むくみ、冷え症, 消化器疾患, 任脈

水分(すいぶん)

 

CV9)水分(shui3fen1)(すいぶん)・分水・中守

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方一寸。

【名の由来】

本穴の奧に、”秘別清濁”を主る小腸がある事から。

【作用】

〔補〕和中利気

〔瀉〕分利水湿

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

【主症主治】

むくみ

【主症配穴】

+気海…むくみ〔皮内鍼の様な浅刺でも可〕

+陰陵泉…むくみ

+復溜…腹張・むくみ・腹水

+三間〔瀉〕…下痢・過敏性腸症候群〔水分は灸〕

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会には「妊婦禁灸」とある。要注意。

・むくみの要穴。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, むくみ、冷え症, , 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 足太陽膀胱経, 免疫力、抵抗力向上, 更年期障害, 三焦

胞肓(ほうこう)

 

BL53)胞肓(bao1huang1)(ほうこう)

【取穴】

臀部、第2仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨陵の外方三寸。

※BL53)胞肓、BL28)膀胱兪、BL32)次髎は、第2仙骨孔と同じ高さにある。

※小野寺仙部圧診点(大腸・直腸・肛門の診断点)に近い。

【名の由来】

「胞=膀胱、女子胞」「肓=脂肪組織」。本穴が膀胱兪の外、脇腹の脂肪の内に在る事から。

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水』

〔瀉〕通経活絡

【弁証主治】

◆膀胱虚証/腎病

成長発育不全、代謝不全、極度の痩せ・顔色が黒い・腰痛・※癥積・泌尿器、婦人科疾患〔瀉〕・下痢、排便異常・痔・脈沈遅など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

下肢マヒ・下肢の血流不全

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。また「肓=腎より生じるもの」、「胞=女子胞」であることから、腎病、特に泌尿器、婦人科疾患に対して有効だと思う。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「nitamba(臀部/脈管のマルマ)」と呼ばれ、下肢マヒと血流不全に治効があるとされる。

 

※癥積…腹内の痞塊で、固定性で痛所が一定で動かないもの。出たり散ったりして痛所が定まらないものを瘕聚という。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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むくみ、冷え症, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 腰背部痛, 膝痛, 陽蹻脈, 足太陽膀胱経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 坐骨神経痛

委陽(いよう)

 

BL39)委陽(wei3yang2)(いよう)

【取穴】

膝後外側、大腿二頭筋腱の内縁、膝窩横紋上。

※軽く膝を屈曲すると、大腿二頭筋腱が顕著になる。

【名の由来】

「委=曲がる」「陽=外側」。本穴が膝窩外側に在る事から。

【要穴】

『三焦経下合穴』

『足太陽之別絡』

【交会】

・経絡(2):足太陽経-(陽蹻脈)

※一説には陽蹻脈の会とも。

【作用】

〔瀉〕舒筋利節

【弁証主治】

◆足太陽経病

風邪、悪風発熱・発熱による疼痛など

◆三焦実証「逆気而泄を治す」

多汗・21:00~23:00あるいは09:00~11:00の異常など

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

半身不随・てんかん・統合失調症、不眠・内眼眦痛〔巨刺法〕・腰背部痛・腓骨神経痛、下肢外側のこわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛など

【主症主治】

膝痛・こむら返り・下肢マヒ・むくみ

【弁証配穴】

『募合配穴(三焦):委陽+石門』…三焦実証〔瀉法〕

【主症配穴】

+天池…腋窩リンパ節腫

+陰交…排尿障害〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・三焦が気の生ずる所である事を考えると、全身の気機と水道の調整に効果が高いかと思われる。

・心包と三焦という臓腑は、腎との関わりが非常に強いと考えることができるのでは?個人的には、※副腎皮質ホルモンの亢進症状が三焦の病をイメージさせる。

・同じ腰痛に対してでも、委中は瀉血・委陽は筋痺の要穴。

・陽が病むと寒を生ず。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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むくみ、冷え症, 禁灸穴, 膝痛, 足太陰経筋, 足太陰脾経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 消化器疾患

陰陵泉(いんりょうせん)

 

SP9)陰陵泉(yin1ling2quan2)(いんりょうせん)・陰之陵泉

【取穴】

下腿内側(脛側)、脛骨内側顆下縁と脛骨内縁が接する陥凹部。

※脛骨内側縁に沿って近位へ擦上すると、膝関節の下に陥凹部を触れる。脛骨内側顆下縁と脛骨後縁の角の陥凹部にある。

【名の由来】

「陰=内側」「陵=突起」「泉=陥凹」。本穴が脛骨内側顆下骨際陥凹部にある事から。

【要穴】

『足太陰経合水穴(土経水穴/土克水)』

【交会】

・経筋:足太陰の結す処(脛骨内側顆)

【作用】

〔補〕健脾去湿・調補肝腎

〔瀉〕通利水道・利水行湿・温化水湿・清利湿熱

【弁証主治】

◆気逆証(湿証)「逆気而泄を治す/土克水」

※霍乱〔灸3壮〕・喘息・過敏性腸症候群〔透承山〕・アレルギー疾患など

◆足太陰経(筋)病

貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・脇腹~臍の引きつれ・胃腸虚弱・背深部の痛み・婦人科疾患・陰部痛・股関節痛・下腿内側痛・内踝痛・足母指痛・水虫・脈浮緩09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など

【主症主治】

変形性膝関節症〔透陽陵泉〕・下肢の蜂窩織炎

【弁証配穴】

『募合配穴(脾):章門+陰陵泉』…脾虚湿盛証

『原合配穴(太陰経):太白+陰陵泉』…足太陰経(筋)病

【主症配穴】

+水分…臍周囲のむくみ

+湧泉…臍脇のひきつれる様な痛み

+天枢…回虫症

+陰谷…排尿障害(悪寒発熱を伴う)

+足三里…排尿障害・尿が濁る

+中極…排尿障害〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・「生痰の源」である脾の合穴(土克水)であることから、湿の要穴とされる。

・「禁灸穴」とある。

 

※霍乱…突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

※痃気…脇肋部にあるしこり。臍の両側が筋張り盛り上がっているもの。痛みは無い事もある。

 

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むくみ、冷え症, 禁灸穴, 絡穴「去痰化瘀」, 足太陰脾経, 婦人科疾患, 更年期障害

漏谷(ろうこく)

 

SP7)漏谷(lou4gu3)(ろうこく)・太陰絡

【取穴】

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上六寸。

※SP6)三陰交の上方三寸にある。

【名の由来】

「漏=漏れる」「谷=肉の大会」。本穴が腓骨筋の際と脛骨に挟まれ、滲湿利尿の効がある事から。

【要穴】

『足太陰経絡穴?』

※甲乙経に「足太陰絡」とある。

【作用】

〔補〕健脾利湿

〔瀉〕滲湿利尿

【絡脈主治】

◆足太陰絡脈の瘀血痰飲証(寒証)

胃腸虚弱・泌尿器、婦人科疾患・四肢の冷えなど

【弁証主治】

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・脈浮緩・09:00~11:00あるいは21:00~23:00の異常など

【弁証配穴】

『原絡配穴(胃⇒脾):衝陽+公孫・漏谷』…胃の所生病/血病

【症例/個人的見解】

・「禁灸穴」とある。

・脾虚寒湿や血寒血瘀など、冷えを伴う虚実夾雑証には効果が高いように感じる。

・原絡配穴の変法として衝陽+漏谷を用いた所、ひえのぼせ(特に足先の冷え)には効果的であった。

 

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《経外奇穴》, むくみ、冷え症, 発熱, 皮膚疾患, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 榮(火/水)穴「身熱を治す」, 消化器疾患

内庭(ないてい) ※裏内庭(うらないてい)

 

ST44)内庭(nei4ting2)(ないてい)

【取穴】

足背、第2・3足指間、みずかきの後縁、赤白肉際。

【名の由来】

「庭=居住地」。本穴の効能が内証を主治とする事から。子宮を内庭と称する事もあり、下腹部の疾患に著効があるからとも。

【要穴】

『足陽明経榮水穴(土経水穴/土克水)』

【作用】

〔瀉〕裏熱泄瀉・清胃湿熱・理気鎮痛・養筋活絡

【弁証主治】

◆胃実証「身熱を治す/土克水」

発熱・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・鼻血・チック・頚部リンパ節腫・消化器症状・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】

馬丹陽天星十二穴/胃腸系の感染症・聴覚過敏・歯痛・よくあくびする・喉痛・四肢の冷え・蕁麻疹、帯状疱疹など』

【主症配穴】

+上星…眼痛

+合谷…鼻血

+太渓…上歯痛

+通里…あくび

+太衝…喘息

+懸鐘…心窩部からお腹の張り〔瀉法〕

+足臨泣…下腹部の張り〔気滞性なら内庭に、水湿が診られる様なら臨泣を〕〔瀉〕

+僕参…踵の問題?〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会に「吐腹の病の妙灸の穴」とある。細菌性の下痢に効果が高い。

・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。

 

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裏内庭(li3nei4ting2)(うらないてい)

※経外奇穴…日本由来と思われる。

【取穴】

足底、第2・第3足指間。

【名の由来】

本穴が内庭の裏面(足底面)にある事から。

【主治】

急性胃腸炎・小児の消化不良・足指の痛み・小児のひきつけ

【症例/個人的見解】

・日本では消化器系へ用いる事が多く〔灸法〕、中国ではひきつけやてんかんに用いる事が多い。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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