禁鍼穴, 手陽明大腸経

手五里(てごり)

 

LI13)手五里(shou3wu3li3)(てごり)・尺之五里・尺之五里間

【取穴】

上腕外側、LI11)曲池とLI15)肩髃を結ぶ線上、肘窩横紋の上方三寸。

【名の由来】

本穴が、手三里から上がること五寸の位置にある事から。

【作用】

〔瀉〕行気散瘀

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹〔巨刺灸法〕・肘痛・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

【配穴】

+臂臑…頚部リンパ節結核

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会に「禁鍼穴」とある。太い鍼で橈骨神経を傷つける事を恐れた為か?

・検証:得気は上方「臂臑」あたりに響く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《経外奇穴》, 肘痛, 手陽明大腸経

肘髎(ちゅうりょう) ※肘尖(ちゅうせん)

 

LI12)肘髎(zhou3liao2)(ちゅうりょう)・肘尖

【取穴】

肘後外側、上腕骨外側上顆の上縁、外側顆上陵の前縁。

【名の由来】

「髎=骨際にある陥凹」。本穴が上腕骨外側上顆上際にある事から。

【作用】

〔瀉〕疏筋利節

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

【主症主治】

肘痛、テニス肘など

【症例/個人的見解】

・検証:得気は「天井」付近に響く。一方第3、4指方面にも響くことから、手少陽経へのアプローチにはなるか?

 

―――――――――――――――――

肘尖(zhou3jian1)(ちゅうせん)

※経外奇穴ー備急千金要方-鍼灸大全-

【取穴】

肘後部、肘を屈し、尺骨肘頭の尖端。天井の下一寸。

【名の由来】

本穴の位置から。

【主治】

結核性リンパ節炎・疔瘡・※霍乱

【配穴】

+闌尾…虫垂炎〔肘尖は灸〕

 

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

アレルギー疾患, 発熱, 眼疾患, 十三鬼穴(多動性精神疾患), 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 手陽明経筋, 手陽明大腸経, 中風七穴

曲池(きょくち)

 

LI11)曲池(qu1chi2)(きょくち)・鬼臣(gui3chen2)(きしん)・鬼腿(gui3tui3)(きたい)・陽澤・目灸

【取穴】

肘外側、LU5)尺澤と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。

※肘を十分に屈曲したとき、肘窩横紋上外端の陥凹部にある。

【名の由来】

「曲=曲げる」「池=陥凹」。肘を曲げた時に、この位置に陥凹ができる事から。

【要穴】

『手陽明経合土穴(金経土穴/土生金/自経母穴)』

『標本:手陽明之本(肘骨)』

【交会】

・経筋:手陽明経筋の結する処(肘外)

【作用】

〔補〕調和気血・温経散寒

〔瀉〕気血宣通・解熱消炎・清熱陽明・舒筋活絡

【弁証主治】

◆大腸/胃/腎病「逆気而泄を治す/虚すれば其の母を補う」

胃腸障害(虚弱・萎縮性胃炎・下痢・便秘・血便・脱肛・口渇など)

アレルギー疾患(鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎など

サルコペニア(加齢性の腰痛〔得気が得られた段階で抜く。置鍼は必要ない〕)・視力低下・歯痛など

◆手陽明経(筋)病

項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、悪寒〔灸7壮〕、炎症・第2指痛など

【主症主治】

『馬丹陽天星十二穴/熱性疾患(頚部リンパ節腫・帯状疱疹・出血傾向)・嚥下困難・肘痛・上肢のマヒなど』

【弁証配穴】

『募合配穴(大腸):上巨虚・曲池+天枢』…大腸実証〔瀉法〕

『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(手陽明経筋)病

【主症配穴】

『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕


『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+少衝…発熱

+陽陵泉…半身不随・四肢の痙攣

+水溝〔瀉〕…猫背〔曲池は補〕

+肩井…頚部リンパ節腫

+丘墟〔透照海〕…胆嚢炎

+血海…アレルギー性の蕁麻疹・皮膚の痒み

【症例/個人的見解】

・土穴には中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。 つまり原穴同様、子午の表裏である足少陰腎経の病にも適用可能。

・個人的には原穴同様、【臓腑複合連関】でつながる「胃/大腸/腎」の複合的疾患に適応と考える。 

・去風退熱の要穴。また十三鬼穴の第十二穴。精神疾患に著効とあるが、発熱が前提であることを考慮すべし。

・背に灸する時は、過度の上逆を抑える為に同時に曲池にも灸をすること。

・検証:得気は肘全体に響く。浅層で腕橈骨筋に自律性攣縮あり。中層で『臂臑』と『陽渓』の両方向へ、深層では逆に響きが消える感じ。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

致残十八穴, 手陽明大腸経, 指、手、手首痛

手三里(てさんり)

 

LI10)手三里(shou3san1li3)(てさんり)・鬼邪

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方二寸。

【名の由来】

本穴が肘髎より三寸の位置にある事から。

【作用】

〔瀉〕清熱解毒・清瀉陽明・疏風活絡

【弁証主治】

◆手陽明経病

鼻づまり・歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

【主症主治】

腱鞘炎

【配穴】

+合谷…舌の腫瘤

+足竅陰…上肢痛・手指のこわばり〔瀉法〕

+陥谷…お腹の張り

【症例/個人的見解】

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により握力が低下する。

・検証:得気はあまり強くない。深部で雀啄を続けると、「孔最」の方へわずかに響く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

手陽明大腸経

上廉(じょうれん)

 

LI9)上廉(shang4lian2)(じょうれん)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方三寸。

【名の由来】

「廉=辺縁」。本穴が腕橈骨筋筋腹の上に位置する事から。

【作用】

〔補〕補陽 ※子午の表裏から 

〔瀉〕理気通腑

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

◆腎陽虚証

身体の芯が冷える・脳虚血〔灸〕・難聴・喘息・食欲不振・臍両脇の痛み・排尿障害・足の皮膚の乾燥など

【配穴】

+下廉…下痢

【症例/個人的見解】

・下廉、上廉は腎への効能を記すものが多い。大腸と腎は子午の表裏関係にあるので理解できるが、何故下廉、上廉なのか?

・検証:得気は肘周辺、「手五里」あたりまで広く拡散する感じ。示指尖端へも走る。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

手陽明大腸経, 抜け毛、円形脱毛症

下廉(げれん)

 

LI8)下廉(xia4lian2)(げれん)

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方四寸。

※LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上で、LI11)曲池から1/3、LI9)上廉の下方一寸にある。

【名の由来】

「廉=辺縁」。本穴が腕橈骨筋筋腹の下に位置する事から。

【作用】

〔補〕温中伝導・滋陰 ※子午の表裏から 

〔瀉〕通経活絡・理気通腑・清宣陽明

【弁証主治】

◆手陽明経病

歯痛・頚部の腫脹・上肢のマヒ、悪寒、炎症など

◆腎陰虚証

脱毛・顔色に艶がない・唇が渇く・息切れ・喘息・背骨の際の痛み・血便・下肢のムクミなど

【配穴】

+上廉…下痢

【症例/個人的見解】

・下廉、上廉は腎への効能を記すものが多い。大腸と腎は子午の表裏関係にあるので理解できるが、何故下廉、上廉なのか?

・検証:得気は母指と示指の尖端へ向かう感じ。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

郄穴「通経活血」, 手陽明大腸経

温溜(おんる)

 

LI7)温溜(wen1liu4)(おんる)・逆注・蛇頭・池頭

【取穴】

前腕後外側、LI5)陽渓とLI11)曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方五寸。

【名の由来】

「温=温かい」「溜=流れる」。本穴に温経散寒の効がある事から。

【要穴】

『手陽明経郄穴』

【作用】

〔補〕温経散寒?

〔瀉〕清熱通絡・清宣陽明

【弁証主治】

◆陽明経の痛み

歯痛・三叉神経痛・項頚部痛・喉痛・五十肩・上肢痛・第2指痛・乳房痛・腹痛・下腹部痛、疝痛・下肢痛など

【弁証配穴】

『郄会配穴(腑):中脘+温溜・筑賓』…腑病

【主症配穴】

+期門…項頚部痛〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・効能から考えると「温病を流す=清熱の穴」と考えた方が理に適うように感じるが、どうか?

・陽経の郄穴は手足同名経の痛みに対しても影響を及ぼすのではないだろうか?

・検証:得気は手陽明経上、「商陽」と「曲池」の両方向へ。浅指屈筋の自律性攣縮もみられた。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675