《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 督脈, 禁灸穴, 脳、神経症状, 頚神経後枝

強間(きょうかん)

GV18強間(qiang3jian1)(きょうかん)・大羽

【取穴】

頭部、後正中線上、後髪際の上方四寸。

・筋肉:帽状腱膜

・知覚神経:大後頭神経(C2後枝)

・血管:後頭動脈

※GV17)脳戸の上方一寸五分の陥凹部にある。

※個人的には本穴は「Lambda(Λ縫合と矢状縫合の交点・小泉門部)」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

「強=強固な骨…頭蓋骨」。本穴が頭蓋Λ縫合間にある事から。

【作用】

〔瀉〕醒脳開竅・舒筋活絡

【弁証主治】

◆督脈病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・膝、四肢の冷えなど

【私見】

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《Ⅶ》顔面神経, 督脈, 神経変性疾患, 禁灸穴, 禁鍼穴, 頚神経後枝, 足少陰経筋

脳戸(のうこ)

 

GV17脳戸(nao3hu4)(のうこ)・玉枕関・匝風・会額・合顱

【取穴】

頭部、外後頭隆起上方の陥凹部。

※後正中線の垂線と外後頭隆起上縁の水平線の交点にある陥凹部。BL9)玉枕と同じ高さにある。

・筋肉:後頭筋

・運動神経:《Ⅶ》顔面神経

・知覚神経:大後頭神経(頚神経後枝)

・血管:後頭動脈

【名の由来】

「戸=扉」。本穴から脳気で出入りする事から。

【要穴】『後三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。左右の「玉枕」と併せて考えられる。

【交会】

・経絡(2):督脈-足太陽経 ※甲乙経に「此別脳之会」とある。

・経筋:足少陰経筋の結す処(枕骨)?

・経別:第一合(項)(足太陽の出る処・足少陰の出る処)

【作用】

〔瀉〕清熱散風

【弁証主治】

◆督脈病/足少陰経筋病

※脳風・脳性マヒ、半身不随・てんかん発作・錐体外路系障害・躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・メニエル病・肩背部痛・腰背部の痛み、悪寒・下肢~足底の冷え、ひきつれなど

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

◆膀胱/腎病

成長発育不全、代謝不全・脱毛・耳鳴、難聴・歯槽膿漏・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患〔金鍼〕・下痢〔灸100壮〕・脈沈遅など

【私見】

・甲乙経・和漢三才図会には「禁鍼灸穴」とある。何故か?

・足少陰経筋の病-仲秋痺-は「此筋折紐、紐発数甚者、死不治」とある。個人的には錐体外路系の変性疾患を思わせる。

 

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

督脈, 禁灸穴, 耳鳴、難聴, 胸街/気海, 致命三十六穴, 陽維脈, 回陽九針, 失語症

瘂門(あもん)

 

GV15瘂門(ya1men2)(あもん)・舌横・舌厭

【取穴】

後頚部、後正中線上、第2頚椎棘突起上方の陥凹部。

※GV16)風府の下方五分にある。

・筋肉:項靭帯・棘間筋

・運動神経:脊髄神経後枝

・知覚神経:脊髄(頚)神経後枝

・血管:頚横動脈上行枝

【名の由来】

「瘂=しゃべれない」「門=出入口」。古来、本穴に灸をしたところ瘂となり、鍼にて治ったという逸話がある事から。

【交会】

・経絡(2):督脈-陽維脈

【作用】

〔補〕益脳増音

〔瀉〕『気海(胸街)之兪/通督解痙・醒脳開竅』

【弁証主治】

◆督脈病

てんかん、意識障害・躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・頭が重く、ふらふらする・肩背部痛・腰背部の痛みなど

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・髄膜炎症状・リンパ節腫・四肢の冷え・胸苦しさなど

【主症主治】

失語症

【配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+関衝…失語症(聾唖)

【症例/個人的見解】

・一寸五分以上は刺入しないように(瘂門-耳孔-眼を結ぶ角度で刺入しない事)。

・甲乙経・和漢三才図会には「禁灸穴」とある。また武術的な「致命三十六穴」の一つ。頚椎損傷。要注意。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

禁灸穴, 禁鍼穴, 絡穴「去痰化瘀」, 致命三十六穴, 原穴, 各種依存症, 心包, 任脈

鳩尾(きゅうび)/尾翳(びえい)

 

CV15)鳩尾(jiu1wei3)(きゅうび)・尾翳(wei3yi4)(びえい)

【取穴】

上腹部、前正中線上、胸骨体下端の下方一寸。

※腹部胃潰瘍圧診点に近い。

【名の由来】

胸骨を中心とした胸郭を翼を広げた鳥に見立て、本穴がその尾にあたる事から。

【要穴】

『膏之原』

『任脈絡穴/鳩尾を下り腹に散ず』

【作用】

〔瀉〕和中降逆・清心化痰

【絡脈主治】陰経全体にまたがる症状・任絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕痒み(特にお腹)

〔瀉〕痛み(特にお腹)

【弁証主治】

◆任脈病…泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

【主症主治】

てんかん発作〔灸3~7壮。多く灸したり、鍼だと人を傷るとある〕

【配穴】

+湧泉…てんかん

+懸釐…発熱による偏頭痛〔瀉法〕

+璇璣…喉の痛み・嚥下困難〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・「膏之原は鳩尾に出ず」とも云う。背面の膏肓との関係が覗える。

・霊枢九針十二原第一においては、五臓の原穴左右十穴に、鳩尾と気海を加えて十二原としている。その重要性は一考かと。

 ・甲乙経・和漢三才図会に「禁鍼灸穴」とある。要注意。

・腹部の痛みや痒みにからむ記述が多く、また少年期の過剰な自慰行為なども治療範囲に入る。血熱へのアプローチとして捉えるべきか?

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。横隔膜の損傷。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

禁灸穴, 足首、足、踵痛, 足少陽胆経

地五会(ちごえ)

GB42)地五会(di4wu3hui4)(ちごえ)・地五

【取穴】足背、第4・第5中足骨間、第4中足指節関節近位の陥凹部。

【名の由来】本穴が、足が腫れて五趾が地につかない状態を治す事から。

【作用】〔瀉〕利胆疏肝

【弁証主治】◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・皮膚の乾燥など

【主症主治】足首痛・足の炎症・足第4指の痛み、マヒ

【配穴】

+光明…眼の痛痒〔瀉法〕

+梁丘…乳腺炎〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・甲乙経に「禁灸穴」とある。何故か?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
禁灸穴, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 膝痛, 足少陽胆経, 坐骨神経

膝陽関(ひざようかん)

 

GB33膝陽関(xi1yang2guan1)(ひざようかん)・寒府・足陽関・関陽・陽陵・関陵

【取穴】

膝外側、大腿二頭筋腱と腸脛靱帯の間の陥凹部、大腿骨外側上顆の後上縁。

・筋肉:腸脛靭帯・大腿二頭筋腱

・運動神経:坐骨神経

・知覚神経:外側大腿皮神経

・血管:外側上膝動脈

【名の由来】

本穴が大腿骨外側(陽)の関節部にある事から。「寒府=寒邪が集まる処」である為、此所に陽を導き、上陰下陽の平衡を為すとの意も。

【作用】

〔瀉〕舒筋利節・温経散痛

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

【主症主治】

外側大腿皮神経痛・膝痛、腸脛靭帯炎・下腿のひきつれ・リウマチ性関節炎

【主症配穴】

+侠渓…膝、股関節痛〔瀉法〕

【私見】

・甲乙経・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・個人的には「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、膝痛、股関節痛に対して有効かと思う。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

ストレス/不安障害、パニック障害, 禁灸穴, 肥満あるいは極度の痩せ, 肩関節周囲炎、肩背部痛, 足少陽胆経, 各種依存症

淵腋(えんえき)

 

GB22)淵腋(yuan1ye4)(えんえき)・泉腋・腋門・淵液

【取穴】

側胸部、第4肋間、中腋窩線上。

【名の由来】

「淵=深い溝」。本穴が腋にあり、足少陽経気が体表に出る場所である事から。

【要穴】

『標本:手厥陰の標(腋下下三寸)?』

【交会】

・経別(3):第四合(手少陰の入る処)・第五合(手厥陰の別れ入る処)・第六合(手太陰の別れ入る処)

【作用】

〔瀉〕理気和血・平喘降逆

【弁証主治】

◆心/小腸病

躁鬱・不安障害・統合失調症・睡眠障害・循環器症状・掌の火照り・ひどい冷えなど

◆心包/三焦病

各種依存症・ストレス障害(過敏性腸症候群)・肥満あるいは極度の痩せ・※副腎機能亢進症など

◆肺/大腸病

自律神経失調・呼吸器の虚弱・アレルギー疾患、皮膚の乾燥など

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛など

◆手厥陰経病

顔が赤い・黄疸・腋窩リンパ節腫・上腕の痛み、痙攣やこわばりなど

【主症主治】

肩痛、五十肩

【症例/個人的見解】

・甲乙経・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・側胸部の本穴より一肋間下(第5肋間)、中腋窩線上に取穴すると、パニック症候群に著効がみられる。

・心包と三焦は、腎との関わりが非常に強いと考えられる。個人的には、副腎機能の亢進症状をイメージさせる。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

めまい、気象病, 眼疾患, 禁灸穴, 陽維脈, 足少陽胆経, 鼻疾患, 治熱五十九兪

頭臨泣(あたまりんきゅう)

 

GV15)頭臨泣(tou2lin2qi4)(あたまりんきゅう)

【取穴】

頭部、前髪際から入ること五分、瞳孔線上。

※正視して、瞳孔中央の上方、GV24)神庭とST8)頭維を結ぶ(前髪際に沿った)曲線状の中点。

【名の由来】

本穴が上液之道を臨み、涕涙が下る場所である事から。

【交会】

・経絡(3):足少陽経-足太陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清熱散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆足太陽経病

発熱による疼痛など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

眼疾患 ・鼻づまり・副鼻腔炎・涎が出る

【配穴】

+肝兪…白内障

【症例/個人的見解】

・足太陽経との交会とあるが・・・?

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

・陽を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

禁灸穴, 脳、神経症状, 陽蹻脈, 足太陽膀胱経, 八宗穴/八脈交会穴, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 柔軟性向上・ストレッチ

申脈(しんみゃく)

 

BL62)申脈(shen1mai4)(しんみゃく)・鬼路(gui3lu4)(きろ)・陽蹻

【取穴】

足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部。

※外果下縁の下方陥凹部にある。BL62)申脈に対応する内側の経穴はKI6)照海である。

【名の由来】

「申=伸」「脈=筋脈」。本穴が陽蹻脈の生じる処であり、筋脈を伸びやかにする効がある事から。

【要穴・交会】

『八宗穴/八脈交会穴(×陽蹻脈)』

※正穴中、特に奇経の性質が強い。

【作用】

〔瀉〕袪風通絡・清利頭目・舒筋活絡

【弁証主治】

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

悪寒発熱・てんかん・統合失調症睡眠障害・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のこわばり、外反足・むずむず脚症候群・パーキンソン症候群など

◆足太陽経病(表証/風邪)

発熱による疼痛など

【弁証配穴】

『八脈交会配穴:申脈+後渓』…表証・背部全般の問題

+飛揚+患部周囲の夾脊穴…足太陽絡脈の実証〔申脈は繆刺法…反対側を瀉血〕

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕

【症例/個人的見解】

・繆刺を多用。

・『後渓+申脈』の配穴は、太陽の関係に基づくものと考える。そう考えると、背部全般の広い範囲の問題(主に疼痛)が適応かと。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・筋を緩める効果は高く即効がある。

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
 048-851-9675

発熱, 禁灸穴, 脛骨神経, 腰背部痛, 膝痛, 致残十八穴, 足太陽経筋, 足太陽膀胱経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 坐骨神経痛, 後大腿皮神経

委中(いちゅう)

BL40)委中(wei3zhong1)(いちゅう)・(xue4xi4)(けつげき)・郄中・委中央・腿凹・曲目秋内

【取穴】

膝後面、膝窩横紋の中央。

※脛骨神経が深部を走る。

・知覚神経:後大腿皮神経

・血管:膝窩動脈

※委中は膝を軽く屈した状態で取ると良い。

【名の由来】

「委=曲がる」。本穴が膝窩中央に在る事から。

【要穴】

『足太陽経合土穴/下合穴(水経土穴/土克水)』

【交会】

・経筋:足太陽経筋の結す処(膕)

・経別:第一合(膕/足太陽の別れ入る処・足少陰の別れ合する処)

【作用】

〔補〕壮筋補虚

〔瀉〕駆邪散滞・通経活絡・利機腰膝

〔瀉血〕涼血解毒・清熱四肢

【弁証主治】

◆気逆(血熱)証「逆気而泄を治す/土克水」

発熱、※霍乱〔立位で”アキレス腱のばし”の体勢をとって取穴〕・黄疸、血液疾患・膠原病・鼻血・乳腺炎・痔、脱肛・下痢、ひどい血便・皮膚疾患など

◆膀胱/腎病

成長発育不全・てんかん発作、脳神経症状、運動機能障害・統合失調症・睡眠障害・自律神経失調、更年期障害・顔色が黒い・泌尿器、婦人科疾患・脈沈遅など

◆足太陽経(筋)病

発熱による疼痛・項頚部痛・鎖骨窩痛・肩背部の痛みや冷え・脇痛・肘痛・こむら返り・踵痛・足第5指痛など

【主症主治】

『四総穴「腰背委中求」/腰背部痛(寒さで悪化・身体を揺すれない)』

『馬丹陽天星十二穴/腰背部痛・膝痛〔瀉血〕』

【弁証配穴】

『募合配穴(膀胱):委中+中極』…膀胱実証

『原合配穴(太陽経):京骨+委中』…太陽経(経筋)病

『四彎穴:委中+曲澤〔瀉血〕』…血熱証・熱毒証

【主症配穴】

+太陽〔瀉〕…髄膜炎 〔ふくらはぎの血絡瀉血〕

+承漿…出血が止まらない〔瀉法〕

+魚際…肩背のひきつれ

+前谷…尿色の異常

+水溝…劇症腰痛・下肢の炎症〔瀉法〕

+腎兪…腰痛〔委中のみ瀉〕

+白環兪…腰背部痛〔脚膝に腫痛のある場合に、至陰を加える〕

+昆侖…手足のおもだるさ

【私見】

・合穴、水経土穴(土克水)である事から、太陽経への瀉法に用いるには都合がよい。

・和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・-美容と健康の鍼灸(張仁編著・浅野周訳/三和書籍)-によれば、「小児の急性灰白髄炎(ポリオ)予防の常用穴」とある。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により下肢マヒを生じる。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675