ストレス/不安障害、パニック障害, 精神安定、リラックス, 心、循環器疾患, 標準耳穴

心(しん) 

 

CO15)(xin1)(しん)(heart)

【取穴】

耳甲腔正中陥凹部。

【主治】

心痛(狭心症)・心房細動・不整脈・無脈症・神経衰弱・ヒステリー・口内炎

【症例/個人的見解】

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, 《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 督脈, 精神疾患, 陰蹻脈, 頚神経後枝, 頭街/髄海, 血流不全、血圧異常, 小児禁鍼, 意識障害, 抜け毛、円形脱毛症, 治熱五十九兪, 中風七穴

百会(ひゃくえ)/泥丸(でいがん) ※四神聰(ししんそう)

 

GV20)百会(bai3hui4)(ひゃくえ)・泥丸・鬼門・三陽五会・嶺上・天満

【取穴】

頭部、前正中線上、前髪際の後方五寸。

※『WHO標準経穴部位』では、「前髪際と後髪際を結ぶ線上の中点の前方一寸にある陥凹部。耳を折り返したとき、両耳尖を結ぶ線の中点にある」とあるが、

※個人的には本穴は「前正中線上、矢状縫合の中点」に取穴すべきと考える。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経

・血管:後頭動脈

【名の由来】

本穴にて五経が交わる事から。

【交会】

・経絡(8):督脈-(手)足太陽経-手足少陽経-足厥陰経-(手足陽明経-陰蹻脈)

※一説には六陽経全ての交会とも。

※一説には陰蹻脈の交会とも。

・経別:第五合(手少陽の別れる処)

【作用】

〔補〕 『髄海(頭街)之兪/補髄益脳・昇陽益気・回陽固脱』

〔瀉〕 『治熱病五十九兪/清脳開竅・熄風潜陽・去風散寒・通督解痙・鼻竅温通』

【弁証主治/百病を皆治す】

◆督脈病/頭街の病/陰蹻脈病「陽緩み陰急す」

※脱証・半身不随〔透曲鬢〕・発作性の痙攣、ひきつけ・躁鬱、不安障害〔灸〕・注意欠陥多動性障害、統合失調症・健忘・自律神経失調 、嗜眠・頭痛・頭が重く、ふらふらする・視力低下、眼裏痛・肩背部痛・腰背部痛・※昌陽脈腰痛・四肢の痛み、マヒ、冷え、こわばり・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛・錐体外路系障害など

◆陽病

悪寒戦慄・悪風発熱・黄疸・多汗・出血傾向・発熱による疼痛・歯痛・口苦、口渇・顔色が黒い・皮膚の乾燥)・蕁麻疹、発疹〔瀉血〕など

◆足厥陰経病

※積聚・性欲の異常・※疝痛・泌尿器、婦人科疾患〔灸〕・更年期障害など

◆三焦病

耳鳴、難聴・喉痛・※副腎皮質機能亢進症状など

【主症主治】

鼻づまり・鼻水が止まらない〔灸〕

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

『三才穴:百会+湧泉+水溝/意識障害・昏睡』

⇒膻中⇒玉堂…注意欠陥多動性障害、統合失調症など(熱い精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。百会⇒膻中⇒玉堂の順に施灸していく。順番が大切らしい〕

+隠白…意識障害・昏睡〔瀉法〕

+絲竹空…涎をたらす

+風池〔灸法〕…発作性の痙攣・ひきつけ

+太衝…四肢の痙攣

+神庭…発熱

+顖会…嗜眠〔瀉法〕

+水溝…不安障害

+少商〔瀉血〕…鼻血〔百会は灸〕

+鳩尾…小児の脱肛〔先ず百会に灸、後に鳩尾〕

+帯脈…おりものに血や膿が混じる・子宮脱垂〔灸法〕

【私見】

・個人的には頭部の穴は頭蓋縫合に沿ってに取穴すべきと考える。

・陰蹻脈は「泥丸(百会)に通ず」とされる。一方「天門(顖会)を開く」ともされ、どちらを頭部の基準点とすべきかは、悩ましいところ。

・週一で本穴に透熱灸を据えている患者さんの話では、髪が黒くなってきたとのこと。

・第5合は、他の経別と比べ特殊な走行をとる。霊枢経別第十一での手少陽経別の記述は、手太陽経の記述と対になっている。この対が何を意味するのかは、現時点では不明。

・「陽緩み陰急す」を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・戦国時代の武将、松永弾正久秀は自害の間際、「切腹中に中風がおこり、五体がままならなくなること」を畏れ、百会に灸を据えさせたと云う。当時から脳卒中の予防穴として有名だった様子。

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・『美容と健康の鍼灸(張仁編著・浅野周訳/三和書籍)』によれば、「血圧に対してはっきりした双方向調節作用がある」とある。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

※疝気・疝…元来は腹痛を指したが、現在は色々な意味をもたせている。体腔内容物が外に突出する事の総称。ヘルニア。生殖器・睾丸・陰嚢部の病証。腹部激痛に二便不通が伴う病証。腸閉塞・腹膜炎の類etc。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に作用する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

―――――――――――――――

四神聰(si4shen2cong1)(ししんそう)・神聰

※経外奇穴-太平聖恵方-

【取穴】

頭頂部。百会の前後左右一寸。計4穴。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経

・血管:後頭動脈

【名の由来】

「神=神志」「聰=聡明」。本穴が百会の前後左右に位置し、神明を啓かにし、頭脳を明晰にする効を持つ事から。

【作用】

〔瀉〕理気降逆・醒神開竅

【弁証主治】

肝火証〔瀉血〕

【主症主治】

頭痛・眼痛・半身不随・てんかん・パーキンソン病・精神疾患・健忘・小児の多動性症候群・不眠・めまい・円形脱毛症

【配穴】

+太衝…頭痛〔四神聡は瀉血〕

【私見】

・百会と併せて用いる事が多い。

・円形脱毛症の患者に対し、頭皮の感触の違和感から四神聰様に前後左右4穴を選定し、百会に向けての横刺をして効果を得ることがあった。その時は百会の前後左右二寸強であった。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 督脈, 禁灸穴, 脳、神経症状, 頚神経後枝

強間(きょうかん)

GV18強間(qiang3jian1)(きょうかん)・大羽

【取穴】

頭部、後正中線上、後髪際の上方四寸。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経(C2後枝)

・血管:後頭動脈

※GV17)脳戸の上方一寸五分の陥凹部にある。

※個人的には本穴は「Lambda(Λ縫合と矢状縫合の交点・小泉門部)」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

「強=強固な骨…頭蓋骨」。本穴が頭蓋Λ縫合間にある事から。

【作用】

〔瀉〕醒脳開竅・舒筋活絡

【弁証主治】

◆督脈病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・膝、四肢の冷えなど

【私見】

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《経外奇穴》, うつ病(寡動性精神疾患), ストレス/不安障害、パニック障害, 督脈, 精神安定、リラックス, 胸神経後枝, 腰背部痛, 風邪、呼吸器疾患, 心、循環器疾患, 代謝障害

霊台(れいだい) ※張介賓四華穴(ちょうかいひんしかけつ)

 

GV10)霊台(ling2tai2)(れいだい)・六椎

【取穴】

上背部、後正中線上、第6胸椎棘突起下方の陥凹部。

・筋肉:棘上靭帯・棘間靭帯

・知覚神経:脊髄(胸)神経後枝

・血管:肋間動脈背枝

※脊髄神経後枝は椎間孔の外で脊髄神経からおこり、内側および外側枝に分かれる。

内側枝は関節枝に分かれ、その高さの椎間関節とその出口の1つ下の高さの関節に分布する。

つまりそれぞれの椎間関節は2つの脊髄神経後枝(本穴はT5/6)が関係する。

※マッケンジー胸椎圧診点(胆石疝痛・胆道疾患の診断点)に近い。

※Th7~11は、肝臓・胆嚢の内臓体性知覚反射部位に相当。

【名の由来】

「霊=心」「台=台座」。本穴内部に心-横隔膜の接点がある事から。

※同名の古代の星座(三星)からとも。

【作用】

〔瀉〕清熱化痰

【弁証主治】

◆督脈病

躁鬱(頭が重く、ふらふらする)・ストレス、不安障害、パニック障害・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒など

【主症主治】

循環器系の代謝障害(四肢の冷え、ムクミ・腹痛など)・肋間神経痛・肋膜炎

【主症配穴】

+身柱…小児喘息〔灸法〕

陶道⇒神道⇒霊台…うつ病(冷たい精神疾患)〔灸:チベット医学の技法。陶道⇒神道⇒霊台の順に一週間の間をおきながら施灸するという〕

【私見】

・古典には「禁鍼穴」とある。気胸の不安からか?

・第6胸椎より下部の椎骨は、胸腰筋膜によって安定するが第6胸椎は安定しない。

・実際の解剖では、胸椎椎体のやや左前面を下行大動脈が通行する。下行大動脈は第12胸椎の高さで横隔膜(大動脈裂孔)を貫き、腹大動脈へと名を変える。

 

―――――――――――――――

 

※張介賓四華穴(zhang1jie4bin1si4hua2xue2)(ちょうかいひんしかのけつ):ほぼ霊台・膈兪×2・筋縮

【取穴】

乙紐:患者の口を閉じさせ、右口角~鼻中隔下端~左口角までの長さの紐。

丙紐:紐の中点を大椎に当てて頚に掛け、紐の両端をそろえて前胸部に下垂し、鳩尾穴にいたるまでの長さの紐。

丙紐の中点を甲状軟骨の上に当てて背部に回し、脊柱上の紐の尽きる所に仮点Bとする。仮点Bに乙紐の中央を当てて、上下左右に計4穴、十字型に取穴する。

【主治】

呼吸器・心疾患

【私見】

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

ストレス/不安障害、パニック障害, バランス向上, 神経変性疾患, 致命三十六穴, 陰維脈, 足太陽経筋, 足少陰経筋, 手少陽経筋, 任脈

廉泉(れんせん)/舌本(ぜつほん)

 

CV23)廉泉(lian2quan2)(れんせん)・舌本(she2ben3)(ぜっぽん)・ 本池

【取穴】前頚部、前正中線上、喉頭隆起上方、舌骨の上方陥凹部。

※頚部を軽く屈曲すると、下顎骨と甲状軟骨の間に舌骨隆起を触れる。

【名の由来】「廉=辺り」。本穴内部に舌根があり、此所が津液が泉の様に溢れ出る場所である事から。

【要穴】

『標本:足太陰之標』

『根結:足少陰之結』

【交会】

・経絡(2):任脈-陰維脈

・経筋:足太陽経筋-手少陽経筋の結す処(舌本)

【作用】

〔補〕補益舌本・生津潤燥

〔瀉〕舌絡通調・壅腫消散・清熱化痰・通利咽膈

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆陰維脈病「心痛に苦しむ」

心痛、心窩部痛・激しい動悸、胸苦しさ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・梅核気〔刺鍼1分・灸3壮〕・しゃっくり・脇下のつかえ・腰背部痛など

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・胃腸虚弱・婦人科疾患・萎縮性舌炎、舌のこわばり・嚥下困難・脈浮緩など

◆足少陰経筋病

てんかん発作・下肢~足底のひきつれ・錐体外路系障害など

◆足太陽経筋病

項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆手少陽経筋病

上肢痛、ひきつれなど

【主症主治】流行性耳下腺炎・扁桃腺炎・咽頭炎

【主症配穴】

+中衝…舌下の炎症・舌瘡

【症例/個人的見解】

・足陰経における根結では、『結』は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足少陰)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

・足少陰経筋の病-仲秋痺-は「此筋折紐、紐発数甚者、死不治」とある。個人的には錐体外路系の変性疾患を思わせる。

・梅核気の治療で著効があったことがある。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。気道の損傷。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
ストレス/不安障害、パニック障害, 致命三十六穴, 募穴「瀉実」, 心(循環器系), 意識障害, 任脈

巨闕(こけつ)

 

CV14)(ju4que1)(こけつ)・心募

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方六寸。

【名の由来】

「巨=大きな」「闕=宮中」。本穴が心募穴であり、君主之官たる心の脈気が此所に集まる事から。

【要穴】

『心募穴』

【作用】

〔補〕安神寧心

〔瀉〕寛胸止痛

【弁証主治】

◆心病

睡眠障害・健忘・被害妄想・妄言・狭心症 〔灸7壮〕・掌の火照り・臍上の強い拍動・脈浮洪・11:00~13:00あるいは23:00~01:00の異常など

◆胆病

貧血、血液疾患・几帳面な性格、イライラして怒りやすい・偏頭痛など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり、※奔豚・痔・糖尿病など

【主症主治】

※尸厥・※蠱毒・回虫症

【弁証配穴】

『兪募配穴(心):巨闕+心兪』…心病

『原募配穴(心):神門+巨闕』…心病

『原募配穴(手少陰経):巨闕+神門』…手少陰経病

【主症配穴】

+神門…躁鬱

+陽陵泉…全身の筋肉のこわばり〔瀉法〕

+膻中…心窩部痛

【症例/個人的見解】

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。横隔膜の損傷。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック障害に似る。

※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

※蠱毒…古代の毒薬の一種。またはそれに当たって起こる急性重篤症状。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
 048-851-9675

ストレス/不安障害、パニック障害, 脾(膵), 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 八会穴, 募穴「瀉実」, 帯脈, 代謝障害

章門(しょうもん)

 

LR13)章門(zhang1men2)(しょうもん) ・季脇・長平・脇髎・肋髎・肘尖・後章門・脾募

【取穴】

側腹部、第11肋骨端下縁。

※側臥し肩関節を屈曲して定める。第11肋骨端は肋骨弓下縁の下方で触知できる。

【名の由来】

「章=明らか」。本穴より五臓の気血が出入し、臓病に明らかな著効を示す事から。

【要穴】

『脾募穴』

『八会穴/臓会』

【交会】

・経絡(3):足厥陰経-足少陽経-帯脈の起する処

※鍼灸甲乙経では足厥陰-足少陽の会としている。

【作用】

〔瀉〕疏調肝脾・清熱利湿・活血化瘀

【弁証主治】

◆脾(五臓)病

貧血、血液疾患・不安障害、※奔豚・嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・不妊・泌尿器、婦人科疾患・脈浮緩・大病後のむくみ〔灸〕など

◆足厥陰経病

多汗・喉がひどく渇く・性欲の異常など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆帯脈病「腹満、腰溶溶として水中に坐している如し」

腹張・腰~側腹部痛、痙攣・サルコペニア(加齢による筋力低下)・下脱症状・過敏性腸症候群など

【弁証配穴】

『郄会配穴(臓):章門+養老・筑賓』…臓病

『兪募配穴(脾):章門+脾兪』…脾病

『原募配穴(足太陰経):章門+太白』…足太陰経病

【主症配穴】

+不容…胸脇痛

+然谷…※石水〔瀉法〕

+次髎…腰痛〔瀉法〕

+気海…下半身の冷え・むくみ〔灸法〕

【症例/個人的見解】

・痿証(筋力低下)の治療には、陽明経を主に、衝脈・帯脈・督脈との関係を考慮しながら配穴すると良い。

・帯脈は腰腹部内外の安定に関与し、その病証は特に様々な「下脱」として現れる。その中には内臓下垂・子宮脱・陰嚢ヘルニア・脱肛などの臓器下脱から、おりものの不調・不正出血・遺精・尿漏れ・下痢などの機能的漏脱も含まれる。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。内臓、特に腎臓の損傷。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

※石水…水腫病の一種。肝腎の陰寒により水気が下焦に凝聚し、脇腹が肥大して硬くなる事。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675

ストレス/不安障害、パニック障害, 脛骨神経, 脳、神経症状, 腰背部痛, 衝脈, 足厥陰経筋, 足厥陰肝経, 兪(土/木)穴「体重節痛を治す」, 原穴, 各種依存症, 深腓骨神経, 代謝障害

太衝(たいしょう)

 

LR3太衝(tai4chong1)(たいしょう)・大衝

【取穴】

足背、第1・第2中足骨間、中足骨底接合部遠位の陥凹部、動脈拍動部。

※前脛骨動脈幹が弓状動脈を形成する分岐部にあたる。

※第1・第2中足骨底部に向かって擦上したときに、陥凹部にある。

・筋肉:第1背側骨間筋

・運動神経:外側足底神経(脛骨神経の枝)

・知覚神経:深腓骨神経

・血管:第1背側中足動脈

【名の由来】

「太衝=大きな要衝」。本穴が足厥陰経の原穴であり、旺盛な気血がめぐる事から。

※「太衝」には穴名以外に、「内踝の上、足三陰の交わる処(太渓・復溜・交信・三陰交・筑賓・陰谷の6穴の総称…6穴については諸説あり)」という意味もある。

【要穴】

『肝原穴』

『足厥陰経兪土穴(木経土穴/木克土)』

【交会】

・経絡(2):足厥陰経-衝脈 ※一説には衝脈との交会とも。

・経別(第二合):足厥陰の別れる処(跗上)

【作用】

〔補〕補養肝血・補益原気

〔瀉〕『四関穴/疏肝理気・平肝熄風・熄風潜陽・散寒理気・疏筋活絡』

【弁証主治】『四関穴』

◆肝/心包(小腸)病

血液疾患(黄疸)・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・※奔豚(激しい動悸・脈浮洪・呼吸困難・しゃっくり、げっぷ・吐き気・脇肋の不快感)・摂食障害(過食症・拒食症)・眼痛・耳鳴、難聴・臍左の強い拍動・過敏性腸症候群・下血・便秘・痔・手足の火照り・01:00~03:00あるいは13:00~15:00の異常など

◆足厥陰経(筋)病「体重節痛を治す/肝主筋」

性欲の異常、EDあるいは勃起の異常継続・陰部の痒み・下腿内側~内股のひきつれ・内踝前の痛み・足母指痛・筋力低下、筋肉がつりやすいなど

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が縮んだように感じる〔補〕

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

痴呆・自律神経失調、更年期障害・泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎など

【主症主治】

『馬丹陽天星十二穴/てんかん発作・チック・視野障害・梅核気、呼吸困難・腰痛・股関節痛、鼠径ヘルニア・下肢マヒ』

【弁証配穴】

『兪原配穴(肝):肝兪+太衝』…肝血虚証〔補法〕

『原絡配穴(肝⇒胆):太衝+光明』…肝所生病

『原募配穴(足厥陰経):太衝+期門』…足厥陰経是動病

『二原配穴(心肝):太衝+腕骨』…心肝火旺証〔瀉法〕

『二原配穴(心肝):太衝+大陵』…心肝血虚証〔補法〕

【主症配穴】

+百会…めまい・四肢の痙攣

+四神聡…頭頂部痛

+行間…頬の痙攣

+然谷…腹部の打撲、内出血〔然谷、太衝付近の静脈から瀉血〕

+大敦…陰部のひきつれ・腫脹

+関元…虫下し〔太衝は瀉〕

+中封…足がひきつれて、うまく歩けない〔爪を使う強指圧でも可〕

【私見】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の対角にある臓腑経絡も主治する。すなわち本穴は、手太陽小腸経の病(主に所生病)も主治とする。

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「肝/心包/小腸」をつなぐ病状として、心因性の胃腸障害・性欲、食欲の異常亢進などには適応と考える。

・『四関穴(合谷/太衝)』は、穴位としての類似性はあるが、臓腑のつながりとしては遠い。個人的には、配穴ではなく、それぞれ個別に使うべきかと思う。

・太衝之脈の有無で生死(予後)の判断をしたと言う。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675