《アーユルヴェーダ・マルマ》, 陽維脈, 手少陽三焦経

天髎(てんりょう)

 

TE15)(tian1liao2)(てんりょう)

【取穴】

肩甲部、肩甲骨上角の上方陥凹部。

※上肢を下垂したとき、GB21)肩井とSI13)曲垣の中央にある。

【名の由来】

「天」=ここでは肩胛骨を指す。本穴の位置から。

【交会】

・経絡(3):手足少陽経-陽維脈

【作用】

〔瀉〕清熱解表・寛胸理気・舒筋利節

【弁証主治】

◆少陽経病

多汗・耳鳴、難聴・口苦・溜息・喉痛・肩の可動不利・上肢痛、マヒ・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥・※副腎皮質機能亢進症状など

◆陽維脈病「寒熱に苦しむ」

悪寒戦慄をともなう高熱・往来寒熱・リンパ節腫・てんかん、意識障害・躁鬱・四肢の冷え・めまい・胸苦しさ・腰痛など

【主症主治】

【配穴】

+曲池…肩腕部痛〔瀉法〕

【症例/個人的見解】

・心包と三焦は、腎との関わりが非常に強いと考えられる。個人的には、副腎皮質ホルモンの亢進症状が三焦の病をイメージさせる。

・陽を病むと寒を生ず。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「amasa(肩/脈管のマルマ)」と呼ばれ、肩の可動不利(腕が挙がらない)に治効があるとされる。

 

※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。

・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。

・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。

・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, むくみ、冷え症, , 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 足太陽膀胱経, 免疫力、抵抗力向上, 更年期障害, 三焦

胞肓(ほうこう)

 

BL53)胞肓(bao1huang1)(ほうこう)

【取穴】

臀部、第2仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨陵の外方三寸。

※BL53)胞肓、BL28)膀胱兪、BL32)次髎は、第2仙骨孔と同じ高さにある。

※小野寺仙部圧診点(大腸・直腸・肛門の診断点)に近い。

【名の由来】

「胞=膀胱、女子胞」「肓=脂肪組織」。本穴が膀胱兪の外、脇腹の脂肪の内に在る事から。

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水』

〔瀉〕通経活絡

【弁証主治】

◆膀胱虚証/腎病

成長発育不全、代謝不全、極度の痩せ・顔色が黒い・腰痛・※癥積・泌尿器、婦人科疾患〔瀉〕・下痢、排便異常・痔・脈沈遅など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

下肢マヒ・下肢の血流不全

【症例/個人的見解】

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。また「肓=腎より生じるもの」、「胞=女子胞」であることから、腎病、特に泌尿器、婦人科疾患に対して有効だと思う。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「nitamba(臀部/脈管のマルマ)」と呼ばれ、下肢マヒと血流不全に治効があるとされる。

 

※癥積…腹内の痞塊で、固定性で痛所が一定で動かないもの。出たり散ったりして痛所が定まらないものを瘕聚という。

 

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《アーユルヴェーダ・マルマ》, 肩甲背神経, 胸神経後枝, 足太陽膀胱経

臆譆(いき)

 

BL45)臆譆(yi4xi1)(いき)・五胠兪

【取穴】

上背部、第6胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方三寸。

※BL45)臆譆、BL16)督兪とGV10)霊台は、第6胸椎棘突起下と同じ高さにある。

・筋肉:菱形筋/脊柱起立筋

・運動神経:肩甲背神経/脊髄(胸)神経後枝

・知覚神経:脊髄(胸)神経後枝

・血管:頚横動脈

【名の由来】

「臆譆=溜息」。患者が溜息をすると、本穴にてその響きが一番強く感じられる事から。

※解剖学的『聴診三角』に、部位的にも一致する。

【作用】

〔瀉〕宣肺解表・和胃降逆

【弁証主治】

足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

胸腔内の血流不全・喘息・ゲップ・肩甲間部痛・心痛・お腹の張痛

【配穴】

+然谷…半身不随(発熱・ひきつけ)

【私見】

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「brhati-siras(多くの脈管/脈管のマルマ)」と呼ばれ、胸腔内の血流不全に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, 背兪穴「補虚/交感神経賦活」, 腎兪(腰痛・泌尿器、婦人科疾患), 膀胱, 足太陽膀胱経, 坐骨神経痛, 下殿神経, 仙骨神経後枝

膀胱兪(ぼうこうゆ)

BL28膀胱(pang2guang1shu4)(ぼうこうゆ)

【取穴】

仙骨部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨陵の外方一寸五分。

※BL32)次髎と同じ高さにある。

・筋肉:大殿筋/仙棘筋

・運動神経:下殿神経(大殿筋)・脊髄(仙骨)神経後枝

・知覚神経:中殿皮神経(仙骨神経後枝)

・血管:外側仙骨動脈

【名の由来】

本穴が膀胱絡の兪穴である事から。

【要穴】

『膀胱兪穴』

【作用】

〔補〕『水兪五十七処“腎兪”/補腎利水』

〔瀉〕疏通膀胱・清熱利湿

【弁証主治】

◆膀胱虚証/腎病

成長発育不全、代謝不全、極度の痩せ・顔色が黒い・※癥積・腰痛・泌尿器、婦人科疾患〔瀉〕・下痢、排便異常・痔・脈沈遅など

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

下肢マヒ

【弁証配穴】

『兪募配穴(膀胱):中極+膀胱兪』…膀胱病

【主症配穴】

+脾兪…未消化便

+関元兪…風邪の後の腰痛

【私見】

・個人的には、背部兪穴と交感神経幹の関連を考えている。交感神経の状況に応じて、刺激の種類や強弱を変えるべきと考える。

・足太陽経の背部兪穴は、督脈の性質も帯びる。上記の交感神経幹との関連も含めて、施術法を吟味すべし。

・『水兪五十七処』の“腎兪”に数えられる。膀胱炎などに。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「kukundara(腰の凹部/骨のマルマ)」と呼ばれ、下肢マヒに治効があるとされる。

 

※癥積…お腹の中に明確なしこりがあり、痛みや張りが強く、位置が一定なもの。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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《アーユルヴェーダ・マルマ》, ED、男性生殖器疾患, 股関節痛、鼠径部痛、大腿痛, 腰背部痛, 足太陽膀胱経, 婦人科疾患

関元兪(かんげんゆ)

BL26)関元(guan1yuan2shu4)(かんげんゆ)

【取穴】上背部、第5腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方一寸五分。

【名の由来】本穴が任脈の関元と相対している事から。

【作用】〔補〕統領下焦気血・調補丹田

【弁証主治】◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】腰痛・下痢・泌尿器、婦人科疾患(骨盤腔内の血流改善)下肢マヒ

【配穴】+膀胱兪…風邪の後の腰痛

【症例/個人的見解】

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては当然、仙腸関節痛に対して有効かと思う。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「kati-kataruna(柔らかな腰/骨のマルマ)」と呼ばれ、骨盤腔内の血流改善と下肢マヒに治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 足太陽膀胱経, 治熱五十九兪

絡却(らくきゃく)

BL8)絡却(luo1que4)(らくきゃく)・強陽・脳蓋・絡郄

【取穴】

頭部、前髪際の上方五寸五分、後正中線の外方一寸五分。

※GV20)百会の後方五分、外方一寸五分にある。

※個人的には本穴は「Λ縫合上、強間(Lambda)の外方一寸五分」に取穴すべきと考えている。

【名の由来】

「絡=絡脈(毛細血管)」「却=退ける」。本穴に眼の充血を退かせる効がある事から。

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清頭散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

パニック症候群・チック ・めまい・視力低下・鼻炎・耳鳴・顔面神経マヒ・甲状腺腫・嘔吐・お腹が張る

【症例/個人的見解】

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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《アーユルヴェーダ・マルマ》, ストレス/不安障害、パニック障害, 眼疾患, 足太陽膀胱経, 治熱五十九兪

承光(しょうこう)

 

BL6)承光(cheng2guang1)(しょうこう)

【取穴】

頭部、前髪際の上方二寸五分、前正中線の外方一寸五分。

※BL5)五処の上方一寸五分、BL4)曲差の上方二寸にある。

※個人的には本穴は、「冠状縫合上、顖会(Bregma=大泉門)の外方一寸五分」に取穴すべきと考えている。

【名の由来】

「承=受け入れる」。本穴が眼を主治し、眼に光りを呼び戻す効がある事から。

【作用】

〔瀉〕『頭上行五/清頭散風・清瀉熱逆』

【弁証主治】

◆足太陽経病

風邪・発熱による疼痛など

【主症主治】

パニック症候群・めまい・頭痛・眼疾患・三叉神経痛・顔面神経マヒ・嘔吐・胸焼け

【症例/個人的見解】

・古典には「禁灸穴」とある。要注意。

・アーユルヴェーダでは5つの頭蓋縫合線自体を「simanta(毛髪の分け目/関節のマルマ)」と捉えている。パニック症候群など過剰な感情の起伏に効があるとされる。

・穴名からも眼疾患への効果は期待できそう。

 

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《アーユルヴェーダ・マルマ》, 精神疾患, 脳、神経症状, 自律神経失調, 項頚部痛, 頭痛, 手太陽経筋, 手太陽小腸経

天窗(てんそう)

SI16)(tian1chuang1)(てんそう)・窗籠・窗聾

【取穴】

前頚部、胸鎖乳突筋の後縁、甲状軟骨上縁と同じ高さ。

※胸鎖乳突筋は抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。

※ST9)人迎、LI18)扶突および甲状軟骨上縁と同じ高さにある。

※ST9)人迎は胸鎖乳突筋の前縁、SI16)天窗は胸鎖乳突筋の後縁、LI18)扶突は胸鎖乳突筋の前縁と後縁の中央にとる。

【名の由来】

「天=頭」「「窗=七竅(目鼻口耳)」。本穴が七竅の疾患を主治する事から。

【要穴】

『根結:手太陽之入』

【作用】

〔瀉〕開通七竅

【弁証主治】

◆手太陽経(筋)病

発熱による疼痛・白内障・視力低下・耳鳴、難聴・項頚部痛・下顎痛・頚部静脈瘤・肩、肩胛骨痛・上肢後内側の痛み、火照り・第5指痛など

【主症主治】

失語症・発声障害、しわがれ声・味覚異常

【配穴】

+巨髎…頬痛〔瀉法〕

【私見】

・陽経における根結において、『入』の穴は絡穴と、胸鎖乳突筋周囲の2点がある。この頚の6点は、各経(経筋)の病態を判断する診断点として使用できるように感じる。

・個人的には、上述の『入』と、頚前筋の分布になにかしらの関連を感じる。胸鎖乳突筋のすぐ裏には頸動脈鞘があり、脳の主要動静脈に加え、迷走神経も、この鞘に包まれている。このことから、胸鎖乳突筋上に分布する各『入』は、経筋のみならず、自律神経系や脳の代謝異常にも運用できるのではないだろうか?

 ・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「manya(うなじ/脈管のマルマ)」と呼ばれ、発声障害、しわがれ声・味覚異常に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
048-851-9675

《アーユルヴェーダ・マルマ》, アレルギー疾患, 皮膚疾患, 精神疾患, 手太陽小腸経

天宗(てんそう)

 

SI11)天宗(tian1zong1)(てんそう)

【取穴】

肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部。

※肩胛点(肩関節痛の診断点)に近い。

【名の由来】

「天=肺」「宗=一族」。本穴が肺の表に在る事から。

【交会】

経別:第四合(肩/手太陽の別れる処?)

【作用】

〔瀉〕粛降肺気・舒筋活絡

【弁証主治】

◆手太陽経病

下顎痛・頚部静脈瘤・項頚部痛・肩痛・上肢の痛み、火照り、知覚異常、筋力低下など

【主症主治】

肝障害〔右〕・心障害〔左〕・アレルギー疾患

【症例/個人的見解】

・第四合は、経別の中でも少々特殊で、

1,手少陰経別が明確に「手太陽に合す」という記述がない。 

2,手太陽経別は体表に出ることがない。 

3,手太陽経別の記述が、手少陽経の記述と対になっている。 

この対が何を意味するのかは、現時点では不明。三焦との関わりを考えるべきか?

・薬物中毒者が、肩貞や天宗付近のコリや不快感を訴える例が多い。

・アトピー性皮膚炎の患者に対し、本穴より瀉血をしたところ、著効がみられた。

 ・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「amasaphalaka(肩甲骨/骨のマルマ)」と呼ばれ、上肢の知覚異常、筋力低下に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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《アーユルヴェーダ・マルマ》, 禁灸穴, 禁鍼穴, 精神疾患, 胸街/気海, 脳、神経症状, 自律神経失調, 致命三十六穴, 陰蹻脈, 陽蹻脈, 項頚部痛, 頭痛, 足陽明経筋, 足陽明胃経

人迎(じんげい)

 

ST9)人迎(ren2ying2)(じんげい)・天五会・五会

【取穴】

前頚部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈上。

※胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。

※LI18)扶突、SI16)天窓、および甲状軟骨上縁と同じ高さにある。

※胸鎖乳突筋の前縁がST9)人迎、後縁がSI16)天窓、前縁と後縁の中央にLI18)扶突がある。

【名の由来】

本穴が嚥下の際、食物を送迎するように動く事から、「人を迎えるが如し」との意味で。

【要穴】

『根結:足陽明之入』

『標本:足陽明之標』

【交会】

・経絡(4):足陽明経-足少陽経-陽蹻脈-陰蹻脈

※一説には陽蹻-陰蹻之会とも。

【作用】

〔瀉〕『気海(胸街)之兪/寛胸定喘・散結清熱』

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど

◆足少陽経病

口苦・溜息・脇肋痛・足首痛・皮膚の乾燥など

◆蹻脈病

てんかん・半身不随・睡眠障害自律神経失調、冷えのぼせ・眼裏痛、視力低下・腰背部痛・皮膚の強いしびれやこわばり・部位がはっきりしない疼痛など

 

【主症主治

気海(胸街)之兪/呼吸困難 ・発声障害、しわがれ声

味覚異常・甲状腺腫・リンパ節腫大

【私見】

・鍼灸甲乙経に「刺過深殺人」とある。要注意。

・鍼灸甲乙経、和漢三才図会に「禁灸穴」とある。要注意。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。頸動脈からの出血。

・陽経における根結において、『入』は絡穴と、胸鎖乳突筋周囲の2点がある。この頚の6点は、各経(筋)の病態を判断する診断点として使用できるように感じる。

・個人的には、上述の『入』と、頚前筋の分布になにかしらの関連を感じる。胸鎖乳突筋のすぐ裏には頸動脈鞘があり、脳の主要動静脈に加え、迷走神経も、この鞘に包まれている。このことから、胸鎖乳突筋上に分布する各『入』は、経筋のみならず、自律神経系や脳の代謝異常にも運用できるのではないだろうか?

・陰陽蹻脈の交会であることから、体軸の調整に応用できるかと。また熱症状のある時は陰蹻脈へ、寒症状のある時は陽蹻脈として選穴すること。

・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「nila(青/脈管のマルマ)」と呼ばれ、発声障害、しわがれ声・味覚異常に治効があるとされる。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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