神経変性疾患, ED、男性生殖器疾患, 脛街/血海, 脛骨神経, 膝痛, 衝脈, 足少陰経筋, 足少陰腎経, 合/下合(水/土)穴「逆気而泄を治す」, 大腿神経・伏在神経, 太衝(血流不全), 婦人科疾患, 更年期障害

陰谷(いんこく)

 

KI10)陰谷(yin1gu3)(いんこく)

【取穴】

膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上。

・筋肉:半腱様筋・半膜様筋

・運動神経:脛骨神経

・知覚神経:伏在神経

・血管:膝関節動脈網

【名の由来】

本穴が膝内(陰)側、筋腱の陥凹部にある事から。

【要穴】

『足少陰経合水穴(水経水穴/水気の強い穴)』

【交会】

・経筋:足少陰経筋の結す処(内輔の下/脛骨内側顆)

【作用】

〔補〕滋腎清熱

〔瀉〕『水兪五十七処“太衝”/通利三焦』

【弁証主治】

◆足少陰経(筋)病/気逆/衝脈病「逆気而泄を治す/逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・皮膚静脈炎)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(認知症・錐体外路系障害・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下))〔補〕 など

【主症主治】

膝痛

【私見】

・水陰経の水穴は全経穴中、最も水陰性が強い。五行に基づけば、木性(肝/胆・筋・眼など)に対する補法にも応用できるが、【複合的臓腑連関】に基づけば、「水」と「木」の間には「もうひとつの火(心/小腸)」が挟まる。 故に本穴は、木性への波及効果はあまりないと考える。

・『水兪五十七処』の“太衝”に数えられる。精-血の異常に効果が高い。個人的には衝脈に属すと考える。

・足少陰経筋の病-仲秋痺-は「此筋折紐、紐発数甚者、死不治」とある。個人的には錐体外路系の変性疾患を思わせる。

 

※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。 しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

発汗調整, 経(金/火)穴「喘咳寒熱を治す」, ED、男性生殖器疾患, 脛街/血海, 脛骨神経, 衝脈, 足少陰腎経, 大腿神経・伏在神経, 太衝(血流不全), 婦人科疾患, 更年期障害

復溜(ふくりゅう)

 

KI7復溜(fu4liu1)(ふくりゅう)・復白・伏白・胃陽・外命・外命兪・昌陽

【取穴】

下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方二寸。

・筋肉:踵骨腱・長母趾屈筋・長趾屈筋

・運動神経:脛骨神経

・知覚神経:伏在神経

・血管:後脛骨動脈

※KI8)交信と同じ高さで後方にある。

【名の由来】

「復溜=伏し留る」。足少陰脈気が本穴で一度停留する事から。

※子午流注説難の「其太溪是正经之脉、复从内踝稍后、二寸此溜」に由来するとも。

【要穴】

『足少陰経経金穴(水経金穴/金生水/自経母穴)』

【作用】

〔補〕培補腎陰・滋陰宣肺・益髄健脳・滋陰降火・壮筋補虚

〔瀉〕『水兪五十七処“太衝”/通利三焦・開竅腠理』

【弁証主治】

◆腎虚証/肺腎両虚証「喘咳寒熱を治す/虚すれば其の母を補う」

発熱畏寒・発汗異常・鼻、口唇、肌の乾燥・咳嗽、喘息・成長発育不全・代謝不全・排便異常・痔・脈沈遅・17:00~19:00あるいは05:00~07:00の異常など

◆足少陰経病/衝脈病「逆気して裏急す」

身体が膨張したように感じる(不眠・泌尿器、婦人科疾患・更年期障害・皮膚静脈炎)〔瀉〕

身体が縮んだように感じる(認知症・錐体外路系障害・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下))〔補〕 など

【主症主治】

内踝痛・踵痛・足底痛・足5指痛

【主症配穴】

+合谷…発汗調整

+水分…お腹が張る・むくみ・腹水

+承山…痔・腹痛

+委中…腰背部痛

+腎兪…頻尿・むくみ

【私見】

・『水兪五十七処』の“太衝”に数えられる。精、血の異常に効果が高い。個人的には衝脈に属すと考える。

・甲乙経に「刺無多見血」とある。出血は控えるべきか?

・古典では総じて、多汗には復溜を補し、無汗には復溜を瀉す記述が多い。また発汗調節には「合谷」との配穴が多くみられる。

・個人的には、肺/腎というより、肺/大腸との関係を念頭に、選穴すべきと考える。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

神経変性疾患, 脛骨神経, 陰蹻脈, 足少陰腎経, 八宗穴/八脈交会穴, 大腿神経・伏在神経

照海(しょうかい)

 

KI6照海(zhao4hai3)(しょうかい)・陰蹻

【取穴】

足内側、内果尖の下方一寸、内果下方の陥凹部。

・筋肉:後脛骨筋腱・長趾屈筋腱・長母趾屈筋腱

・運動神経:脛骨神経

・知覚神経:伏在神経

・血管:後脛骨動脈

※KI6)に対応する外側の経穴はBL62)申脈である。

※足根洞(距骨と踵骨の間にある溝)にうまく入れば深刺も可。

【名の由来】

「照=光火」「海=流れがまとまる深処」。腎は水火の臓であり、水中に火が有る様を喩えて。

【要穴・交会】

『八脈交会穴(×陰蹻脈)/陰蹻脈発所』

※正穴中、特に奇経の性質が強い。

【作用】

〔補〕滋陰補腎

〔瀉〕利咽明目・寛胸快膈・通経安神・清熱利湿

【弁証主治】

◆陰蹻脈病「陽緩み陰急す」

てんかん・寒熱症状、自律神経失調 ・視力低下、眼裏痛・※昌陽脈腰痛・疝痛・下肢内側のこわばり、O脚・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛・錐体外路系障害など

◆足少陰経病

貧血、血液疾患・痴呆・喘息・老化症など

【配穴】

『八脈交会配穴:照海+列缺/さまざまな難病(パーキンソンなど)・喉の諸症(痰が喉につまるなど)』〔瀉血〕

+天突/廉泉…梅核気

+中極…陰部の掻痒〔瀉法〕

+京門…排尿障害・尿が黄色い〔瀉法〕

【私見】

・陰蹻脈は「一身左右の陰を主る」ことから、臨床では巨刺・繆刺を多用する。

・「陽緩み陰急す」を姿勢からみると、前傾前屈姿勢となる。この姿勢に加え、「蹻=足を高くあげて歩く・力強く歩く様・敏捷」を病むと考えた時、パーキンソン病をはじめとするような錐体外路系の変性疾患に対して、陰蹻脈は適応かと考える。

・陰蹻脈の病証では、表に異常がなく裏が病み(表面上に異常がないが症状が強いなど)、夜に症状がでる事が多い。

・『列缺+照海』の配穴は、肺/腎の関係というより、絡穴の性質(表裏をつなぐ)を介しての大腸/腎の卯酉関係に基づくものと考える。手陽明大腸経との配穴をもう少し研究すべきか?

・陰を病むと熱を生ず。

 

※昌陽之脈腰痛…腰痛が脇肋までひきつれ、視界がぼやけ、甚だしい時には背中が反り返り、舌が巻き上がって話せない。

※-素問刺腰痛篇第四十一-に記載の『昌陽之脈』を、陰蹻脈とする説もある。「昌陽」は復溜の別名でもあるが(「内筋」は交信の別名)、復溜も陰蹻脈に係わるという事か?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

膝痛, 致残十八穴, 足陽明経筋, 足陽明胃経, 大腿神経・伏在神経

犢鼻(とくび) ※膝眼(しつがん)

ST35)犢鼻(du2bi2)(とくび)外膝眼(wai4xi1yan3)(がいしつがん)

【取穴】

膝前面、膝蓋靱帯外方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨外方の陥凹部にある。

・筋肉:膝蓋靭帯

・知覚神経:伏在神経膝蓋下枝

・血管:膝関節動脈網

【名の由来】

「犢=子牛」。本穴のある膝蓋靱帯周囲の形が、子牛の鼻を思わせる事から。

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処(膝)

【作用】

〔瀉〕通経活絡・疏風散寒・消腫止痛

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

【主症主治】

脚気八処之穴の三/脚気〔灸50壮〕・膝痛・足第3指痛』

【配穴】

+昆侖…咳嗽・疼痛〔瀉法〕

+膝関…大腿や膝の炎症〔瀉法〕

【私見】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

 

―――――――――――――――――

内膝眼(nei4xi1yan3)(ないしつがん)・膝両眼・膝目・鬼眼

※経外奇穴-備急千金要方-

【取穴】

膝前面、膝蓋靱帯内方の陥凹部。

※膝を屈したとき、膝蓋骨内方の陥凹部にある。

・筋肉:膝蓋靭帯

・知覚神経:伏在神経膝蓋下枝

・血管:膝関節動脈網

【名の由来】

膝蓋靱帯両側の陥凹が、あたかも眼窩のように見える事から。

【主治】

脚気八処之穴の四/脚気・膝疾患』

生理痛

【私見】

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝組織の損傷を招く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

郄穴「通経活血」, 腹痛, 膝痛, 致残十八穴, 足陽明胃経, 外側大腿皮神経, 大腿神経・伏在神経, 婦人科疾患

梁丘(りょうきゅう) ※鶴頂(かくちょう)

ST34)梁丘(liang2qiu1)(りょうきゅう)・跨骨・鶴頂・髖骨

【取穴】

大腿前外側、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間、膝蓋骨底の上方二寸。

・筋肉:外側広筋

・運動神経:大腿神経

・知覚神経:外側大腿皮神経、大腿神経前皮枝

・血管:外側大腿回旋動脈、外側上膝動脈

※大腿の筋を緊張させると、大腿直筋腱と外側広筋がより明瞭になる。ST34)梁丘は、大腿直筋腱と外側広筋の間でST33)陰市の直下一寸にある。

【名の由来】

「丘=盛り上がった処」。膝を屈曲して盛り上がった筋肉の際に本穴がある事から。

【要穴】

『足陽明経郄穴』

【作用】

〔補〕寧心定痛

〔瀉〕疏肝和胃・通経活絡

【弁証主治】

◆陽明経の痛み

婦人科疾患(乳房痛・腹痛・下腹部痛、疝痛など)・胃痙攣、胃痛・歯痛・三叉神経痛・項頚部痛・喉痛・五十肩・上肢痛・第2指痛・下肢痛など

【主症主治】

足の冷え(氷のような)

【弁証配穴】

『郄会配穴(血):隔兪+梁丘・地機』…血病

【主症配穴】

+地五会…乳房の痛み〔瀉法〕

+中脘…胃痛・胃痙攣

【私見】

・陽経の郄穴は手足同名経の痛みに対しても影響を及ぼすのではないだろうか?

・婦人科疾患(不妊など)には効果が高い様子。ある報告では女性ホルモンと大腿四頭筋および膝の構成靭帯の硬度には相関の可能性があることが示唆されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/4/23_4_509/_pdf

・大腿部の穴を婦人科系に用いるのは、有意義であるかもしれない。

 

―――――――――――――――――

※鶴頂(he4ding3)(かくちょう)

※経外奇穴-医学綱目-

【取穴】

大腿前面、膝蓋骨上縁の中点陥凹部。

・筋肉:大腿直筋腱

・運動神経:大腿神経

・知覚神経:外側大腿皮神経、大腿神経前皮枝

・血管:外側大腿回旋動脈、外側上膝動脈

【名の由来】

膝蓋骨の形が鶴の頭に似ており、その頂点にあることから。

【主治】

膝疾患全般

【配穴】

+内膝眼+犢鼻(外膝眼)+足三里+陰陵泉…膝痛(痰湿性)

【私見】

・鶴頂とは少しずれるが、膝蓋骨部の痛みに対し瀆鼻から鶴頂へ横透刺を行ったところ、著効があった例がある。

・武術的な「致残十八穴」の一つ。打突により膝組織の損傷を招く。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

禁灸穴, 膝痛, 足陽明胃経, 外側大腿皮神経, 大腿神経・伏在神経, 婦人科疾患

陰市(いんし)

ST33)陰市(yin1shi4)(いんし)・陰鼎

【取穴】

大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方上三寸。

・筋肉:外側広筋

・運動神経:大腿神経

・知覚神経:外側大腿皮神経、大腿神経前皮枝

・血管:外側大腿回旋動脈

【名の由来】

「市=集まる処」。本穴が陽経にありながら、陰証に効果がある為、陰の集まる処との意。

【作用】

〔温補〕温経散寒・温腎強腰

〔瀉〕疏筋活絡

【弁証主治】

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

【主症主治】

婦人科疾患・膝の炎症

【配穴】

+少海…狭心症

+風市…股関節、大腿部痛 〔金鍼で瀉法〕〔風湿が原因である場合は灸〕

【私見】

・鍼灸甲乙経、和漢三才図会に「禁灸穴」とあるが、臨床上、使用して問題はないように思われる。

・婦人科疾患(不妊など)には効果が高い様子。ある報告では女性ホルモンと大腿四頭筋および膝の構成靭帯の硬度には相関の可能性があることが示唆されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/4/23_4_509/_pdf

・大腿部の穴を婦人科系に用いるのは、有意義であるかもしれない。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675