ST45)厲兌(li4dui4)(れいだ)
【取穴】
足第2趾、末節骨外側、爪甲角の近位外方一分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
・知覚神経:浅腓骨神経
・血管:第2背側中足動脈の枝
【名の由来】
「厲=戊土=脾胃」(十天干)、「兌=口」(八卦易象)。本穴が口周囲の疾患を主治し、口は胃の門戸である事から。
【要穴】
『足陽明経井金穴(土経金穴/土生金/自経子穴)』
『標本:足陽明之本』
『根結:足陽明之根』
【作用】
〔瀉〕活絡開竅・回陽救逆
【弁証主治】
◆温病
悪寒戦慄をともなう3日以上の高熱、感染症、髄膜炎、リンパ節腫・血液疾患〔灸3壮/金針で瀉血〕・出血傾向など
◆胃実証「心下満を治す/実すれば其の子を瀉す」
萎縮性胃炎・アレルギー疾患・自己免疫疾患・脈浮緩・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など
◆足陽明経(筋)病
躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど
【主症主治】
※尸厥
【弁証配穴】
+豊隆…足陽明絡脈の実証〔厲兌は繆刺…反対側を瀉血〕
【主症配穴】
+隠白…悪夢・常に眠い
+合谷…下歯痛
【私見】
・急性の強い心痛に対し、厲兌の反対側(足第2趾、末節骨内側)に大きめの灸を据えると良い。
・井穴はその位置的に、いずれも瀉熱作用〔瀉血〕が強い。
※尸厥…発作性の昏倒。手足の冷え・鳥肌・顔色が青黒い・うわごと・咬い締め・めまい・呼吸微弱、脈絶微弱など。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
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