めまい、気象病, 眼疾患, 禁灸穴, 陽維脈, 足少陽胆経, 鼻疾患, 治熱五十九兪

頭臨泣(あたまりんきゅう)

 

GV15)頭臨泣(tou2lin2qi4)(あたまりんきゅう)

【取穴】

頭部、前髪際から入ること五分、瞳孔線上。

※正視して、瞳孔中央の上方、GV24)神庭とST8)頭維を結ぶ(前髪際に沿った)曲線状の中点。

【名の由来】

本穴が上液之道を臨み、涕涙が下る場所である事から。

【交会】

・経絡(3):足少陽経-足太陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清熱散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆足太陽経病

発熱による疼痛など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

眼疾患 ・鼻づまり・副鼻腔炎・涎が出る

【配穴】

+肝兪…白内障

【症例/個人的見解】

・足太陽経との交会とあるが・・・?

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

・陽を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

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禁灸穴, 脳、神経症状, 陽蹻脈, 足太陽膀胱経, 八宗穴/八脈交会穴, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 柔軟性向上・ストレッチ

申脈(しんみゃく)

 

BL62)申脈(shen1mai4)(しんみゃく)・鬼路(gui3lu4)(きろ)・陽蹻

【取穴】

足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部。

※外果下縁の下方陥凹部にある。BL62)申脈に対応する内側の経穴はKI6)照海である。

【名の由来】

「申=伸」「脈=筋脈」。本穴が陽蹻脈の生じる処であり、筋脈を伸びやかにする効がある事から。

【要穴・交会】

『八宗穴/八脈交会穴(×陽蹻脈)』

※正穴中、特に奇経の性質が強い。

【作用】

〔瀉〕袪風通絡・清利頭目・舒筋活絡

【弁証主治】

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

悪寒発熱・てんかん・統合失調症睡眠障害・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のこわばり、外反足・むずむず脚症候群・パーキンソン症候群など

◆足太陽経病(表証/風邪)

発熱による疼痛など

【弁証配穴】

『八脈交会配穴:申脈+後渓』…表証・背部全般の問題

+飛揚+患部周囲の夾脊穴…足太陽絡脈の実証〔申脈は繆刺法…反対側を瀉血〕

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

【症例/個人的見解】

・繆刺を多用。

・『後渓+申脈』の配穴は、太陽の関係に基づくものと考える。そう考えると、背部全般の広い範囲の問題(主に疼痛)が適応かと。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・筋を緩める効果は高く即効がある。

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
 048-851-9675

発熱, 禁灸穴, 腰背部痛, 膝痛, 致残十八穴, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 坐骨神経痛

委中(いちゅう)

 

BL40)委中(wei3zhong1)(いちゅう)・(xue4xi4)(けつげき)・郄中・委中央・腿凹・曲目秋内

【取穴】

膝後面、膝窩横紋の中央。

※委中は膝を軽く屈した状態で取ると良い。

【名の由来】

「委=曲がる」。本穴が膝窩中央に在る事から。

【要穴】

『足太陽経合土穴/下合穴(水経土穴/土克水)』

【交会】

・経筋:足太陽経筋の結す処(膕)

・経別:第一合(膕/足太陽の別れ入る処・足少陰の別れ合する処)

【作用】

〔補〕壮筋補虚

〔瀉〕駆邪散滞・通経活絡・利機腰膝

〔瀉血〕涼血解毒・清熱四肢

【弁証主治】

◆気逆(血熱)証「逆気而泄を治す/土克水」

発熱、※霍乱〔立位で”アキレス腱のばし”の体勢をとって取穴〕・黄疸、血液疾患・膠原病・鼻血・乳腺炎・痔、脱肛・下痢、ひどい血便・皮膚疾患など

◆膀胱/腎病

成長発育不全・てんかん発作、脳神経症状、運動機能障害・統合失調症・睡眠障害・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患・脈沈遅など

◆足太陽経(筋)病

発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・肩背部の痛みや冷え・脇痛・肘痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛など

【主症主治】

『四総穴「腰背委中求」/腰背部痛(寒さで悪化・身体を揺すれない)』

『馬丹陽天星十二穴/腰背部痛・膝痛〔瀉血〕』

【弁証配穴】

『募合配穴(膀胱):委中+中極』…膀胱実証

『原合配穴(太陽経):京骨+委中』…太陽経(経筋)病

『四彎穴:委中+曲澤〔瀉血〕』…血熱証・熱毒証

【主症配穴】

+太陽〔瀉〕…髄膜炎 〔ふくらはぎの血絡瀉血〕

+承漿…出血が止まらない〔瀉法〕

+魚際…肩背のひきつれ

+前谷…尿色の異常

+水溝…劇症腰痛・下肢の炎症〔瀉法〕

+腎兪…腰痛〔委中のみ瀉〕

+白環兪…腰背部痛〔脚膝に腫痛のある場合に、至陰を加える〕

+昆侖…手足のおもだるさ

【症例/個人的見解】

・合穴、水経土穴(土克水)である事から、太陽経への瀉法に用いるには都合がよい。

・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・-美容と健康の鍼灸(張仁編著・浅野周訳/三和書籍)-によれば、「小児の急性灰白髄炎(ポリオ)予防の常用穴」とある。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により下肢マヒを生じる。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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禁灸穴, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 膝痛, 足太陽膀胱経

殷門(いんもん)

BL37)殷門(yin1men2)(いんもん)

【取穴】大腿部後面、大腿二頭筋と半腱様筋の間、臀溝の下方六寸。

※伏臥位で、膝を抵抗に抗して屈曲したとき、半腱様筋と大腿二頭筋がより明瞭に現れる。さらに股関節を内外旋させると両筋を見つけやすい。

※BL36)承扶とBL40)委中を結ぶ線上の中点の上方一寸にある。

【名の由来】「殷=憂鬱」「門=出入口」。本穴が下肢痛の特効穴であり、動けず憂鬱な状態を治す事から。

【作用】〔瀉〕疏通経絡

【弁証主治】

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】腰痛、坐骨神経痛・股関節痛・膝痛・下肢マヒ

【症例/個人的見解】

・古典には「禁灸穴」とある。 要注意。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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禁灸穴, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経, 坐骨神経痛

承扶(しょうふ)

BL36)承扶(cheng2fu2)(しょうふ)・肉郄・陰関・陽関・皮都・皮部・承扶皮部

【取穴】臀部、臀溝の中点。

【名の由来】「承=受ける」「扶=助け」。本穴が寒痺下肢痛の特効穴である事から。

【交会】・経筋:足太陽経筋の結す処(臀)

【作用】〔瀉〕舒筋活絡

【弁証主治】

◆足太陽経(筋)病

風邪・発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・腰背部痛、坐骨神経痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

【主症主治】慢性の痔・便秘・排尿障害・子宮の冷え

【配穴】+髀関+委中…股関節痛〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・古典には「禁灸穴」とある。 要注意。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
《経外奇穴》, うつ病(寡動性精神疾患), 禁灸穴, 禁鍼穴, 背兪穴「補虚/交感神経賦活」, 自律神経失調, 致命三十六穴, 足太陽膀胱経, , 心、循環器疾患, 慢性疲労、虚弱体質, 治熱五十九兪

心兪(しんゆ) ※患門/灸労(かんもん/きゅうろう)

 

BL15)(xin1shu4)(しんゆ)・背兪

【取穴】

上背部、第5胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方一寸五分。

※肩胛間部圧診点(気管支リンパ節の診断点)に近い。

【名の由来】

本穴が心絡の兪穴である事から。

【要穴】

『心兪穴』

『標本:手少陰之標』

【作用】

〔補〕心陽温煦・心気補益・心血補養・心絡安寧

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清涼心火・清瀉胸中之熱・心絡通暢・瘀血散滞』

【弁証主治】

◆心虚証(手少陰経病)/督脈病

自律神経失調(副交感神経優位)、頭が重く、ふらふらする・嗜眠・掌の火照り・うつ病〔灸100壮〕・狭心症、循環器症状〔灸27~100壮〕・臍上の強い拍動・脈浮洪・11:00~13:00あるいは23:00~01:00の異常など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

しゃっくり・肩背部痛・腰背部の痛み・背部の発疹・毒薬の解毒?

【弁証配穴】

『兪募配穴(心):心兪+巨闕』…心病

『兪原配穴(心):心兪+神門』…心火亢盛証〔瀉法〕

【主症配穴】

+神道…急性の痙攣・ひきつけ

+中脘…不安障害 〔心兪は灸〕

【症例/個人的見解】

・個人的には、背部兪穴と交感神経幹の関連を考えている。交感神経の状況に応じて、刺激の種類や程度を変えるべきと考える。

 

・足太陽経の背部兪穴は、督脈の性質も帯びる。上記の交感神経幹との関連も含め施術の仕方を考慮すべし。

・和漢三才図会には「禁鍼灸穴」とある。心に刺入する事を恐れた為か?

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。肺の損傷、心房細動。

 

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※患門の穴/灸労穴(かんもん/きゅうろう):ほぼ心兪

※経外奇穴

【取穴】

甲紐:患者を直立させ、足の第1指尖端~足底の正中~下腿後面正中~委中穴の長さの紐。

乙紐:患者の口を閉じさせ、右口角~鼻中隔下端~左口角まで長さの紐。

甲紐の一端を鼻尖に当て、正中線~頭頂正中~背部に下垂し、その下端を脊柱上に仮点Aとする。乙紐の中央を仮点Aに当てて左右に水平に伸ばし、その両端を患門穴とする。

【弁証主治】

心血虚証

【主症主治】

精神疲労・寝汗・顔色が黄色く肌に艶がない・無力・咳嗽喀血・食欲不振・節々が寒さで疼く・手足の火照り

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

禁灸穴, 致命三十六穴, 陰蹻脈, 陽蹻脈, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経

晴明(せいめい)/命門(めいもん)

 

BL1)睛明(jing1ming2)(せいめい)・涙孔・涙空・精明・目内眦・命門

【取穴】

顔面部、内眼角の内上方と眼窩内側壁の間の陥凹部。

※眼を閉じたとき、内眼角の内方一分の陥凹部にある。

【名の由来】

「睛=眼」。本穴が視力を回復させる効がある事から。

【要穴(命門)】

『標本:足太陽之標』

『根結:足太陽之結』

【交会】

・経絡(5~7):手足太陽経-足陽明経-陽蹻脈-陰蹻脈

※「目系=睛明」と捉えるなら、体内にて手少陰経・足厥陰経とも交会。

・経別:第四合(眼内眦/手少陰の合す処)

【作用】

〔補〕補虚明目

〔瀉〕清熱明目・退翳散瘀・疏風清熱・舒筋活絡

【弁証主治】

◆心病

循環器症状・健忘・掌の火照り・臍上の強い拍動・脈浮洪・夜間に症状が悪化など

◆足太陽経(筋)病

風邪、悪風発熱・発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・脇痛・腰背部痛・下肢の痛み、冷え、こわばり、こむら返り・O脚、外反足・踵痛・足第5指痛・身体を揺すれないなど

◆足陽明経病

注意欠陥多動性障害、統合失調症・躁鬱、不安障害など

◆蹻脈病「陰緩み陽急す/陽緩み陰急す」

半身不随・てんかん・自律神経失調、睡眠障害・内眼眦痛、眼裏痛〔巨刺法〕、視力低下〔攅竹も同様。睛明のみで効果が出ない時は合谷・光明も追加〕・不正出血・疝痛・部位がはっきりしない疼痛・皮膚の強いしびれやこわばり・錐体外路系障害など

【症例/個人的見解】

・諸脈の交会穴(宗脈の聚る場)であること、また手少陰心経の合する場でもあることから、望診(特に精神に関して)の重要なポイントとなる。

・理論的には非常に有効な穴ではあるが、部位的に多用はしづらい。刺鍼の際は瞳を外側に向けた状態で行う事。

・瀉法では、抜鍼前に鍼をやや抜いて鍼尖を鼻根に向けて刺入し、血を鼻孔から数滴流す。

・言うまでもないが「禁灸穴」である。

・陰蹻脈は「一身左右の陰を主る」、臨床では巨刺・繆刺を多用する。

・『陽緩み陰急す』を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・陰蹻脈の病証では、表に異常がなく裏が病み(表面上に異常がないが症状が強いなど)、夜に症状がでる事が多い。

・陽が病むと寒を生ず、陰を病むと熱を生ず。

・夜盲症に効くとの記述もあるが、夜盲には先ずビタミンAの摂取を。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。失明。

 

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