SI11)天宗(tian1zong1)(てんそう)
【取穴】
肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部。
※肩胛点(肩関節痛の診断点)に近い。
【名の由来】
「天=肺」「宗=一族」。本穴が肺の表に在る事から。
【交会】
・経別:第四合(肩/手太陽の別れる処?)
【作用】
〔瀉〕粛降肺気・舒筋活絡
【弁証主治】
◆手太陽経病
下顎痛・頚部静脈瘤・項頚部痛・肩痛・上肢の痛み、火照り、知覚異常、筋力低下など
【主症主治】
肝障害〔右〕・心障害〔左〕・アレルギー疾患
【症例/個人的見解】
・第四合は、経別の中でも少々特殊で、
1,手少陰経別が明確に「手太陽に合す」という記述がない。
2,手太陽経別は体表に出ることがない。
3,手太陽経別の記述が、手少陽経の記述と対になっている。
この対が何を意味するのかは、現時点では不明。三焦との関わりを考えるべきか?
・薬物中毒者が、肩貞や天宗付近のコリや不快感を訴える例が多い。
・アトピー性皮膚炎の患者に対し、本穴より瀉血をしたところ、著効がみられた。
・インド医学にも「マルマ(marman)」と呼ばれるツボに該当する概念がある。本穴はインド医学的には「amasaphalaka(肩甲骨/骨のマルマ)」と呼ばれ、上肢の知覚異常、筋力低下に治効があるとされる。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
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