任脈

上脘(じょうかん)

CV13(shang4wan3)(じょうかん)・上管・胃管・胃脘

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方五寸。

【名の由来】

「脘=胃」。本穴が胃の上口(噴門)に位置する事から。

【交会】

・経絡(3):任脈-足陽明経-手太陽経

【作用】

〔補〕温陽益気・温胃散邪

〔瀉〕和胃降逆・清胃去邪・消積軟堅・理気解鬱

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり、※伏梁、※奔豚・痔・糖尿病など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆手太陽経病

※霍乱・悪寒発熱・リンパ節腫・項頚部痛・肩痛・上肢の痛み、ひきつれ、マヒ、火照りなど

◆胃病

※疳証・胃腸虚弱、萎縮性胃炎・黄疸など

【配穴】

+神門…注意欠陥多動性障害

【症例/個人的見解】

・古典には「抑えて之を降ろす」とある。三脘の中でも逆流性食道炎などに効果が高い。

・和漢三才図会に「妊婦禁灸」とある。要注意。

 

※心積伏梁…五積之一。慢性の臍~心窩部にしこりがあり、胸苦しさや動悸、イライラを生じさせるもの。加えて脈沈芤・お腹の熱感・顔が赤い・唾に血が混じる・掌のほてり。甚だしきは抽搐を伴う。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

※疳証…慢性的な疾患によって痩せ衰え、津液が枯渇するもの。古代小児四大証(痘・麻・驚・疳)の一つ。顔色が黄色く肌に艶がない・毛髪が焦げたように細い・腹大静脈怒張・精神衰弱など。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

バランス向上, , 足太陰経筋, 八会穴, 募穴「瀉実」, 各種依存症, 回陽九針, 消化器疾患, 任脈

中脘(ちゅうかん)

 

CV12(zhong1wan3)(ちゅうかん)・太倉・中管・胃募・上紀

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方四寸。

・筋肉:白線

・知覚神経:肋間神経前皮枝

・血管:肋間動脈、上腹壁動脈

【名の由来】

「脘=胃」。本穴が胃の中央に位置する事から。

【要穴】

『胃募穴』

『八会穴:腑会』

『根結:足太陰之結』

『前三関』

※気功用語。小周天功における重要な関所の一つ。関元・中脘・膻中とする説と、関元・膻中・印堂とする説あり。

【交会】

・経絡(4~6):任脈-手太陽経-手少陽経-足陽明経(-手太陰経-足厥陰経)

※”中焦”を中脘と同義とするなら、足厥陰経-手太陰経とも交会する事となるが… 

【作用】

〔補〕補中健胃・温陽益胃・暖胃散寒

〔瀉〕和胃導滞・去痰消積・暖胃遂邪・腑気温通・清胃散邪

【弁証主治】

◆胃病/血病/腑病全般

※疳証・腹痛、腹張、腹水などの消化器症状・黄疸・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患 〔灸300壮〕・下腹部のしこり、※伏梁、※奔豚、※痃癖・痔・糖尿病など

◆手太陽経病

悪寒発熱・リンパ節腫・項頚部痛・肩痛・上肢の痛み、ひきつれ、マヒ、火照りなど

◆手少陽経病

多汗・耳鳴、急性の強い難聴・歯痛・喉痛・胸脇痛など

◆足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

◆手太陰経病

呼吸器の虚弱・咳嗽、喘息・自律神経失調・鎖骨窩痛・肘痛・両手を交えてもだえるなど

◆足厥陰経病

性欲の異常・更年期障害など

◆足太陰経筋病

脇腹~臍の引きつれ・下腹部~陰部のひきつれと鋭い痛み・股関節痛・陰部痛・下腿内側痛・内踝痛・足母指痛・腰痛、背深部の痛みなど

【弁証配穴】

『郄会配穴(腑):中脘+温溜・筑賓』…腑病

『兪募配穴(胃):中脘+胃兪』…胃病

『募合配穴(胃):中脘+足三里』…食積胃脘証・胃寒証

『原募配穴(足陽明経):衝陽+中脘』…足陽明経病

【主症配穴】

『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』

+大椎…※霍乱

+腰兪…発熱〔瀉法〕

+心兪〔灸〕…不安障害

+頭維…前頭部痛

+肺兪…慢性の咳嗽〔喀痰が多い時には+豊隆〕

+上脘…心痛・脾痛

+腕骨…黄疸 〔中脘は金鍼〕

+豊隆…蕁麻疹〔瀉法〕

【私見】

古典には「和して之を消す」とある。三脘の中でも胃の機能そのものを高める。

・和漢三才図会に「妊婦禁灸」とある。要注意。

・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。

・足陰経における根結では、『結』は任脈上の中脘(足太陰)、玉堂(足厥陰)、廉泉(足少陰)とされている。足陽経同様、経筋と絡めて考えると、この3点は、各経筋の動作上の軸と関わるのではないだろうか?

 

※疳証…慢性的な疾患によって痩せ衰え、津液が枯渇するもの。古代小児四大証(痘・麻・驚・疳)の一つ。顔色が黄色く肌に艶がない・毛髪が焦げたように細い・腹大静脈怒張・精神衰弱など。

※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉が渇き、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

※痃癖…脇肋部にある癖塊。痃:臍の両側が筋張り盛り上がっているもの。痛みは無い事もある。癖:両脇にあり、痛む時だけ触知できるもの。

※霍乱…熱中症に類する。突発性のひどい嘔吐と下痢、胃の気持ち悪さ。寒・熱・乾・湿の区別があり、筋肉の痙攣(特に腹筋・腓腹筋)を生じることもある。コレラや細菌性食中毒も該当。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675

任脈

建里(けんり)

CV11建里(jian4li3)(けんり)

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方三寸。

【名の由来】

「建=建て置く」「里=居住地」。本穴が下脘と中脘の間にあり、食物が胃中にて留まる場所である事から。

【作用】

〔補〕和中理気

〔瀉〕消湿化滞

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

【主症配穴】

+内関…胸苦しさ

+水分…お腹が張り、むくむ〔瀉法〕

+足三里…胃炎・腹痛〔建里は瀉〕

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会には「禁灸穴」とある。何故か?

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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任脈

下脘(げかん)

 

CV10)(xia4wan3)(げかん)・幽門

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方二寸。

【名の由来】

「脘=胃」。本穴が胃の下部にある事から。

【交会】

・経絡(2):任脈-足太陰経

【作用】

〔瀉〕通腸散結・温胃散寒・清熱胃熱・降逆止嘔

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病・男性不妊など
◆足太陰経

貧血、血液疾患・嚥下困難・心窩部痛・脈浮緩など

◆胃病

胃腸虚弱、萎縮性胃炎・黄疸など

【主症配穴】

+足三里…胃のひきつれ・嘔吐・しゃっくり〔瀉法〕

+陥谷…腹鳴

【症例/個人的見解】

・古典には「散じて之を去る」とある。三脘の中でも十二指腸付近の通利を良くする。

・和漢三才図会には「妊婦禁灸」とある。要注意。

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675

むくみ、冷え症, 消化器疾患, 任脈

水分(すいぶん)

 

CV9)水分(shui3fen1)(すいぶん)・分水・中守

【取穴】

上腹部、前正中線上、臍中央の上方一寸。

【名の由来】

本穴の奧に、”秘別清濁”を主る小腸がある事から。

【作用】

〔補〕和中利気

〔瀉〕分利水湿

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり・痔・糖尿病など

【主症主治】

むくみ

【主症配穴】

+気海…むくみ〔皮内鍼の様な浅刺でも可〕

+陰陵泉…むくみ

+復溜…腹張・むくみ・腹水

+三間〔瀉〕…下痢・過敏性腸症候群〔水分は灸〕

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会には「妊婦禁灸」とある。要注意。

・むくみの要穴。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
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《経外奇穴》, 致命三十六穴, 足太陰経筋, 婦人科疾患, 意識障害, 手少陰経筋, 更年期障害, 任脈

神闕(しんけつ) ※三角灸(さんかくきゅう)

CV8)(shen2que4)(しんけつ)・維会・臍中・気舎・闕陰・命蔕・気合

【取穴】上腹部、臍中央。

【名の由来】「闕=宮中」。臍は「先天之結帯、後天之気舎」と云い、胎児の神気を結び、営気を送る場である事から。

【交会】・経筋(2):足太陰経筋の結す処・手少陰経筋の系する処

【作用】〔基本、神闕は灸〕

〔灸補〕中陽奮起・下元温補・回陽固脱

〔灸瀉〕駆冷散結・寒邪温散・血脈温通・開竅復蘇

【弁証主治】

◆任脈病

泌尿器、婦人科疾患・腹部のしこり、※奔豚・痔・糖尿病など

◆足太陰経筋病

脇腹、下腹部~臍、陰部への引きつれと鋭い痛み・股関節痛・陰部痛・下腿内側痛・内踝痛・足母指痛・背深部の痛みなど

◆手少陰経筋病

しゃっくり・※伏梁・※肘網の痛み・上肢内側痛・インポテンツなど

【主症主治】むくみ・※尸厥 〔灸1壮〕・※脱証

【主症配穴】

+公孫…腹張

+復溜…お腹のむくみ

+三間〔瀉〕…過敏性腸症候群

+三陰交…排尿障害

【症例/個人的見解】

・和漢三才図会に「禁鍼穴」とある。常識的に考えて鍼は使わないほうが良いかと。

・尸厥に対し、扁鵲が鍼をしたとの逸話あり。

・武術的な「致命三十六穴」の一つ。腹腔内臓器の損傷。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉が渇き、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。

※肘網…肘に分布する細網(孫絡?)。脳梗塞後の肘のこわばりなどはコレによる。

※尸厥…突然昏倒し仮死状態を呈する。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。

※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。 描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。

 

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三角灸(san1jiao3jiu3)(さんかくきゅう)・疝気穴・臍傍穴・臍三角

※経外奇穴-世医特効方-

【取穴】下腹部、患者の両口角の長さを一辺とした正三角形をつくり、その頂点を臍にあてる。その底辺を水平にして、両底角を取穴する。

【名の由来】その取穴の方法と、一般に灸法に用いる事から。

【主治】鼠径ヘルニア・肝斑・過敏性腸症候群・慢性結腸炎・不妊症

【配穴】+足三里+大敦…陰嚢ヘルニア

 

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
☎ 048-851-9675
ED、男性生殖器疾患, 衝脈, 足少陰腎経, 婦人科疾患, 慢性疲労、虚弱体質, 消化器疾患, 任脈

陰交(いんこう)

 

CV7)陰交(yin1jiao1)(いんこう)・丹田・横戸・少関・小関

【取穴】

下腹部、前正中線上、臍中央の下方一寸。

※キュンメル点(虫垂炎の診断点)に近い。

【名の由来】

任・衝・足少陰の三陰経が交わる場所である事から。

【交会】

・経絡(3):任脈-衝脈-足少陰経

※甲乙経に「任脈、気衝之会」とある。

【作用】

〔瀉〕調経固帯・利水消腫

【主治】

◆任/衝脈/足少陰経病「逆気して裏急す」

泌尿器、婦人科疾患(生理痛・婦人科系の疼痛、しこり)

身体が膨張したように感じる(自律神経失調、更年期障害・鼻血・喘息、梅核気・皮膚静脈炎)〔瀉〕・

身体が縮んだように感じる(冷え性〔灸200~300壮〕・認知症・貧血・喘息・サルコペニア(加齢による筋力低下)・※ 奔豚)〔補〕 など

 

【配穴】

+湧泉…下腹部痛(鋭い痛み・腹部のしこり・陰部のひきつれ)〔瀉法〕

+委陽…排尿障害〔瀉法〕

+石関…不妊

【症例/個人的見解】

・難経第三十一難には、下焦の病を治す場として「臍下一寸」としている。

・和漢三才図会には「妊婦禁灸」とある。要注意。

 

※腎積奔豚…五積之一。脇腹にしこりが出来、このしこりが時々胸を衝き上げるようで苦しい・腹痛・往来寒熱・骨萎・息切れなど。

編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675