致残十八穴, 外側前腕皮神経, 手陽明大腸経, 指、手、手首痛, 橈骨神経

手三里(てさんり)

LI10手三里(shou3san1li3)(てさんり)・鬼邪

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方二寸。

・筋肉:腕橈骨筋/長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

本穴が肘髎より三寸の位置にある事から。

【作用】

〔瀉〕清熱解毒・清瀉陽明・疏風活絡

【弁証主治】

◆手陽明経病

鼻づまり・歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

【主症主治】

腱鞘炎

【配穴】

+合谷…舌の腫瘤

+足竅陰…上肢痛・手指のこわばり〔瀉法〕

+陥谷…お腹の張り

【私見】

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により握力が低下する。

・検証:得気はあまり強くない。深部で雀啄を続けると、「孔最」の方へわずかに響く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

外側前腕皮神経, 手陽明大腸経, 橈骨神経

上廉(じょうれん)

LI9)上廉(shang4lian2)(じょうれん)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方三寸。

・筋肉:腕橈骨筋/長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

「廉=辺縁」。本穴が腕橈骨筋筋腹の上に位置する事から。

【作用】

〔補〕補陽 ※子午の表裏から 

〔瀉〕理気通腑

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

◆腎陽虚証

身体の芯が冷える・脳虚血〔灸〕・難聴・喘息・食欲不振・臍両脇の痛み・排尿障害・足の皮膚の乾燥など

【配穴】

+下廉…下痢

【症例/個人的見解】

・下廉、上廉は腎への効能を記すものが多い。大腸と腎は子午の表裏関係にあるので理解できるが、何故下廉、上廉なのか?

・検証:得気は肘周辺、「手五里」あたりまで広く拡散する感じ。示指尖端へも走る。

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外側前腕皮神経, 手陽明大腸経, 抜け毛、円形脱毛症, 橈骨神経

下廉(げれん)

LI8)下廉(xia4lian2)(げれん)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方四寸。

※LI5)陽渓とLI11))曲池を結ぶ線上で、LI11)曲池から1/3、LI9)上廉の下方一寸にある。

・筋肉:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

「廉=辺縁」。本穴が腕橈骨筋筋腹の下に位置する事から。

【作用】

〔補〕温中伝導・滋陰 ※子午の表裏から 

〔瀉〕通経活絡・理気通腑・清宣陽明

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

◆腎陰虚証

脱毛・顔色に艶がない・唇が渇く・息切れ・喘息・背骨の際の痛み・血便・下肢のムクミなど

【配穴】

+上廉…下痢

【私見】

・下廉、上廉は腎への効能を記すものが多い。大腸と腎は子午の表裏関係にあるので理解できるが、何故下廉、上廉なのか?

・検証:得気は母指と示指の尖端へ向かう感じ。

 

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郄穴「通経活血」, 外側前腕皮神経, 手陽明大腸経, 橈骨神経

温溜(おんる)

LI7)温溜(wen1liu4)(おんる)・逆注・蛇頭・池頭

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方五寸。

・筋肉:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

【名の由来】

「温=温かい」「溜=流れる」。本穴に温経散寒の効がある事から。

【要穴】

『手陽明経郄穴』

【作用】

〔補〕温経散寒?

〔瀉〕清熱通絡・清宣陽明

【弁証主治】

◆陽明経の痛み

歯痛・三叉神経痛・項頚部痛・喉痛・五十肩・上肢痛・第2指痛・乳房痛・腹痛・下腹部痛、疝痛・下肢痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(腑):中脘+温溜・筑賓』…腑病

【主症配穴】

+期門…項頚部痛〔瀉法〕

【私見】

・効能から考えると「温病を流す=清熱の穴」と考えた方が理に適うように感じるが、どうか?

・陽経の郄穴は手足同名経の痛みに対しても影響を及ぼすのではないだろうか?

・検証:得気は手陽明経上、「商陽」と「曲池」の両方向へ。浅指屈筋の自律性攣縮もみられた。

 

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絡穴「去痰化瘀」, 外側前腕皮神経, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 橈骨神経

偏歴(へんれき)

LI6偏歴(pian1li4)(へんれき)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、手関節背面横紋の上方三寸。

※LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上で、LI5)陽渓から1/4にある。

・筋肉:長橈側手根伸筋腱・短橈側手根伸筋腱/長母指伸筋・短母指伸筋腱

・運動神経:橈骨神経

・知覚神経:外側前腕皮神経

・血管:橈骨動脈

※個人的には、橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋腱と長母指伸筋・短母指伸筋腱の走行が交叉するポイントに取穴すべきと考える。

【名の由来】

「偏=逸れる」「歴=流れ」。本穴より別枝が本脈を逸れて、手太陰経に通じる事から。

【要穴】

『手陽明経絡穴/手首から三寸、別れて太陰に入る。その別枝は上りて腕を循り、肩髃に乗じ、上りて頬を曲がり歯に偏ず。その別枝は耳に入りて宗脈に合す

『根結:手陽明之入』

【作用】

〔瀉〕開竅宣肺・疏筋活絡・通利陽明

【絡脈主治】表裏(手太陰経)にまたがる症状・手陽明絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕歯がしみるなど 

〔瀉〕難聴・下歯痛・統合失調症・チック・横隔膜のつかえ・※水蠱・過敏性腸症候群など〔繆刺法…反対側を瀉血〕

【弁証主治】

◆手陽明経(筋)病

項頚部痛・頚部の腫脹・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛など

【弁証配穴】

『原絡配穴(肺⇒大腸):太淵+偏歴』…肺病

+商陽〔繆刺…反対側を瀉血〕…手陽明絡脈実証

【私見】

・絡脈は皮下静脈との関わりが深いので、瀉血が有効。

・検証:得気は第2、3指への痺れ感、「曲池」への軽い響き、加えて「三陽絡」への重麻感。本穴は手太陰経よりも手少陽経へと絡すか?

 

※水蠱…腹が次第に膨張し、動くと水の音がするもの。

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経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 指、手、手首痛

陽渓(ようけい)

 

LI5)陽渓(yang2xi1)(ようけい)・中魁(zhong1kui2)(ちゅうかい)

【取穴】

手関節外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部。

※タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部は、長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間、母指を十分に外転、伸展するときにできる。

【名の由来】

本穴が陽経に在り、母指を外転すると浮き出る事から。

【要穴】

『手陽明経経火穴(金経火穴/火克金)』

『根結:手陽明之注』

【交会】

・経筋:手陽明経筋の結する処(腕=手首)

【作用】

〔補〕補益衛気

〔瀉〕瀉火護金・清瀉陽明・疏筋利節

【弁証主治】

◆温病気分証「喘咳寒熱を治す」

大熱悪熱・大汗・大渇・眼痛・鼻血・咳嗽・痰多・喉痛・頚部リンパ節腫・嚥下困難・胸苦しさ・尿赤・便秘・舌紅苔黄燥・脈洪数大など

◆陽明熱証「火克金」

てんかん・統合失調症・めまい・耳鳴・痔など

◆手陽明経(筋)病

頭痛・歯痛・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・肘痛・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・腱鞘炎、第2指痛など

【配穴】

+二間…歯痛・腰痛・喉の炎症

+後渓…痔

+肩髃…風疹

【症例/個人的見解】

・検証:得気は緩やかに「曲池」へ響く。

 

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《経外奇穴》, 発熱, 発汗調整, 筋の過緊張、こわばり, 耳疾患, 腰背部痛, 顔面神経麻痺, 原穴, 回陽九針, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 三叉神経痛, 代謝障害

合谷(ごうこく) ※腰痛点威霊(ようつうてん いれい)

 

LI4)合谷(he2gu3)(ごうこく)・虎口・含口・合骨

【取穴】

手背、第2中手骨中点の橈側。

【名の由来】

本穴が示指と母指を締めた時に肉が盛り上がる(大会する)事から。

【要穴】

『大腸原穴』

『根結:手陽明之溜』

【作用】

〔補〕補益原気

〔瀉〕清宣陽明・舒筋活絡・行気散滞・開竅醒志

【弁証主治】『四関穴』

◆大腸/胃/腎病(発汗、排泄など水分代謝の諸問題)

貧血、血液疾患(脈浮緩)・アレルギー疾患・発汗調節・黄疸・口や喉が渇く・消化器症状(便秘、下痢)・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆手陽明経(筋)病

歯痛・耳鳴、難聴・めまい・頚部の腫脹・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛〔透後渓〕など

【主症主治】

『四総穴/顔口の症状』

『馬丹陽天星十二穴/頭痛・顔の腫れ・感染性発熱疾患・鼻血・虫歯・咬い絞め』

【弁証配穴】

『原合配穴(陽明):合谷+足三里』…腑病・胃気の病全般

『原絡配穴(大腸⇒肺):合谷+列缺』…大腸/津病〔瀉法〕

『原募配穴(手陽明経):合谷+天枢』…手陽明経病

『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(筋)病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+復溜…多汗〔先に合谷を瀉、次に復溜を補〕

+復溜…汗がでにくい〔先に合谷を補、次に復溜を瀉〕

+解渓…めまい・眉陵の強い痛み

+内庭…鼻血

+厲兌…下歯痛

+手三里…舌の腫瘤

+迎香…顔の腫れ・痒み

+天突…喉の痙攣

+至陰…不妊

+三陰交〔瀉〕…胎児が心窩部を衝き上げる

+右足の内踝上一寸〔灸〕…堕胎

【症例検証/個人的見解】

・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の対角にある臓腑経絡も主治する。すなわち本穴は、足少陰腎経の病(主に所生病)も主治とする。

・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。

・本穴では「大腸/胃/腎」をつなぐ病状として、特に水湿代謝の問題には適応と考える。

・『四総穴』での本穴の主治も、顔面部をめぐる手(大腸)足(胃)陽明経に基づくものと考える。そういう意味では頭痛には適応とは思わない。

・また、手陽明絡脈は耳に合す。また原穴は本経だけでなく絡脈の阻滞にも有効なので、耳疾患にも適用。

・肺衛、気分証、気虚などに対する常用穴。

・汗法に用いる。汗を出させすぎないよう注意。

・『四関穴(合谷/太衝)』は、穴位としての類似性はあるが、臓腑のつながりとしては遠い。個人的には、配穴ではなく、それぞれ個別に使うべきかと思う。

・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・暈鍼の救急処置穴。臨床的に、陽虚上浮証などにも有効。

・検証:得気は「後渓」、「労宮」、「魚際」、「曲池」と多方に拡散する。刺鍼方向にもよるかと。

 

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

 

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※腰痛点 威霊(yao1tong4dian3wei1ling2)(ようつうてん いれい)・腰腿点・腰腿痛点

※経外奇穴-小児推拿方脈活嬰秘旨全書-

【取穴】

手背、第2・3中手骨間、背側手関節横紋と中手指節関節の中点。

【由来】

本穴が腰痛に高い効果を有する事から。

【主治】

ぎっくり腰・意識障害・小児のひきつけ・頭痛・耳鳴・ねちがい・頚椎症・肩関節周囲炎・手背が紅く腫れて痛む

【症例/個人的見解】

・養老と腰痛点は、急性腰痛の第一鍼として用いる事が多い。威霊は反側の脊柱際の腰痛に効果があるように感じる。

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兪(土/木)穴「体重節痛を治す」, 手陽明経筋, 手陽明大腸経

三間(さんかん)

 

LI3)三間(san1jian1)(さんかん)・少谷・小谷

【取穴】

手背、第2中手指節関節橈側の近位陥凹部。

【名の由来】

示指の第三節にある事から。

【要穴】

『手陽明経兪木穴(金経木穴/金克木)』

【作用】

〔瀉〕利湿調気・泄熱消腫・消満止泄

【弁証主治】

◆頭面部の湿証

多汗・頭痛・眼水腫・緑内障・蓄膿・難聴・耳だれなど

◆手陽明経(筋)病(痺証)「体重節痛を治す/金克木」

唇の乾燥・歯痛・項頚部痛・リンパ節腫・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛など

【主症配穴】

+攅竹…眼がゴロゴロする

+少商…唇の乾燥・嚥下困難

+間使…梅核気

+神闕〔灸〕…過敏性腸症候群

+腎兪〔補〕…風邪の後の肩背部の痛み

【症例/個人的見解】

・湿熱性の難聴(舌苔黄厚・脈滑数)に、三間を加えると良い。

・頭面部の湿証(眼水腫・緑内障・耳だれ・蓄膿など)には効果が高い。

・検証:得気は「二間」同様、第3指へ走る感じ。

 

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眼疾患, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 榮(火/水)穴「身熱を治す」

二間(じかん)

LI2)二間(er4jian1)(じかん)・間谷・周谷

【取穴】

示指、第2中手指節関節橈側の遠位陥凹部、赤白肉際。

【名の由来】

示指の第二節にある事から。

【要穴】

『手陽明経榮水穴(金経水穴/金生水/自経子穴)』

【作用】

〔補〕養筋活絡

〔瀉〕清熱消腫

【弁証主治】

◆傷寒陽明病・陽明熱証「身熱を治す/実すれば其の子を瀉す」

発熱2日目・黄疸・汗がでない・咳嗽、痰多・口渇・喉痛・頚部リンパ節腫・便秘・尿赤・舌紅苔黄燥・脈洪数大〔瀉血〕など

◆手陽明経(筋)病

鼻疾患・口唇痛・歯痛・頬痛・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、悪寒、炎症・肘痛・腱鞘炎・第2指痛など

【主症主治】

眼疾患

【配穴】

+陰郄…悪寒戦慄

+列缺…咳嗽

【症例/個人的見解】

・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。

・検証:得気は第3指尖端へと響く感じ。

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眼疾患, 精神疾患, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 井(木/金)穴「心下満を治す」

商陽(しょうよう)

 

LI1商陽(shang1yang2)(しょうよう)・絶陽・別陽・而明

【取穴】

示指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方一分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

・知覚神経:正中神経浅枝

・血管:第1背側中手動脈の枝

【名の由来】

「商=レ(金音)」。手太陰経からの経気(金気)が本穴より陽に転ずる事から。

【要穴】

『手陽明経井金穴(金経金穴/金気の強い穴)』

『根結:手陽明之根』

【交会】

・経筋:手陽明経筋の起する処

【作用】

〔瀉〕瀉土・清利咽喉・解表退熱・清熱消腫・開竅醒脳

【弁証主治】

◆胃熱証「金経金穴/土生金/実すればその子を瀉す

悪寒戦慄をともなう3日以上の高熱・意識障害 ・黄疸・リンパ節腫・注意欠陥多動性障害、統合失調症・鼻血・口唇チック・舌炎〔金針で瀉血〕・食べてもすぐ空腹になる・アレルギー疾患・自己免疫疾患・脈弦急~洪数など

◆気滞証「心下満を治す」

躁鬱、不安障害・耳鳴、難聴・嚥下困難・胸苦しさ・喘息・げっぷ・腹脹など

◆手陽明経(筋)病

歯痛・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢の痛み、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛など

 

【主症主治】

眼疾患(麦粒腫)

【弁証配穴】

商陽〔繆刺…反対側を瀉血〕+偏歴…手陽明絡脈実証

【主症配穴】

+太渓…発熱〔瀉法〕

+肝兪…急性の視力低下・失明〔商陽は巨刺〕

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会には「妙灸の穴」とある。

・金陽経の金穴は全経穴中、最も金陽性が強い。臓腑経絡のつながりを考えると、特に胃(土性/陽明)に対する瀉法に適応と考える。

・井穴はその位置的に、いずれも瀉熱作用〔瀉血〕が強い。

・手陽明絡脈は耳に合す。井穴は「心下満/気滞を治す」ので、本経だけでなく絡脈の阻滞にも有効な様子。

・検証:得気は鋭く、手陽明経上を「曲池」付近まで走る。

 

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