足陽明経筋, 足陽明胃経, 浅腓骨神経, 井(木/金)穴「心下満を治す」

厲兌(れいだ)

ST45)厲兌(li4dui4)(れいだ)

【取穴】

足第2趾、末節骨外側、爪甲角の近位外方一分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

・知覚神経:浅腓骨神経

・血管:第2背側中足動脈の枝

【名の由来】

「厲=戊土=脾胃」(十天干)、「兌=口」(八卦易象)。本穴が口周囲の疾患を主治し、口は胃の門戸である事から。

【要穴】

『足陽明経井金穴(土経金穴/土生金/自経子穴)』

『標本:足陽明之本』

『根結:足陽明之根』

【作用】

〔瀉〕活絡開竅・回陽救逆

【弁証主治】

◆温病

悪寒戦慄をともなう3日以上の高熱、感染症、髄膜炎、リンパ節腫・血液疾患〔灸3壮/金針で瀉血〕・出血傾向など

◆胃実証「心下満を治す/実すれば其の子を瀉す」

萎縮性胃炎・アレルギー疾患・自己免疫疾患・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】

※尸厥

【弁証配穴】

+豊隆…足陽明絡脈の実証〔厲兌は繆刺…反対側を瀉血〕

【主症配穴】

+隠白…悪夢・常に眠い

+合谷…下歯痛

【私見】

・急性の強い心痛に対し、厲兌の反対側(足第2趾、末節骨内側)に大きめの灸を据えると良い。

・井穴はその位置的に、いずれも瀉熱作用〔瀉血〕が強い。

 

※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《経外奇穴》, むくみ、冷え症, 発熱, 皮膚疾患, 脛骨神経, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 榮(火/水)穴「身熱を治す」, 浅腓骨神経, 消化器疾患

内庭(ないてい) ※裏内庭(うらないてい)

 

ST44)内庭(nei4ting2)(ないてい)

【取穴】

足背、第2・3足指間、みずかきの後縁、赤白肉際。

・筋肉:第2背側骨間筋

・運動神経:外側足底神経(脛骨神経由来)

・知覚神経:浅腓骨神経

・血管:第2背側中足動脈の枝

【名の由来】

「庭=居住地」。本穴の効能が内証を主治とする事から。子宮を内庭と称する事もあり、下腹部の疾患に著効があるからとも。

【要穴】

『足陽明経榮水穴(土経水穴/土克水)』

【作用】

〔瀉〕裏熱泄瀉・清胃湿熱・理気鎮痛・養筋活絡

【弁証主治】

◆胃実証「身熱を治す/土克水」

発熱・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・鼻血・チック・頚部リンパ節腫・消化器症状・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】

馬丹陽天星十二穴/胃腸系の感染症・聴覚過敏・歯痛・よくあくびする・喉痛・四肢の冷え・蕁麻疹、帯状疱疹など』

【主症配穴】

+上星…眼痛

+合谷…鼻血

+太渓…上歯痛

+通里…あくび

+太衝…喘息

+懸鐘…心窩部からお腹の張り〔瀉法〕

+足臨泣…下腹部の張り〔気滞性なら内庭に、水湿が診られる様なら臨泣を〕〔瀉〕

+僕参…踵の問題?〔瀉法〕

【私見】

・和漢三才図会に「吐腹の病の妙灸の穴」とある。細菌性の下痢に効果が高い。

・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。

 

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裏内庭(li3nei4ting2)(うらないてい)

※経外奇穴…日本由来と思われる。

【取穴】

足底、第2・第3足指間。

【名の由来】

本穴が内庭の裏面(足底面)にある事から。

【主治】

急性胃腸炎・小児の消化不良・足指の痛み・小児のひきつけ

【私見】

・日本では消化器系へ用いる事が多く〔灸法〕、中国ではひきつけやてんかんに用いる事が多い。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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脛骨神経, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 兪(土/木)穴「体重節痛を治す」, 浅腓骨神経, 深腓骨神経

陥谷(かんこく)

 

ST43)陥谷(xian1gu3)(かんこく)

【取穴】

足背、第2・3中足骨間、第2中足指節関節の近位陥凹部。

・筋肉:短趾伸筋/第2背側骨間筋

・運動神経:深腓骨神経(短趾伸筋)・外側足底神経(第2背側骨間筋)

・知覚神経:浅腓骨神経

・血管:第2背側中足動脈の枝

【名の由来】

「陥=凹み」。本穴周囲の形状が谷を思わせる事から。下痢や内臓下垂など下陥証に著効があるからとも。

【要穴】

『足陽明経兪木穴(土経木穴/木克土)』

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処

【作用】

〔通〕健脾利湿・疏風通絡

【弁証主治】

◆胃実証「木克土」

発熱・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・鼻血・チック ・頚部リンパ節腫・喉の炎症・消化器症状・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経(筋)病「体重節痛を治す」

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【配穴】

+目窓…頭や眼瞼のむくみ〔瀉法〕

+手三里…お腹の張り

+下脘…お腹がよく鳴る〔瀉法〕

【私見】

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ストレス/不安障害、パニック障害, 衝脈, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 足首、足、踵痛, 原穴, 心療内科的症状, 浅腓骨神経, 深腓骨神経

衝陽(しょうよう)

ST42)衝陽(chong1yang2)(しょうよう)・会原・会湧・会骨・趺陽

【取穴】

足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部。

・筋肉:長趾伸筋・短母趾伸筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:浅腓骨神経

・血管:足背動脈

【名の由来】

「衝=要衝」。本穴は足陽明経原穴であり、本経の要衝である事から。

※衝陽の脈は「胃気」の盛衰を顕し、この脈が絶えれば絶命するとある。

【要穴】

『胃原穴』

『根結:足陽明之溜』

【交会】

・経絡(2):足陽明経-衝脈

※一説には衝脈の会とも。

【作用】

〔補〕補益原気・和胃健脾・鎮驚安神

【弁証主治】

◆胃病/心包/大腸病

心療内科的病状(梅核気・過敏性腸症候群・腹張、胃腸虚弱・排便異常・掌の火照りなど)・アレルギー疾患・自己免疫疾患・黄疸・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常・※副腎髄質機能亢進症状(不安障害・パニック障害・脈浮緩)など

◆足陽明経(筋)病

躁鬱・注意欠陥多動性障害、統合失調症・内眼眦痛・耳疾患・鼻血・顔面神経マヒ・チック・頬~鎖骨窩の痙攣・頚部リンパ節腫・喉の炎症・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、冷えあるいは熱感、マヒなど

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(更年期障害・)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(貧血・サルコペニア(加齢性の筋力低下)・腹中のひきつれ、痙攣など)〔補〕

泌尿器、婦人科疾患・皮膚静脈炎など

【主症主治】

足甲痛・足第3指痛・リウマチ性結節・ガングリオン

【弁証配穴】

『原絡配穴(胃⇒脾):衝陽+公孫・漏谷』…胃(血)所生病

『原募配穴(足陽明経):衝陽+中脘』…足陽明経是動病

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(筋)病

【主症配穴】

+列缺…半身不随

+曲鬢…虫歯〔瀉法〕

+章門+丘墟…膵炎

【症例/個人的見解】

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「胃/心包/大腸」をつなぐ病状として、心療内科的疾患には適応と考える。

・交感神経系の異常亢進に対しては、本穴への補法(足湯などでも)は有効かと考える。

・原絡配穴の変法として衝陽+漏谷を用いた所、ひえのぼせ(特に足先の冷え)には効果的であった。

 

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経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 足陽明胃経, 浅腓骨神経, 深腓骨神経

解渓(かいけい)

 

ST41解渓(jie3xi1)(かいけい)・鞋帯

【取穴】

足関節前面、足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間。

・筋肉:前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:浅腓骨神経

・血管:前脛骨動脈

※足関節を背屈させたときに足背に明瞭に現れる2つの腱の間で、内果尖、外果尖を結ぶ線上の中点にある。

【名の由来】

「解=緩める」「渓=凹み」。本穴が下脛腓関節の陥凹部にあり、靴紐を解く処にある事から。

【要穴】

『足陽明経経火穴(土経火穴/火生土/自経母穴)』

【作用】

〔補〕火生土

〔瀉〕胃火清降・清宣陽明・気血宣通・疏筋利節

【弁証主治】

◆胃陰虚証喘咳寒熱を治す/虚すれば其の母を補う」

アレルギー疾患・自己免疫疾患・発熱・多汗・黄疸・鼻血・チック・頚部リンパ節腫・喉の炎症、咳嗽・消化器症状・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・※鵝口瘡・足陽明経上の熱感など

【配穴】

+百会…発作性の痙攣・ひきつけ

+通里…頭痛・眼の充血

+合谷〔灸〕…眉陵の強い痛み・めまい

+陽交…強い動悸、心痛

 

※鵝口瘡(雪口)…小児に多く、心脾二経の積熱による。猩紅熱に近いか?口中の糜爛・舌の表面に白屑の様な苔が大量に覆っている・口舌の痛み・身体が熱い・胸苦しさなど。

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精神疾患, 絡穴「去痰化瘀」, 総腓骨神経, 脛街/血海, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 深腓骨神経

豊隆(ほうりゅう)

ST40)豊隆(feng1long2)(ほうりゅう)

【取穴】

下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上八寸。

※ST38)条口の外方1横指(中指)にある。

・筋肉:前脛骨筋・長趾伸筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

「豊隆=豊富・盛ん」。本穴部位が筋肉豊かで盛り上がっている事から。(「豊隆=雷神」を指すことも)

【要穴】

『足陽明絡穴/踝から八寸、別れて太陰経に行き、その別枝は脛外側を循り上りて頭項を絡して諸経之気を合し、下りて咽喉を絡す』

『根結:足陽明之入』

※「別れて太陽へ走る」とも。

【作用】

〔瀉〕去痰平喘・去痰降逆・疏経活絡

【絡脈主治:脛街/血海の病】表裏(足太陰経)にまたがる症状・足陽明絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕下肢の筋力低下・足腰の冷え、むくみなど

〔瀉〕注意欠陥多動性障害、統合失調症・てんかん、小児マヒ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・喉痛・めまい・後頭部痛・どもり・喘息〔3分深刺〕・梅核気・甲状腺腫・胸苦しさ・動悸・胸腹部の鋭い痛みなど

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばりなど

【弁証配穴】

『原絡配穴(脾⇒胃):太白+豊隆』…脾所生病

【主症配穴】

+強間…頭痛・めまい

+尺澤…喀痰〔瀉法〕

+中脘…蕁麻疹〔瀉法〕

【私見】

・胃(脾胃は生痰の源)の絡穴(有形の物は、経より絡に滞ること常の如し)故、化痰の特効穴とされる。

・絡脈は皮下静脈との関わりが深いので、瀉血が有効。

・本穴は長趾伸筋膜の外側ラインにあると考える。足陽明経の下腿ラインは、前脛骨筋と長趾伸筋の間を「足三里~厲兌」が、長趾伸筋と腓骨筋の間-前下腿筋間中隔-を「豊隆」流れると考える。

・豊隆から分枝。足太陰経に向かうラインと、脛の外側を巡り上って項~頭~喉へと流れるラインがある。個人的にはこのラインは少陽経との深い関わりがあるのではと考える。(足)少陽経は、後下腿筋間中隔や下腿骨間膜などの《Fascia》そのものといったイメージがあり、その意味では横下腿筋間中隔を介して足太陰経へ、腓骨膜を介して腸脛靭帯へ・・・と、筋膜のコンパートメントを通して上への向うのでは?

・このラインは『胃』と『脳』がつながる主要路となるイメージがあり、不安神経症や発狂・異常行動といった脳の問題では、陽明経(特に去痰の為の「豊隆」)をよく使う。これは、近年よく云われる”胃腸と精神”の関係を思わせる。またラインの終点を考えると、豊隆は喉(痰がつまるなど)の治療にも応用できるか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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総腓骨神経, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 脛街/血海, 衝脈, 足陽明胃経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 深腓骨神経

下巨虚(げこきょ)

ST39下巨虚(げこきょ)・下廉・巨虚下廉

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方九寸。

※前脛骨筋上、GB35)陽交とGB36)外丘と同じ高さにある。

・筋肉:前脛骨筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経由来)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

上巨虚に同じ。

【要穴】

『小腸下合穴』

【交会】

・経絡(2):衝脈之下輸(足陽明経-衝脈)

【作用】

〔通〕『衝脈(血海・脛街)之兪/通理衝脈・調理胃腸』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清瀉胃熱』

【弁証主治】

◆小腸病

心身症的な胃腸症状・顔が赤い・ひどい冷え・脈浮洪・13:00~15:00あるいは01:00~03:00の異常など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が縮んだように感じる〔補〕

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

痴呆・自律神経失調、更年期障害・内眼眦痛・腹中のひきつれ、痙攣・喉のつまり、喘息・泌尿器、婦人科疾患・股関節痛・筋力低下・皮膚静脈炎など

【主症主治】

脚気八処之穴の七/脚気〔灸100壮〕・股関節痛・足腰の筋力低下・踵痛』

【弁証配穴】

『募合配穴(小腸):関元+下巨虚』…小腸実熱証 〔瀉法〕

『八脈配穴(衝脈):下巨虚+上巨虚+大杼』…衝脈病

【主症配穴】

+帯脈…おりものの異常

+水泉…足底痛

【私見】

・上巨虚と比べ、清熱瀉下の効果がある。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

 

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総腓骨神経, 肩関節周囲炎、肩背部痛, 足陽明胃経, 深腓骨神経

条口(じょうこう)

ST38)条口(tiao1kou3)(じょうこう)

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方八寸。

・筋肉:前脛骨筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

「「条=狭く長い」。足関節を背屈させると脛の筋肉が盛り上がり、本穴周囲に口を思わせる細い溝が浮かぶ事から。

【作用】

〔瀉〕疏筋活血

【弁証主治】

◆足明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

【主症主治】

肩痛、五十肩〔透承山+局所火鍼〕・こむら返り・下肢の知覚異常、筋力低下

【配穴】

+懸鐘…下肢の筋力低下・歩行困難〔先に懸鐘を取穴し、後から条口を〕

【私見】

・五十肩で著効が出る事が多い。経絡的なつながりによるものかと思うが、要穴ではなく、なぜ本穴なのかは不明。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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ストレス/不安障害、パニック障害, 総腓骨神経, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 脛街/血海, 膝痛, 衝脈, 足陽明胃経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 深腓骨神経

上巨虚(じょうこきょ)

ST37上巨虚(shang4ju4xu1)(じょうこきょ)・上廉・巨虚上廉

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方六寸。

・筋肉:前脛骨筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

「巨虚=大きい隙間」。本穴が脛骨と腓骨の間にある事から。「巨=腸」の意味もある。

【要穴】

『大腸下合穴』

【交会】

・経絡(2):衝脈之下輸(足陽明経-衝脈)

【作用】

〔通〕『衝脈(血海・脛街)之兪/通理衝脈・温胃通腸・疏絡利湿』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清瀉胃熱・通腑瀉熱』

【弁証主治】

◆大腸病

排便異常・アレルギー疾患・脈浮・05:00~07:00あるいは17:00~19:00の異常など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆衝脈病「逆気して裏急す」

身体が縮んだように感じる(自律神経失調、更年期障害・喉のつまり、喘息・腹中のひきつれ、痙攣・〔補〕

身体が膨張したように感じる(認知症など)〔瀉〕

内眼眦痛・泌尿器、婦人科疾患・股関節痛・筋力低下・皮膚静脈炎など

【主症主治】

脚気八処之穴の六/脚気・膝痛・股関節痛・下肢の鈍痛・足腰の筋力低下』

【弁証配穴】

『募合配穴(大腸):上巨虚・曲池+天枢』…大腸実証〔瀉法〕

『八脈配穴(衝脈):上巨虚+下巨虚+大杼』…衝脈病

【主症配穴】

+関元…口内炎〔上巨虚は瀉〕

+五枢…※奔豚

【私見】

・下巨虚と比べ、温補肌肉の効果がある。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。パニック症候群に似る。

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《経外奇穴》, ストレス/不安障害、パニック障害, 精神安定、リラックス, 総腓骨神経, 脛街/血海, 致残十八穴, 風邪、呼吸器疾患, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 免疫異常, 各種依存症, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 回陽九針, 小児禁灸, 心療内科的症状, 慢性疲労、虚弱体質, 更年期障害, 治熱五十九兪, 消化器疾患, 深腓骨神経, 中風七穴

足三里(あしさんり) ※闌尾(らんび)

ST36)足三里(zu2san1li3)(あしさんり)・下陵(xia4ling2)(げりょう)・鬼邪・中兪髎

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方三寸。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

※足三里~解渓は足首を背屈して取ると良い。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経膝蓋下枝 Infrapatellar branch of Saphenous nerve

※本穴は伏在神経膝蓋下枝の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

「里=集まる」。本穴が犢鼻の下三寸にある事から。(本穴が三部三焦の疾患を治療できるところからとも

【要穴】

『足陽明経合土穴/胃下合穴(土経土穴/土気の強い穴)』

『根結:足陽明之注』

【作用】

〔補〕『補中益気・脾胃温補・調和気血』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/瀉火・清瀉胃熱』

〔通〕『水穀之海之兪/和胃通腸・去痰導滞』

【弁証主治/諸病皆治す―秦承祖-】

◆心包熱証 「土経土穴/火生土/実すれば其の子を瀉す」「逆気而泄を治す」

各種依存症・緊急反応(※副腎髄質機能亢進・脈浮洪など)・免疫異常(黄疸・リンパ節腫・喉痛)など

◆足陽明経(筋)病

耳鳴、難聴・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張など

【主症主治:脛街/血海の病】

『四総穴:腹部の症状/腹痛、胃の冷え、ひどい下痢、その他消化器疾患』

『馬丹陽天星十二穴/胸やけ、胃もたれ・大腿や膝の炎症、痛み・風邪の後の痩せ、その他』

『脚気八処之穴の五/脚気〔灸100壮〕・下肢の筋力低下・足腰のむくみと冷え』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):足三里+合谷』…腑病・胃気の病全般

『募合配穴(胃):中脘+足三里(+四縫穴・豊隆)』…食積胃脘証・胃寒証

『原合配穴(陽明経):衝陽+足三里』…足陽明経(経筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+間使…発熱悪寒

+水溝…意識障害

+肝兪〔補〕…立ちくらみ〔先補後瀉〕〔足三里は瀉〕

+気海…息切れ

+太白…喘息 〔先に三里を取り、後に太白を取る〕

+少衝〔瀉〕…母乳が出にくい・急性乳腺炎

+下脘…胃のひきつれ・嘔吐・しゃっくり〔瀉法〕

+中脘…胃炎

+期門…※霍乱〔瀉法。中脘は深く刺して良し〕

+内庭…細菌性の下痢

+支溝〔補〕…便秘

+陰陵泉…排尿障害・尿が濁る

+腕骨…急性の強い腰痛、股関節痛

右足三里+左内関…心療内科的症状〔肝気犯胃なら中脘を、鬱熱なら梁門を加える〕

【私見】

・本穴は特に「諸病皆治」とされる。 土経土穴(中央)という意味合いと、実際の臨床での汎用性の高さからかと思うが、特に『四総穴』『天星十二穴』に特記されるような胃腸症状、および『脚気八処』に挙げられる下肢の症状には効果が高い。

・土陽経の土穴は全経穴中、最も土陽性が強い。そういう意味では火性(心包・血脈・各種依存症など)に対する瀉法にも応用できるのではないだろうか?

・また土穴は中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。つまり原穴同様、子午の表裏である手厥陰心包経の病にも適用可能。陽証全般に適用かと思われる。

・和漢三才図会に、「小児は禁灸、三十才以後は努めて灸すべし」とある。

・中国では『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・気胸、暈鍼の救急穴。

・適度刺激での胃腸運動の促進作用が確認されている(極強刺激では抑制)-森秀太郎-

・徒然草(吉田兼好)には灸の記述も多い。一四八段には「四十以後の人、身に灸を加え三里を焼かざれば上気のことあり(40過ぎたら三里に灸せぇ。しないと逆上せが始まるぞ)」とあるが、更年期障害の予防としての三里灸は実際にも効果が高い。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により足に力が入らなくなる。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・個人的には、心包≒胸腺、三焦≒副腎(特に皮質)ではないかと考えている。 副腎髄質は実質、交感神経節後線維であり、※副腎皮質ホルモンの亢進は、胸腺を萎縮させ、免疫を抑制する。この三者の働きは、当院が考える「ホメオスタシスの五角形」の要になるのではと考える。

 

※副腎髄質…副腎髄質はそもそも交感神経節後線維の一種。血中にカテコールアミン(交感神経節後線維の伝達物質はみなカテコールアミン)を放出し、全身的な緊急反応をつくる。(つまり各臓器は、つながる交感神経支配と血中から二重に亢進をうける)

・アドレナリン…闘争と逃走(fight-or-flight)のホルモン。運動器への血流量増加(心臓機能上昇。消化機能低下)・呼吸機能増加・感覚器の感度上昇と痛覚の鈍化。

・ノルアドレナリン…アドレナリンと同様の働きに加え、脳に作用し注意(集中)と衝動性(決断)を高める。また長期記憶にも関わる。

・ドーパミン…副腎髄質からはごくわずか。循環血中のドーパミンの作用はまだよくわかっていないが、脳内においては意欲、動機、学習などに深く関与するといわれる。陽性(亢進)状態では幻覚・妄想など、陰性(抑制)状態では抑うつなど。

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

 

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闌尾(lan2wei3)(らんび)・闌尾穴

※経外奇穴

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻の下方五寸。脛骨前縁から一横指外側。

※個人的には前脛骨筋と長趾伸筋の隙間に取穴する。

・筋肉:前脛骨筋 Tibialis anterior /長趾伸筋 Extensor digitorum longus

・運動神経:深腓骨神経 Deep fibular nerve

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝) Lateral sural cutaneous nerve /伏在神経 Saphenous nerve

※本穴は伏在神経の領域かと思うが、すぐ外側には外側腓腹皮神経の領域が迫る。個人差もあるか?

・血管:前脛骨動脈 Anterior tibial artery

【名の由来】

本穴が虫垂炎に著効がある事から。

【主治】

虫垂炎・五十肩・胃痛・未消化便・下肢のマヒ

【配穴】

+肘尖〔灸〕…虫垂炎

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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