HT4)霊道(ling2dao4)(れいどう)
【取穴】
前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方一寸五分。
※HT7)神門の上方上方一寸五分、尺骨頭上縁と同じ高さにある。
※豆状骨の上縁橈側の上方一寸五分にある。
・筋肉《支配神経》:尺側手根屈筋腱 Flexor carpi ulnaris tendon《尺骨神経(C7,8) Ulnar nerve》・浅指屈筋腱 Flexor digitorum superficialis tendon《正中神経(C7,8,T1) Median nerve》/深指屈筋腱 Flexor digitorum profundus tendon(内側 Medial side)《尺骨神経(C8,T1) Ulnar nerve》
・知覚神経:内側前腕皮神経 Medial cutaneous nerve of forearm
・血管:尺骨動脈 Ulnar artery
※霊道、通里、陰郄、神門は一寸五分の中に密集する。
個人的には、この密集は屈筋支帯 Flexor retinaculum(横手根靭帯 Transverse carpal ligament)の幅に由来するのではと考える。
では、屈筋支帯に刺激をかけることで何が起きるのか?この点に関しては現段階では不明。
【名の由来】
「霊=神志」「道=通路」。本穴が心の病態をよく現す事から。
【要穴】
『手少陰経経金穴(火経金穴/火克金)』
【作用】
〔補〕寧心醒神・和気行血
【弁証主治】
◆傷寒少陰病(陽虚証)「喘咳寒熱を治す/火克金」
喉痛・過呼吸・梅核気・貧血、血液疾患・不安障害・むくみなど〔金鍼で補〕
◆手少陰経病
上肢前内側の冷え・静脈瘤など
【主症配穴】
+大鐘…躁鬱、不安障害
+内庭…いつも眠い、あくびが多い
【私見】
・次の通里は『馬丹陽天星十二穴』の一つに数えられる。しかし絡穴の性質(瀉法向き)から考えて、通里において補法(虚証)で記載される主治に関しては、通里よりも本穴の方がふさわしいように思う。また霊道において瀉法とされる主治については、本穴よりも通里がふさわしいと考える。
・霊道、通里、陰郄、神門は一寸五分の中に密集する経穴なので、実際の臨床では効能を分けて論じるべきかは悩ましい。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡048-851-9675