CV6)気海(qi4hai3)(きかい)・丹田・脖胦・下肓
【取穴】
下腹部、前正中線上、臍中央の下方一寸五分。
・筋肉:白線
・知覚神経:肋間神経前皮枝
・血管:浅腹壁動脈、下腹壁動脈
【名の由来】
「気=真気」。本穴が臍と丹田の中点にあり、真気の集まる場である事から。
【要穴】
『肓之原』
【作用】
〔補〕培補元気・調補下焦・補腎益気・真陽固精
〔瀉〕行気散滞・理気行血・去邪散滞・温陽散寒
【弁証主治】
◆真陽不足〔灸補〕
脱証・小児のひきつけ・精神衰弱・難聴・内臓下垂・水様の下痢・冷え性など
◆任脈病
泌尿器、婦人科疾患・げっぷ、腹部のしこり、※瘕聚 、※奔豚〔灸100壮〕・便秘・痔・糖尿病・更年期障害など
【主症配穴】
+大巨〔瀉〕…てんかん
+水分…むくみ〔皮内鍼の様な浅刺でも可〕
+章門…下半身の冷え〔灸法〕
+三陰交…遺精
【症例/個人的見解】
・「肓之原は脖胦に出ず」と云う。霊枢九針十二原第一においては、五臓の原穴左右十穴に、鳩尾と気海を加えて十二原としている。その重要性は一考かと。
・本穴は「男子の生気之海」とされる。泌尿器疾患に。
・古典に「妊婦禁灸」とある。要注意。
・武術的な「致命三十六穴」の一つ。骨盤腔内臓器の損傷。
※瘕聚…腹内に結塊があって、張れや痛みを伴う病証。積塊が不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。
※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。
※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
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