《経外奇穴》, 督脈, 絡穴「去痰化瘀」, ED、男性生殖器疾患, 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 足少陰経筋

長強(ちょうきょう)/尾閭(びろ) ※窮骨(きょうこつ)

 

GV1長強(chang2qiang3)(ちょうきょう)・尾閭関・河車路・気陰郄・尾翠骨・亀尾・尾窮・窮骨・撅骨・骶上・骨骶・竜爪穴・曹渓路・三分閭・朝天嶺・上天梯・気郄・簒後

【取穴】

会陰部、尾骨の下方、尾骨端と肛門の中央。

・筋肉:肛門尾骨靭帯・外肛門括約筋

・運動神経:陰部神経

・知覚神経:陰部神経

・血管:下直腸動脈(内陰部動脈の枝)

※腹臥位か膝胸位にする。

【名の由来】

本穴が督脈=脊柱の始点であり、脊柱が人体中、最も長く強固な骨である事から。

【要穴】

『督脈絡穴/膂を挟みて項に上り頭上にて散じ、また下りて左右の肩甲骨に至り、別れて太陽経に行き、入りて膂を貫く

『後三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】

・経絡(3):督脈-足少陰経-足少陽経

・経筋:足少陰経筋の結す処(陰器)

・経別:第一合(肛門/足太陽の別れ入る処・足少陰の別れ合する処)

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水・肛門集束・寧神鎮痙』

〔瀉〕鬱熱散滞・消壅散結・督脈通暢・舒筋活絡・通便消痔

【絡脈主治】陽経全体にまたがる症状・督絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕めまい・頭が重く、ふらふらする

〔瀉〕背部の強いこわばり

【弁証主治】

◆督脈病

小児の大泉門部陥凹〔補〕

脳神経症状、運動機能障害・痴呆・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・睡眠障害・膝、四肢の冷えなど

◆膀胱-腎病

成長発育不全・視力の低下・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

◆足少陰経(筋)病

貧血、血液疾患・てんかん発作・喘息・萎縮性舌炎・※昌陽脈腰痛・下肢~足底のひきつれ・※脱疽など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・※接触性皮膚炎など

【主症主治】

痔・肛門痛・脱肛・尾骨痛

【配穴】

+天突…※哮喘〔灸法〕

+大杼…下腹部の疝痛

+命門〔補〕…下痢〔火鍼/長強は瀉〕

+承山…急性の下血・痔

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。津液代謝の異常に関しては効果が高い。

・足少陰経筋では「陰器に結す」とあるが、その後の流注を考えると、前面の会陰などよりは長強(尾骶骨)と考えた方が良い気がする。

・EDに対する新穴として、腰兪~長強の中点に『陽萎穴Ⅱ号』がある。

 

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※脱疽…多くは足の指に発生し、潰えて久しくして指が落ちる。経過から察するに糖尿病性の壊疽に似ている。

※接触性皮膚炎…衣服、気温、化学物質、金属など外界の刺激を受けて生じる皮膚炎。

※哮喘…喘鳴を伴う呼吸困難。

 

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※窮骨(qiong2gu3)(きゅうこつ)・尾窮骨

※経外奇穴。-備急千金要方-

【取穴】

仙骨部、尾骨先端の上方一寸とその左右外方各一寸。計3穴。

・筋肉:肛門尾骨靭帯

・運動神経:陰部神経

・知覚神経:陰部神経

・血管:下直腸動脈(内陰部動脈の枝)

【名の由来】

「窮骨=尾骨」。本穴の部位から。

【主治】

てんかん発作・急性腰痛・腰仙部痛・淋病・便秘・排尿困難・痔・肛門痙攣・坐骨神経痛

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

ED、男性生殖器疾患, 衝脈, 足少陰腎経, 婦人科疾患, 慢性疲労、虚弱体質, 消化器疾患, 任脈

陰交(いんこう)

 

CV7)陰交(yin1jiao1)(いんこう)・丹田・横戸・少関・小関

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方一寸。

※キュンメル点(虫垂炎の診断点)に近い。

【名の由来】

任・衝・足少陰の三陰経が交わる場所である事から。

【交会】

・経絡(3):任脈-衝脈-足少陰経

※甲乙経に「任脈、気衝之会」とある。

【作用】

〔瀉〕調経固帯・利水消腫

【主治】

◆任/衝脈/足少陰経病「逆気して裏急す」

泌尿器、婦人科疾患(生理痛・婦人科系の疼痛、しこり)

身体が膨張したように感じる(自律神経失調、更年期障害・鼻血・喘息、梅核気・皮膚静脈炎)〔瀉〕・

身体が縮んだように感じる(冷え性〔灸200~300壮〕・認知症・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下)・※ 奔豚)〔補〕 など

 

【配穴】

+湧泉…下腹部痛(鋭い痛み・腹部のしこり・陰部のひきつれ)〔瀉法〕

+委陽…排尿障害〔瀉法〕

+石関…不妊

【症例/個人的見解】

・難経第三十一難には、下焦の病を治す場として「臍下一寸」としている。

・和漢三才図会には「妊婦禁灸」とある。要注意。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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ED、男性生殖器疾患, , 致命三十六穴, 免疫力、抵抗力向上, 原穴, 慢性疲労、虚弱体質, 三焦, 任脈

気海(きかい)

 

CV6気海(qi4hai3)(きかい)・丹田・脖胦・下肓

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方一寸五分。

・筋肉:白線

・知覚神経:肋間神経前皮枝

・血管:浅腹壁動脈、下腹壁動脈

【名の由来】

「気=真気」。本穴が臍と丹田の中点にあり、真気の集まる場である事から。

【要穴】

『肓之原』

【作用】

〔補〕培補元気・調補下焦・補腎益気・真陽固精

〔瀉〕行気散滞・理気行血・去邪散滞・温陽散寒

【弁証主治】

◆真陽不足〔灸補〕

脱証・小児のひきつけ・精神衰弱・難聴・内臓下垂・水様の下痢・冷え性など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・げっぷ、腹部のしこり、※瘕聚 、※奔豚〔灸100壮〕・便秘・痔・糖尿病・更年期障害など

【主症配穴】

+大巨〔瀉〕…てんかん

+水分…むくみ〔皮内鍼の様な浅刺でも可〕

+章門…下半身の冷え〔灸法〕

+三陰交…遺精

【症例/個人的見解】

・「肓之原は脖胦に出ず」と云う。霊枢九針十二原第一においては、五臓の原穴左右十穴に、鳩尾と気海を加えて十二原としている。その重要性は一考かと。

・本穴は「男子の生気之海」とされる。泌尿器疾患に。

・古典に「妊婦禁灸」とある。要注意。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。骨盤腔内臓器の損傷。

 

※瘕聚…腹内に結塊があって、張れや痛みを伴う病証。積塊が不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

ED、男性生殖器疾患, 肥満あるいは極度の痩せ, 募穴「瀉実」, 三焦, 代謝障害, 任脈

石門(せきもん)

 

CV5)石門(shi2men2)(せきもん)・利機・精露・丹田・命門・三焦募・絶孕

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方二寸。

【名の由来】

「石=詰まって通らない」。本穴が腹痛で小腹の硬い状態に効果がある事から。本穴に鍼をすると産道が閉ざされ、子供ができなくなると言われているからとも。

【要穴】

『三焦募穴』

【作用】

〔瀉〕理気止痛・通利水道

【弁証主治】

◆三焦病/気病

多汗・むくみ・21:00~23:00あるいは09:00~11:00の異常・※副腎皮質機能亢進症状など

◆脾病

貧血、血液疾患・胃腸虚弱、萎縮性胃炎〔灸〕など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・下腹部のしこり・痔・糖尿病など

【弁証配穴】

『兪募配穴(三焦):石門+三焦兪』…三焦病

『募合配穴(三焦):石門+委陽』…三焦実証 〔瀉法〕

『原募配穴(手少陽経):石門+陽池』…手少陽経病

【症例/個人的見解】

・難経六十六難に「臍下腎間の動気は人の生命、十二経の根本なり。故に名を原という。三焦とは原気の別使(脈)にして三気を通じ五臓六腑を営するを主す。原とは三焦の尊号なり」とある。本穴を三焦募とするのも、是に由来するものと思われる。

・三焦は原の陽気(腎陽・元陽=命門)との関わりが強く、此処では三焦の実体を臍下丹田(胞宮)と仮定する。

・禁鍼灸穴ではないが、名の由来を見るに女性には控えるべきか?ただ本穴の下一寸に婦人科の妙穴「関元」が、上五分には「男子の生気之海」とされる「気海」がある。一応考慮のこと。

・三焦が気の生ずる所である事を考えると、全身の気機と水道の調整に効果が高いかと思われる。

・個人的には、三焦とは、脂肪を介して包括されるさまざまな組織-腹膜後器官(腎臓・副腎皮質・膵臓・十二指腸・直腸など)や胸腺、およびその産生するホルモンなど-と考えている。 ※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675

ED、男性生殖器疾患, 致命三十六穴, 足厥陰肝経, 足太陰脾経, 足少陰腎経, 募穴「瀉実」, 婦人科疾患, 小腸, 慢性疲労、虚弱体質, 任脈

関元(かんげん)/丹田(たんでん)/下丹田

 

CV4関元(guan1yuan2)(かんげん)・丹田(dan1tian2)(たんでん)・下丹田・胞門・子宮・血海・次門・下紀・大中極・子戸・子腸・産門・三結交・子処・肓原・小腸募

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方三寸。

・筋肉:白線

・知覚神経:肋間神経前皮枝、腸骨下腹神経前皮枝

・血管:浅腹壁動脈、下腹壁動脈

【名の由来】

「関=関所」「元=元気」。本穴が臍下丹田に位置し、元気が生じる要である事から。

【要穴】

『小腸募穴』

『前三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。

【交会】

・経絡(4):任脈-足三陰経

【作用】

〔補〕補益腎陽・回陽固脱・引火帰元・陽気温通

〔瀉〕導赤通淋・消積散滞・通経行血・遂寒散血

【弁証主治】

◆小腸病/液病

黄疸・躁鬱、統合失調症・顔が赤い・リンパ節腫・口渇・便秘・過敏性腸症候群、下痢・脈浮洪・13:00~15:00あるいは01:00~03:00の異常など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・つわり〔灸27壮〕・尿管結石・下腹部のしこり・痔・糖尿病など

◆足太陰経病

嚥下困難・心窩部痛・胃腸虚弱、萎縮性胃炎など

◆足少陰経病

加齢性の症状(認知症・視力の低下・耳鳴、難聴など)・萎縮性舌炎・毛細気管支炎、肺炎など

◆足厥陰経病

腰痛・性欲の異常・更年期障害など

【主症主治】

※脱証・諸虚百損、強い冷え性

【弁証配穴】

『兪募配穴(小腸):関元+小腸兪』…小腸病

『募合配穴(小腸):関元+下巨虚』…小腸実熱証〔瀉法〕

『原募配穴(手太陽経):関元+腕骨』…手太陽経病

【主症配穴】

+上巨虚〔瀉〕…口内炎

+帯脈…※奔豚〔金鍼〕

+大敦…※腎疝

+腎兪…慢性腎炎 〔関元は灸〕

+大腸兪…※霍乱・便漏れ〔関元は補〕

+長強…下痢 〔火鍼〕

+太衝〔瀉〕…虫下し

+大陵…血尿

※無症性血尿は膀胱腫瘍(膀胱癌)の可能性もある。要注意。

+陰陵泉〔瀉〕…尿が濁る

+三陰交〔瀉〕…生理痛

【私見】

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、得気が「期門」周辺に走る感じがするが・・・。

・経絡理論的には、妊娠悪阻に対して最も有効と考えられるが・・・現実的には難がある。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。骨盤腔内臓器の損傷。

・EDに対する新穴として、神闕~曲骨を3等分した時の2点と、神闕~曲骨の中点から左右外方へ一寸の計4穴を「陽萎穴Ⅲ号」とする。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に類する。

※腎疝…臍下が急に疼痛し、小便頻清。五脈全てが洪緩渋沈急、皆虚しており、腎脈のみ急していないもの。

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675