SI3)後渓(hou4xi1)(こうけい)
【取穴】
手背、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際。
※軽く拳を握り、遠位掌線の尺側端、赤白肉際にある。
【名の由来】
「渓=陥凹」。本穴が第五指中手指節関節の後方、陥凹部に在る事から。
【要穴】
『手太陽経兪木穴(火経木穴/木生火/自経母穴)』
『八脈交会穴(×督脈)』
【作用】
〔補〕補益小腸
〔瀉〕宣通太陽・清熱寧心・袪風通絡・通督解痙
【弁証主治】
◆小腸虚証「虚すれば其の母を補う」
顔が赤い・心身症的な胃腸症状〔透少府〕・※積聚・脈浮洪・13:00~15:00あるいは01:00~03:00の異常など
◆手太陽経(筋)病/湿痺証「体重節痛を治す」
発熱による疼痛(下顎痛・項頚部痛・肩、肩胛骨痛・上肢後内側の痛み、火照り・第5指痛)・視力低下・耳鳴、難聴・頚部静脈瘤など
◆督脈病
〔補〕躁鬱・頭が重く、ふらふらする・腰背や膝の悪寒など
〔瀉〕注意欠陥多動性障害、統合失調症・強い頭痛・眼疾患・腰背部痛・四肢の冷えなど
【弁証配穴】
『八脈交会配穴:後渓+申脈』…表証・背部全般の問題
【主症配穴】
+陰郄…小児の身体の芯に熱が籠もるような感覚
+間使+合谷(+水溝)…不安障害(パニック)
+腎兪…多汗
+大椎…寝汗
+労宮…黄疸
+陽渓…痔
【症例/個人的見解】
・古典には『鍼の妙穴』とある。痛みの治療では合谷に向けて透刺すると良い。
・『後渓+申脈』の配穴は、太陽の関係に基づくものと考える。そう考えると、背部全般の広い範囲の問題(主に疼痛)が適応かと。
※積聚…お腹の中にしこりがあり、張れや痛みを伴う病証。一般に、しこりが明らかで、痛みや張りが強く、位置が一定なものを積。しこりが不明瞭で、一時的に張りがきて痛みが移動するものを聚という。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
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