苦しさなど

◆手厥陰経病

躁鬱、不安障害・失語症・統合失調症・黄疸・顔の炎症・腋窩リンパ節腫・乳腺炎・肘痛、上腕の痙攣やこわばり・掌の火照りなど

【主症主治】

生理で瘀塊がでる・おりものの不調〔灸30壮〕

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+足三里…発熱悪寒

+天鼎…難聴

+三間…梅核気

【症例/個人的見解】

・十三鬼穴の第九穴(針灸大成では『労宮』としている)。精神疾患に著効。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 精神安定、リラックス, 総腓骨神経, 脛街/血海, 致残十八穴, 風邪、呼吸器疾患, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 免疫異常, 各種依存症, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 回陽九針, 小児禁灸, 心療内科的症状, 慢性疲労、虚弱体質, 更年期障害, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 深腓骨神経, 中風七穴

足三里(あしさんり) ※闌尾(らんび)

ST36)足三里(zu2san1li3)(あしさんり)・下陵(xia4ling2)(げりょう)・鬼邪・中兪髎

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方三寸。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

※足三里~解渓は足首を背屈して取ると良い。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経膝蓋下枝 Infrapatellar branch of Saphenous nerve

※本穴は伏在神経膝蓋下枝の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

「里=集まる」。本穴が犢鼻の下三寸にある事から。(本穴が三部三焦の疾患を治療できるところからとも

【要穴】

『足陽明経合土穴/胃下合穴(土経土穴/土気の強い穴)』

『根結:足陽明之注』

【作用】

〔補〕『補中益気・脾胃温補・調和気血』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/瀉火・清瀉胃熱』

〔通〕『水穀之海之兪/和胃通腸・去痰導滞』

【弁証主治/諸病皆治す―秦承祖-】

◆心包熱証 「土経土穴/火生土/実すれば其の子を瀉す」「逆気而泄を治す」

各種依存症・緊急反応(※副腎髄質機能亢進・脈浮洪など)・免疫異常(黄疸・リンパ節腫・喉痛)など

◆足陽明経(筋)病

耳鳴、難聴・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張など

【主症主治:脛街/血海の病】

『四総穴:腹部の症状/腹痛、胃の冷え、ひどい下痢、その他消化器疾患』

『馬丹陽天星十二穴/胸やけ、胃もたれ・大腿や膝の炎症、痛み・風邪の後の痩せ、その他』

『脚気八処之穴の五/脚気〔灸100壮〕・下肢の筋力低下・足腰のむくみと冷え』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):足三里+合谷』…腑病・胃気の病全般

『募合配穴(胃):中脘+足三里(+四縫穴・豊隆)』…食積胃脘証・胃寒証

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(経筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+間使…発熱悪寒

+水溝…意識障害

+肝兪〔補〕…立ちくらみ〔先補後瀉〕〔足三里は瀉〕

+気海…息切れ

+太白…喘息 〔先に三里を取り、後に太白を取る〕

+少衝〔瀉〕…母乳が出にくい・急性乳腺炎

+下脘…胃のひきつれ・嘔吐・しゃっくり〔瀉法〕

+中脘…胃炎

+期門…※霍乱〔瀉法。中脘は深く刺して良し〕

+内庭…細菌性の下痢

+支溝〔補〕…便秘

+陰陵泉…排尿障害・尿が濁る

+腕骨…急性の強い腰痛、股関節痛

右足三里+左内関…心療内科的症状〔肝気犯胃なら中脘を、鬱熱なら梁門を加える〕

【私見】

・本穴は特に「諸病皆治」とされる。 土経土穴(中央)という意味合いと、実際の臨床での汎用性の高さからかと思うが、特に『四総穴』『天星十二穴』に特記されるような胃腸症状、および『脚気八処』に挙げられる下肢の症状には効果が高い。

・土陽経の土穴は全経穴中、最も土陽性が強い。そういう意味では火性(心包・血脈・各種依存症など)に対する瀉法にも応用できるのではないだろうか?

・また土穴は中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。つまり原穴同様、子午の表裏である手厥陰心包経の病にも適用可能。陽証全般に適用かと思われる。

・和漢三才図会に、「小児は禁灸、三十才以後は努めて灸すべし」とある。

・中国では『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・気胸、暈鍼の救急穴。

・適度刺激での胃腸運動の促進作用が確認されている(極強刺激では抑制)-森秀太郎-

・徒然草(吉田兼好)には灸の記述も多い。一四八段には「四十以後の人、身に灸を加え三里を焼かざれば上気のことあり(40過ぎたら三里に灸せぇ。しないと逆上せが始まるぞ)」とあるが、更年期障害の予防としての三里灸は実際にも効果が高い。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により足に力が入らなくなる。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

 

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闌尾(lan2wei3)(らんび)・闌尾穴

※経外奇穴

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻の下方五寸。脛骨前縁から一横指外側。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝) Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経 Saphenous nerve

※本穴は伏在神経の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

本穴が虫垂炎に著効がある事から。

【主治】

虫垂炎・五十肩・胃痛・未消化便・下肢のマヒ

【配穴】

+肘尖〔灸〕…虫垂炎

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

アレルギー疾患, 発熱, 眼疾患, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 外側前腕皮神経, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 橈骨神経, 中風七穴

曲池(きょくち)

LI11)曲池(qu1chi2)(きょくち)・鬼臣(gui3chen2)(きしん)・鬼腿(gui3tui3)(きたい)・陽澤・目灸

【取穴】

肘外側、LU5)尺澤と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。

・筋肉:長橈側手根伸筋/短橈側手根伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈側反回動脈

※肘を十分に屈曲したとき、肘窩横紋上外端の陥凹部にある。

【名の由来】

「曲=曲げる」「池=陥凹」。肘を曲げた時に、この位置に陥凹ができる事から。

【要穴】

『手陽明経合土穴(金経土穴/土生金/自経母穴)』

『標本:手陽明之本(肘骨)』

【交会】

・経筋:手陽明経筋の結する処(肘外)

【作用】

〔補〕調和気血・温経散寒

〔瀉〕気血宣通・解熱消炎・清熱陽明・舒筋活絡

【弁証主治】

◆大腸/胃/腎病「逆気而泄を治す/虚すれば其の母を補う」

胃腸障害(虚弱・萎縮性胃炎・下痢・便秘・血便・脱肛・口渇など)

アレルギー疾患(鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎など

サルコペニア(加齢性の腰痛〔得気が得られた段階で抜く。置鍼は必要ない〕)・視力低下・歯痛など

◆手陽明経(筋)病

項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、悪寒〔灸7壮〕、炎症・第2指痛など

【主症主治】

『馬丹陽天星十二穴/熱性疾患(頚部リンパ節腫・帯状疱疹・出血傾向)・嚥下困難・肘痛・上肢のマヒなど』

【弁証配穴】

『募合配穴(大腸):上巨虚・曲池+天枢』…大腸実証〔瀉法〕

『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(手陽明経筋)病

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+少衝…発熱

+陽陵泉…半身不随・四肢の痙攣

+水溝〔瀉〕…猫背〔曲池は補〕

+肩井…頚部リンパ節腫

+丘墟〔透照海〕…胆嚢炎

+血海…アレルギー性の蕁麻疹・皮膚の痒み

【私見】

・土穴には中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。 つまり原穴同様、子午の表裏である足少陰腎経の病にも適用可能。

・個人的には原穴同様、【臓腑複合連関】でつながる「胃/大腸/腎」の複合的疾患に適応と考える。

・去風退熱の要穴。また十三鬼穴の第十二穴。精神疾患に著効とあるが、発熱が前提であることを考慮すべし。

・背に灸する時は、過度の上逆を抑える為に同時に曲池にも灸をすること。

・検証:得気は肘全体に響く。浅層で腕橈骨筋に自律性攣縮あり。中層で『臂臑』と『陽渓』の両方向へ、深層では逆に響きが消える感じ。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675