胆(膵), 陽維脈, 足少陽胆経, 募穴「瀉実」

日月(じつげつ)

GV24)日月(ri4yue4)(じつげつ)・神光・胆募

【取穴】

前胸部、第7肋間、前正中線の外方四寸。

※乳頭中央の直下で、LR14)期門の1肋骨下にある。

※女性では、鎖骨中線と第7肋間の交点にある。

※ロブソン胆嚢圧診点に近い。

【名の由来】

「日月=明(決断…物事の理を明らかにする)」。胆は決断の出づる処である事から、胆募穴である本穴に。

【要穴】

『胆募穴』

【交会】

・経絡(3):足少陽経-足太陰経-陽維脈

※-鍼灸大成-には「足太陰、少陽、陽維之会」とあるが、-鍼灸甲乙経-には「足太陰、少陽之会」とある。

【作用】

〔瀉〕疏調肝胆・和中降逆

【弁証主治】

◆胆病/骨病

几帳面な性格、イライラして怒りやすい・めまい・顔面蒼白・外眼眦痛・胃酸や胆汁の逆流・胆石・脈弦・23:00~01:00あるいは11:00~13:00の異常など

◆足少陽経病

片頭痛・口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・足第4指のマヒ・皮膚の乾燥など

◆足太陰経病

貧血、血液疾患・嚥下困難・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・婦人科疾患など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・腰痛など

【弁証配穴】

『兪募配穴(胆):日月+胆兪』…胆病

『原募配穴(足少陽経):日月+丘墟』…足少陽経病

『募合配穴(胆):日月+陽陵泉』…胆実証

【主症配穴】

+大横…躁鬱、不安障害・下腹部の熱痛〔瀉法〕

+(右)期門…上腹部の激痛・胆管結石〔瀉法/日月・期門とも右〕

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

陽維脈, 足少陽胆経, 妊婦禁鍼, 中風七穴

肩井(けんせい)

 

GB21肩井(jian1jing3)(けんせい)・膊井

【取穴】

後頚部、第7頚椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点。

・筋肉:僧帽筋/肩甲挙筋

・運動神経:《Ⅺ》副神経、頚神経叢筋枝(僧帽筋)・肩甲背神経(肩甲挙筋)

・知覚神経:鎖骨上神経

・血管:頚横動脈

【名の由来】

「井=陥凹」。本穴の位置から。

【交会】

・経絡(4):手足少陽経-足陽明経-陽維脈

※-鍼灸甲乙経-には「手少陽、陽維之会」、-鍼灸大成・聚英-には「手足少陽、足陽明、陽維之会。連入五臓」とある。

【作用】

〔補多瀉少〕通経活絡・割痰開竅

【弁証主治】

◆少陽経病

多汗・偏頭痛・耳鳴、難聴・聾唖・口苦・溜息・肩、肩胛骨痛・上肢痛、マヒ、火照り・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥・※副腎皮質機能亢進症状など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・産後の手足の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+中極…胎盤がうまくでない〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・刺入方向に注意すること。

・-玉竜歌-に、「肩井は真気の集まる処なので、補多瀉少が良い」とある。要注意。

・妊娠初期は禁忌。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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《アーユルヴェーダ・マルマ》, 精神疾患, 耳疾患, 脳、神経症状, 致命三十六穴, 陽維脈, 陽蹻脈, 項頚部痛, 頭痛, 足少陽胆経, 中風七穴

風池(ふうち)

 

GB20)風池(feng1chi2)(ふうち)・熱府

【取穴】

前頚部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部。

※GV16)風府と同じ高さにある。

・筋肉:頭半棘筋・頭板状筋/大後頭直筋・下頭斜筋

・運動神経:脊髄(頚)神経(頭半棘筋・頭板状筋)・後頭下神経(大後頭直筋・下頭斜筋)

・知覚神経:脊髄(頚)神経後枝

・血管:後頭動脈(深部に椎骨動脈が通る)

【名の由来】

「池=浅い溝」。風邪は「池」に好んで留まる事から、風証の治療点として。

【交会】

・経絡(4):手足少陽経-陽維脈-陽蹻脈

※鍼灸大成・聚英には「手足少陽、陽維之会」とあるが、難経二十八難・奇経八脈考には、陽蹻脈が「入風池而終」とある。

【作用】

〔瀉〕疏風解表・熄風潜陽・清脳安眠・聡耳明目

【弁証主治】

◆少陽経病

多汗・偏頭痛・耳鳴、難聴・聾唖・口苦・溜息・肩、肩胛骨痛・上肢痛、マヒ、火照り・脇肋痛・足首痛・※癭気・皮膚の乾燥、発疹・※副腎皮質機能亢進症状など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・四肢の冷え・胸苦しさなど

◆陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

※脳風〔灸〕・てんかん、意識障害・統合失調症・睡眠障害・半身不随・めまい・頭痛〔金鍼。痒麻が主ならば補、疼痛が主ならば瀉〕・視力低下、眼疾患〔繆刺〕・鼻血・腰背部痛・下肢外側のこわばり、外反足・部位がはっきりしない疼痛・パーキンソン症候群など

【主症主治】

急性の痛み、めまい・三叉神経痛・顔面神経マヒ・項頚部のこわばり、可動不利

【主症配穴】

『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』

+百会…発作性の痙攣・ひきつけ(てんかん発作など) 〔灸法〕

+印堂…めまい

【症例/個人的見解】

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

・繆刺を多用。

・個人的には、陰陽蹻脈は、中枢神経系との関わりが強い脈を考えている。精神疾患やパーキンソン、むずむず脚症候群などには多用している。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「krkatika(頚関節/骨のマルマ)」と呼ばれ、頚の可動不利に治効があるとされる。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。頚椎損傷。

 

※癭気(癭瘤)…肩項などに生じる腫瘤。色紅突出・皮膚弛緩・根本下垂。刀鍼などで軽々しく破ってはならない(出血が止まらない時がある)。

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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脳、神経症状, 陽維脈, 足少陽胆経, 治熱五十九兪

脳空(のうくう)

 

GB19)脳空(nao3kong1)(のうくう)・顳顬

【取穴】

頭部、外後頭隆起上縁と同じ高さ、GB20)風池の真上。

※GV17)脳戸とBL9)玉枕と同じ高さにある。

【名の由来】

「空=隙間」。本穴が脳戸の外2寸の陥凹部にある事から。

【交会】

・経絡(2):足少陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清熱散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

脳風・眼疾患・動悸・下垂体の機能障害

【症例/個人的見解】

・魏の武帝が頭痛を患った時、華陀が本穴に鍼を打つと、ただちに治ったらしい。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

※脳風…健忘・急性の頭痛・めまいと耳鳴・蓄膿・泡の様な涎を吐くなど。脳腫瘍などによるものか?

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 眼疾患, 脳、神経症状, 陽維脈, 足少陽胆経, 治熱五十九兪

承霊(しょうれい)

 

GB18)承霊(cheng2ling2)(しょうれい)

【取穴】

頭部、前髪際から入ること四寸、瞳孔線上。

※GB17)正営の後方一寸五分で、BL7)通天と同じ高さにある。

※個人的には、「瞳孔線とΛ縫合の交点」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

「承=受け取る」「霊=神」。足少陽経が正営~通天~百会を経由して神(脳)に通じ、本穴より再び頭上三行線に戻る事から。

【交会】

・経絡(2):足少陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清熱散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

 ◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

パニック症候群・眼疾患・鼻水が止まらない・鼻血・喘息・胃酸過多・肝疾患

【症例/個人的見解】

・古典には「禁鍼穴」とある。何故か?

・個人的には、頭蓋の穴は、縫合線に沿って取穴すべきと考える。

・また、アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 眼疾患, 陽維脈, 足少陽胆経, 治熱五十九兪

正営(しょうえい)

 

GB17)正営(zheng4ying2)(しょうえい)

【取穴】

頭部、前髪際から入ること二寸五分、瞳孔線上。

※GB15)頭臨泣の上方二寸にある。

※個人的には本穴は「瞳孔線と冠状縫合の交点」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

「正=正確」「営=営気」。本穴より、営気が脳に正確に輸送される事から。

【交会】

・経絡(2):足少陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清熱散風・清瀉諸陽之熱逆』

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

パニック症候群・眼疾患・歯痛・胃酸過多

【症例/個人的見解】

・個人的には頭部の穴は、頭蓋縫合に沿って配穴すべきと考える。

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675

眼疾患, 陽維脈, 足少陽胆経, 治熱五十九兪

目窓(もくそう)

 

GB16)目窓(mu4chuang1)(もくそう)・至栄

【取穴】

頭部、前髪際から入ること一寸五分、瞳孔線上。

※GB15)頭臨泣の上方一寸にある。

※個人的には本穴は「瞳孔線上、頭臨泣と正営の中点」に取穴すべきと考える。

【名の由来】

本穴に視野を広げる効がある事から。

【要穴】

・経絡(2):足少陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清瀉熱逆・散風絡明目』

【弁証主治】

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

眼痛・視力低下・羞明

【配穴】

+陥谷…頭や眼瞼のムクミ〔瀉法〕

+大陵…眼炎〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・個人的には頭部の穴は、頭蓋縫合に沿って配穴すべきと考える。

・陽(維・蹻)を病むと寒を生ず。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵

埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F

☎ 048-851-9675