LI4)合谷(he2gu3)(ごうこく)・虎口・含口・合骨
【取穴】
手背、第2中手骨中点の橈側。
【名の由来】
本穴が示指と母指を締めた時に肉が盛り上がる(大会する)事から。
【要穴】
『大腸原穴』
『根結:手陽明之溜』
【作用】
〔補〕補益原気
〔瀉〕清宣陽明・舒筋活絡・行気散滞・開竅醒志
【弁証主治】『四関穴』
◆大腸/胃/腎病(発汗、排泄など水分代謝の諸問題)
貧血、血液疾患(脈浮緩)・アレルギー疾患・発汗調節・黄疸・口や喉が渇く・消化器症状(便秘、下痢)・07:00~09:00あるいは19:00~21:00の異常など
◆手陽明経(筋)病
歯痛・耳鳴、難聴・めまい・頚部の腫脹・項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、マヒ、悪寒、炎症・第2指痛〔透後渓〕など
【主症主治】
『四総穴/顔口の症状』
『馬丹陽天星十二穴/頭痛・顔の腫れ・感染性発熱疾患・鼻血・虫歯・咬い絞め』
【弁証配穴】
『原合配穴(陽明):合谷+足三里』…腑病・胃気の病全般
『原絡配穴(大腸⇒肺):合谷+列缺』…大腸/津病〔瀉法〕
『原募配穴(手陽明経):合谷+天枢』…手陽明経病
『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(筋)病
【主症配穴】
『回陽九針穴法:瘂門⇒労宮⇒三陰交⇒湧泉⇒太渓⇒中脘⇒環跳⇒足三里⇒合谷/蘇生法?』
+復溜…多汗〔先に合谷を瀉、次に復溜を補〕
+復溜…汗がでにくい〔先に合谷を補、次に復溜を瀉〕
+解渓…めまい・眉陵の強い痛み
+内庭…鼻血
+厲兌…下歯痛
+手三里…舌の腫瘤
+迎香…顔の腫れ・痒み
+天突…喉の痙攣
+至陰…不妊
+三陰交〔瀉〕…胎児が心窩部を衝き上げる
+右足の内踝上一寸〔灸〕…堕胎
【症例検証/個人的見解】
・原穴はその臓腑経絡に加え、子午の対角にある臓腑経絡も主治する。すなわち本穴は、足少陰腎経の病(主に所生病)も主治とする。
・個人的には、原穴は『複合的臓腑連関』のつながりに基づいた、三臓腑を統合したような病状に用いるべきかと考える。
・本穴では「大腸/胃/腎」をつなぐ病状として、特に水湿代謝の問題には適応と考える。
・『四総穴』での本穴の主治も、顔面部をめぐる手(大腸)足(胃)陽明経に基づくものと考える。そういう意味では頭痛には適応とは思わない。
・また、手陽明絡脈は耳に合す。また原穴は本経だけでなく絡脈の阻滞にも有効なので、耳疾患にも適用。
・肺衛、気分証、気虚などに対する常用穴。
・汗法に用いる。汗を出させすぎないよう注意。
・『四関穴(合谷/太衝)』は、穴位としての類似性はあるが、臓腑のつながりとしては遠い。個人的には、配穴ではなく、それぞれ個別に使うべきかと思う。
・中国では、『回陽九針穴』を順番に取穴していくと、一時的な蘇生効果があるともいわれる。
・暈鍼の救急処置穴。臨床的に、陽虚上浮証などにも有効。
・検証:得気は「後渓」、「労宮」、「魚際」、「曲池」と多方に拡散する。刺鍼方向にもよるかと。
※脱証…珠ような汗がながれ、手足がひどく冷える・眼は閉じ口は開いたまま、手は巻き上がる・尿漏れ・脈微細絶。虚証。描写から考えるに、錐体路、錐体外路変性、進行性球マヒなども含まれるかと。
―――――――――――――――
※腰痛点 威霊(yao1tong4dian3wei1ling2)(ようつうてん いれい)・腰腿点・腰腿痛点
※経外奇穴-小児推拿方脈活嬰秘旨全書-
【取穴】
手背、第2・3中手骨間、背側手関節横紋と中手指節関節の中点。
【由来】
本穴が腰痛に高い効果を有する事から。
【主治】
ぎっくり腰・意識障害・小児のひきつけ・頭痛・耳鳴・ねちがい・頚椎症・肩関節周囲炎・手背が紅く腫れて痛む
【症例/個人的見解】
・養老と腰痛点は、急性腰痛の第一鍼として用いる事が多い。威霊は反側の脊柱際の腰痛に効果があるように感じる。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
℡ 048-851-9675