経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 指、手、手首痛

陽渓(ようけい)

 

LI5)陽渓(yang2xi1)(ようけい)・中魁(zhong1kui2)(ちゅうかい)

【取穴】

手関節外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部。

※タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部は、長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間、母指を十分に外転、伸展するときにできる。

【名の由来】

本穴が陽経に在り、母指を外転すると浮き出る事から。

【要穴】

『手陽明経経火穴(金経火穴/火克金)』

『根結:手陽明之注』

【交会】

・経筋:手陽明経筋の結する処(腕=手首)

【作用】

〔補〕補益衛気

〔瀉〕瀉火護金・清瀉陽明・疏筋利節

【弁証主治】

◆温病気分証「喘咳寒熱を治す」

大熱悪熱・大汗・大渇・眼痛・鼻血・咳嗽・痰多・喉痛・頚部リンパ節腫・嚥下困難・胸苦しさ・尿赤・便秘・舌紅苔黄燥・脈洪数大など

◆陽明熱証「火克金」

てんかん・統合失調症・めまい・耳鳴・痔など

◆手陽明経(筋)病

頭痛・歯痛・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・肘痛・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・腱鞘炎、第2指痛など

【配穴】

+二間…歯痛・腰痛・喉の炎症

+後渓…痔

+肩髃…風疹

【症例/個人的見解】

・検証:得気は緩やかに「曲池」へ響く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

広告
《経外奇穴》, 発熱, 眼疾患, 禁灸穴, 手太陰経筋, 手太陰肺経, 指、手、手首痛, 榮(火/水)穴「身熱を治す」

魚際(ぎょさい) ※鳳眼(ほうがん)

LU10)魚際(yu2ji4)(ぎょさい)

【取穴】

手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際。

【名の由来】

本穴位が魚の腹の様であり、また赤白肉の「際」に位置する事から。

【要穴】

『手太陰経榮火穴(金経火穴/火克金)』

【交会】

・経筋:手太陰経筋の結する処

【作用】

〔補〕滋陰清熱

〔瀉〕清泄肺熱・宣肺止咳・咽喉清利・舒筋活絡

【弁証主治】

◆肺実熱証「身熱を治す/火克金」

悪寒戦慄を伴う発熱・リンパ節腫・喉の炎症・急性乳腺炎・のぼせ・掌の火照りなど

◆手太陰経(筋)病

呼吸器の虚弱・自律神経失調・咳嗽、喘息・吐血・上肢痛、ひきつれ・肘痛・ばね指・両手を交えてもだえる・臍右の強い拍動・脈浮など

【配穴】

+液門…喉が渇いて痛む〔瀉法〕

+照海…喉が渇いて痛む〔補法〕

+委中…片側の脇から背中へのひきつれ

【症例/個人的見解】

・「禁灸穴」とある。

・診断点として有効。魚際の細絡が青ければ胃寒、赤ければ胃熱、黒ければ久痺。赤青黒が混じっていると寒熱が入り混じっていて、点状に青くなっていると気虚。

・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。本穴も手太陰経筋上の化膿性筋炎などには効果的と考える。

・検証:得気は鋭く「小商」と「陽渓」へと走る。

 

―――――――――――――――――

鳳眼(feng4yan3)(ほうがん)

※経外奇穴-肘後備急方-

【取穴】

母指指節関節横紋橈側端。母指を屈曲して取穴。

【作用】

〔瀉〕通眼開竅

【名の由来】

「鳳=鳳凰」。掌を広げ、母指以外の四指を鳳凰の翼に見立てた時、本穴がちょうど鳳凰の眼の位置にくる事から。

【主治】

眼疾患・腱鞘炎

【症例/個人的見解】

・検証:得気はわずかに「曲池」にとどくか?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

致命三十六穴, 風邪、呼吸器疾患, 兪(土/木)穴「体重節痛を治す」, 八会穴, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 原穴, 慢性疲労、虚弱体質, 手太陰経筋, 手太陰肺経, 指、手、手首痛

太淵(たいえん)

 

LU9)太淵(tai4yuan1)(たいえん)・鬼心(gui3xin1)(きしん)・太泉

【取穴】

手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部。

※手関節掌側横紋の橈側、橈骨動脈上。

【名の由来】

「太=大」「淵=深い水溜り」。経渠からの流れが全て本穴に集う事から。

【要穴】

『手太陰経兪土穴(金経土穴/土生金/自経母穴)』

『肺原穴』

『標本:手太陰之本』

『八会穴:脈会』

【作用】

〔補〕補中益肺

〔瀉〕清肺宣肺・疏理肺気・清熱解熱

【弁証主治】

◆肺/太陽病(表証・風邪)「虚すれば其の母を補う」

悪寒戦慄を伴う発熱(脈浮緩・両手を交えてもだえる・排尿痛)・発熱による疼痛(頭痛)・咳嗽、喘息・不眠・顔色が黒い・痔・臍右の強い拍動など

 

◆肺/脾病

貧血(脈沈遅)・不眠、自律神経失調・不安障害・呼吸器の虚弱・胃腸虚弱、萎縮性胃炎、※積聚・軟便・泌尿器、婦人科疾患・部位のはっきりしない疼痛など

◆手太陰経(筋)病「体重節痛を治す」

呼吸困難・げっぷ・吐血・肩背部痛・上肢痛、ひきつれ・肘痛・腱鞘炎・母指、第2指痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(脈):太淵+郄門・孔最』…脈病

『兪原配穴(肺):肺兪+太淵』…肺虚証〔補法〕

『原絡配穴(肺⇒大腸):太淵+偏歴』…肺病

『原募配穴(手太陰経):太淵+中府』…手太陰経病

『原合配穴(手太陰経):太淵+尺澤』…手太陰経筋病

『二原配穴(肺/脾):太淵+太白』…肺脾気虚〔補法〕

『二原配穴(肺/膀胱):太淵+京骨』…腎不納気証(尿漏れなど)〔補法〕

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

+列缺〔瀉〕…胸痛・痰がからんだ咳・頭痛〔繆刺〕

【症例/個人的見解】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の対角にある臓腑経絡も主治する。すなわち本穴は、足太陽膀胱経の病(主に所生病)も主治とする。

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「肺/膀胱」をつなぐ病状として、表証=風邪など感染性疾患全般、「肺/脾」をつなぐ病状として虚弱体質などには適応と考える。

・肺・衛疾患に著効。

・検証:得気は浅層で「曲澤」、中層で「手三里」、深層で「陽渓」に走る。全体として「合谷」から示指尖端へ走る感覚はある。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。橈骨動脈からの出血。

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。 しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

肘痛, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 手太陰経筋, 手太陰肺経, 指、手、手首痛

尺澤(しゃくたく)

 

LU5)尺澤(chi3ze2)(しゃくたく)・鬼堂・鬼受

【取穴】

肘前部、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱外方の陥凹部。

※肘を屈曲し、肘窩横紋上でLI11)曲池とPC3)曲澤の間にある。

※尺澤とPC3)曲澤は上腕二頭筋腱の両側に位置する。

【名の由来】

「尺=前腕部=基準」「澤=くぼみ」。穴位の形状から。(寸口の上一尺にあるからとも)

【要穴】

『手太陰経合水穴(金経水穴/金生水/自経子穴)』

【交会】

・経筋:手太陰経筋の結する処(肘中)

【作用】

〔補〕止咳定喘・緩急止痛

〔瀉〕降下逆気・疏風解表・宣肺宣通・舒筋活絡

〔瀉血〕泄血散熱・去瘀通絡

【弁証主治】

◆気逆(肺実)証「逆気而泄を治す/実すれば其の子を瀉す」

風邪・発熱による疼痛〔巨刺〕・自律神経失調・呼吸困難・咳嗽・※霍乱〔灸〕・むくみなど

◆膀胱虚/腎虚証

成長発育不全・小児のひきつけ、夜泣き、疳の虫、咬い締め・顔色が黒い・腰痛・泌尿器、婦人科疾患・下痢・痔など

◆手太陰経(筋)病

呼吸器の虚弱・鎖骨窩痛・上肢や肘、母指の痛み、ひきつれ・両手を交えてもだえる・臍右の強い拍動・脈浮など

【弁証配穴】

『募合配穴(肺):中府+尺澤』…肺実証

『原合配穴(手太陰経):太淵+尺澤』…手太陰経(筋)病

【主症配穴】

+陽輔…急性の痛み・しびれ

+大陵…息切れ

+中府…咳嗽・喀血

+豊隆…喀痰〔瀉法〕

+神門…上肢の悪寒

+大都…乳汁分泌不足

【症例/個人的見解】

・子午の表裏の関係から、手太陰経穴で膀胱の疾患へアプローチすることはよくある。本穴の場合、さらに膀胱の臓腑の表裏である腎の病証も多く、コレには水(腎)穴であることも関係するのではと思われる。

・検証:得気は「天井」に抜ける感覚と「合谷」方向に走る感覚がある。

 

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

禁鍼穴, 肘痛, 肩関節周囲炎、肩背部痛, 手太陰肺経, 指、手、手首痛, 治熱五十九兪

雲門(うんもん)

 

LU2)雲門(yun2men2)(うんもん)

【取穴】

前胸部、鎖骨下窩の陥凹部、烏口突起の内方。前正中線の外方六寸。

※上腕を抵抗に抗して屈曲、わずかに外転させ、鎖骨胸筋三角(鎖骨下窩)を確認すると、その中央にある。

※ST13)気戸・KI27)兪府・CV21)璇璣・雲門は、鎖骨下縁に並ぶ。

【名の由来】

雲は山川の気にして天より生ず。天は肺に通じ、本穴は手太陰経の脈気が湧き出る門である事から。

【交会】

・経筋:手太陰経筋の結する処(肩前髃)

【作用】

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清熱四肢・通経行気・粛肺止咳』

【弁証主治】

◆手太陰経(筋)病

呼吸困難、呼吸器の虚弱・吐血・自律神経失調・鎖骨窩痛・肘痛・母指痛・両手を交えてもだえる・臍右の強い拍動・脈浮など

【主症主治】

五十肩・上肢痛

【症例/個人的見解】

・針灸甲乙経・鍼灸聚英に「刺不可深」とある。要注意。 刺鍼の際は、胸郭側を片手で押さえ、腕方向に鍼尖を向けて打つこと。

・検証:得気は「手五里」に走る感じがある。五十肩で痛みが放散するラインに近いので、治療に応用できるかと。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675