TE2)液門(ye4men2)(えきもん)・腋門
【取穴】
手背、薬指と小指の間、みずかきの近位陥凹部、赤白肉際。
【名の由来】
本穴が三焦(水道為出)経の水穴である事から。
【要穴】
『手少陽経榮水穴(火経水穴/水克火)』
【作用】
〔補〕活血補気・補益筋脈
〔瀉〕清頭聡耳・利水除湿・清熱瀉火・安神定志
【弁証主治】
◆傷寒少陽病「身熱を治す/水克火」
発熱、往来寒熱・リンパ節腫・眼炎・歯槽膿漏・顔の炎症・※副腎皮質機能亢進症状など
◆手少陽経(筋)病
多汗・耳炎・耳鳴、難聴・舌のこわばり・喉痛・肘痛・上肢痛、ひきつれ、むくみ、マヒ・第4指痛など
【主症主治】
眼の炎症
【配穴】
+陽谷…挙動不審
+公孫…常に眠い
+魚際…喉痛
+太淵…手足の冷え
【症例/個人的見解】
・榮(火/水)穴は木(筋)を挟む。故に各経筋病にも使い勝手が良い。
・三焦には元陽の意味もあるため、液門の清熱は全身に作用する。
・活血、利水作用も強く、疲労回復には効果が高い様子。
・古典には眼の炎症に関する治効が多い。追試対象。
※副腎皮質ホルモン…ステロイドホルモン。いすれも生体のエネルギー利用を高める方向に左右する。ストレスに対して視床下部(CRH)⇒下垂体前葉(ACTH)⇒副腎皮質と、血中ホルモンの作用により促進され、血中のステロイド濃度が上位中枢に抑制的に働く。
・糖質コルチコイド…血糖値の上昇・タンパク質分解促進・抗炎症作用・免疫抑制作用・胃酸分泌促進など。クッシング症候群(過剰分泌)では、満月様顔貌・蛋白質質減少・高血糖・高血圧・精神異常などを生じる。
・電解質コルチコイド…血液量の減少やNa⁺濃度の低下に反応してNa⁺再吸収・水分再吸収・K⁺排出を促す。コン症候群(過剰分泌)では多尿・多飲・高血圧・虚弱などを生じる。
・副腎アンドロゲン…通常、活性は弱い。身体を男性化する。副腎性器症候群(過剰分泌)では、女性では体型の男性化・思春期の男性においては、精巣が未熟であるにも関わらず、第2次性徴のみが早熟する。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
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